JAMES TAYLOR

 

JAMES TAYLOR
SWEET BABY JAMES
MUD SLIDE SLIM AND THE BLUE HORIZON
ONE MAN DOG

 

JAMES TAYLOR (APPLE RECORDS:1968年)  2015年1月16日(金)

  1.Don't Talk Now
  2.Something Wrong
  3.Knocking 'Round The Zoo
  4.Sunshine Sunshine
  5.Taking It In
  6.Something In The Way She Moves
  7.Carolina In My Mind
  8.Brighten Your Night With My Day
  9.Night Owl
 10.Rainy Day Man
 11.Cirlcle Round The Sun
 12.The Blues Is Just A Bad Dream
 記念すべきアップルからのデビューアルバム。曲と曲のつなぎに、室内楽の様な弦楽器、チェンバロ、ハープなどの曲が入っているのは、ビートルズの横やりだろうか。邪魔だ。「サムシング・ロング」、「ノッキング・ラウンド・ザ・ズー」、「ブライトン・ユア・ナイト・ウィズ・マイ・デイ」、「ナイト・アウル」、「レイニー・デイ・マン」は、ダニー・コーチマーと結成したザ・フライング・マシンのデモテープのアルバムに収録されていて、そちらのほうが感じがいい。「サムシング・ロング」は演奏だけだが。「サムシング・イン・ザ・ウェイ・シー・ムーヴス」と「思い出のキャロライナ」も、グレイテスト・ヒッツのセルフ・カバー版のほうがなじみやすい。と言ってしまえば身もふたもないが、ギターは「SWEET BABY JAMES」をほうふつさせる。歌い方にかなり癖があって、この辺は若気の至りだろうか。ビートルズ(ジョン・レノンか?)は、アップルに来た連中は屑ばかりで、失敗だったと言ったそうだが、ビートルズっぽくプロデュースされたほうがかわいそうだと思う。

 

SWEET BABY JAMES (WARNER BROTHERS:1970年)  2002年11月30日(土)

  1 SWEET BABY JAMES
  2 LO AND BEHOLD
  3 SUNNY SKIES
  4 STEAMROLLER
  5 COUNTRY ROAD
  6 OH, SUSANNA
  7 FIRE AND RAIN
  8 BLOSSOM
  9 ANYWHERE LIKE HEAVEN
 10 OH BABY, DON'T LOOSE YOUR LIP ON ME
 11 SUITE FOR 20G
  寒くなるとシンガーソングライターが聴きたくなる。アコースティックギターの乾いた響きとハスキーな歌声が、冬の凍った空気を震わせるのかもしれない。「12月、ボストンまでのターンパイクは雪で覆われ、バークシャーは霜のせいで夢の世界のよう。10マイル歩いてきたけど、この先はまだ1万マイル」という「Sweet Baby James」。「ママは何もわかっちゃいない。いつもどこへ行ってきたか知りたがる」という「Country Road」は、当時の若者の気持ちを代弁していた。「この前見た夢の中で、スザンナが丘から駆け下りてきた。口にお菓子をくわえて、目には涙が浮かんでいた。泣かないで、スザンナ。やっとここまでやってきたんだから。」ジャズ風のギター弾き語りの「Oh,Susannah」は、この曲の優しくて悲しい面が良く伝わってくる。「Fire and Rain」は、極端に低音のドラムと弓で弾いているベースが、深い喪失感を強調する。あまり有名ではないが、「Anywhere Like Heaven」は優しくて暖かい曲。
 このアルバムは、ギターテクニックのオンパレード。アルバムジャケットから見つめる瞳は70年代の若者。

 

JAMES TAYLOR : MUD SLIDE SLIM AND THE BLUE HORIZON
  WARNER BROS. RECORDS(1971年)
 
2006年5月6日(土)

  1.Love Has Brought Me Around
  2.You've Got A Friend
  3.Places In My Past
  4.Riding On A Railroad
  5.Soldiers
  6.Mud Slide Slim
  7.Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox
  8.You Can Close Your Eyes
  9.Machine Gun Kelly
 10.Long Ago And Far Away
 11.Let Me Ride
 12.Highway Song
 13.Isn't It Nice To Be Home Again
 大学に入った頃、それこそ穴の開くほど聴いて、ギター譜を見ながら弾き語りをしたバイブルのようなアルバム。
 ギター、ピアノを中心とした前作「SWEET BABY JAMES」の延長上にあるが、パーカッションが加わって、全体的にレイドバックした雰囲気になっている。
 「You've Got A Friend(きみの友だち)」は大ヒットした曲。ギターもかっこよくていつも弾いていたが、今では忘れてしまった。キャロル・キングの歌はジーンと来るようなひたむきさが感じられるが、こちらはリラックスして聴ける。「Long Ago And Far Away」もシングルカットされた曲で、ジョニ・ミッチェルのコーラスがなまめかしくて、サウンドも次作「ONE MAN DOG」につながるAOR風の雰囲気だ。タイトル曲の「Mud Slide Slim」はフォーク・ブルース・ジャズが混在したような、音楽的には最も充実した曲。ほかに、ハーモニーの美しい子守唄のような「You Can Close Your Eyes」、故郷に帰ってくつろいでいる自分の夢を見たという「Isn't It Nice To Be Home Again」も短い呟きのような魅力的な曲。他の曲も1曲1曲紹介したいほど、聴き込んだお気に入りだ。どの曲もギターがいいし、ドラムやベースの絡みもセンスがいい。

 

ONE MAN DOG (WARNER BROS. RECORDS:1972年) 2005年4月3日(日) 

  1 ONE MAN PARADE
  2 NOBODY BUT YOU
  3 CHILI DOG
  4 FOOL FOR YOU
  5 INSTRUMENTAL I
  6 NEW TUNE
  7 BACK ON THE STREET AGAIN
  8 DON'T LET ME BE LONELY TONIGHT
  9 WOH, DON'T YOU KNOW
 10 ONE MORNING IN MAY
 11 INSTRUMENTAL II
 12 SOMEONE
 13 HYMN
 14 FANFARE
 15 LITTLE DAVID
 16 MESCALITO
 17 DANCE
 18 JIG
  FMの山下達郎の番組で、竹内マリアのお気に入りの曲としてこのアルバムの「DON'T LET ME BE LONELY TONIGHT」が紹介されたことがある。彼女のお気に入りというのは、アメリカへ留学していた頃ラジオで聴いた曲なのだそうだ。そういう意味では、大学に入って東京へ出てきた頃聴いた曲というのは特に思い入れがある。
 このアルバムではフォーク色がまったく払拭されていて少し失望も味わったのだが、それでもTHE SECTIONとのギター、ピアノ、ベース、ドラムにラテンパーカッションやサックスを加えたりした演奏はムーディーな雰囲気が新鮮で、日本のニューミュージックにもずいぶん影響を与えたはずだし、後のAORブームを暗示している。
 「NO BODY BUT YOU」は「僕は自分の問題を話しては人をいやな気分にさせるだけの男・・・」という彼らしいテーマの曲で、エレキギターの響きがのびやかで印象的な曲。「NEW TUNE」はわずか1分半のワンコーラスのみの曲だが、「DON'T LET ME BE LONELY TONIGHT」とともにセンチメンタルでジャズっぽい曲。「INSTRUMENTAL U」もしゃれている。この辺の曲は、雑誌のギタースコアを見てよく弾いていた。「SOMEONE」は当時話題のギタリストJOHN MCLAUGHLINの曲で、彼の超早弾きを聴くことができる。