早瀬耕

未必のマクベス      

未必のマクベス 2019年7月7日(日)
 IT企業Jプロトコルに勤める中井優一は、同僚の伴と共にバンコクでの仕事を成功させての帰路、空港トラブルで澳門に立ち寄ることになり、遊びに行ったカジノで娼婦に「あなたは、王にあって、旅に出なくてはならない」と言われた。そして、付き合っている元上司で今は総務部にいる由記子からJプロトコル香港の代表取締役に出向する事例を受けることになると知らされる。高校時代の同級生だった伴と一緒に香港の会社へ行くと、仕事は接待で利用する飲食店との顔つなぎだけだった。
 どういうストーリーだろうと思って読んでいると、ある所から俄然ミステリアスで興味津々な展開となっていく。おもしろいことはおもしろかったが、どうして人を殺す必要があるのか、伴の高校時代のニックネーム「バンコウ」にかけた「マクベス」への見立てとか、あまりにも不自然だ。まあ、普通で自然なストーリーならサスペンス小説にはならないわけだが。