藤野可織

爪と目      

爪と目 2016年6月23日(木)
 母親がベランダで変死した後、父は前から付き合っていた女性を家に連れ込む。三歳児の娘「わたし」がその愚鈍な彼女のことを「あなた」として物語る。「わたし」がいない場所での行動や心理も「あなたは」として語るのは論理的におかしいが、それが芥川賞というもの。
 他に、「しょう子さんが忘れていること」、「ちびっこ広場」を収録。