CARLY SIMON

 

NO SECRETS

CARLY SIMON : NO SECRETS
 Elektra Asylum Records (1972年)
 2007年4月8日(日)

  1 The Right Thing To Do
  2 The Carter Family
  3 You're So Vain
  4 His Friends Are More Than Fond Of Robin
  5 We Have No Secrets
  6 Embrace Me, You Child
  7 Waited So Long
  8 It Was So Easy
  9 Night Owl
 10 When You Close Your Eyes
 学生の頃、家庭教師で教えていた浪人生の女の子に、どんなのが好きと聞いたら、「カーリー・サイモン」という返事だった。自立をめざす女の子にとって、かっこいいお姉さんに思えたようだった。ジャケットの写真は、あの頃の一つの典型かもしれない。
 大ヒットした「You're So Vain」。「虚ろな愛」という邦題がついているが、どちらかといえば「クサレ男」という感じなのではないだろうか。ベースで始まるイントロ、ギターの間奏もグッと来るし、唇の厚い二人のデュエットもいい。(ミック・ジャガー)歌詞の「Clouds in my coffee」はずっと謎だったが、アメリカ人にとっても同様なようで、実は主人公の心象をイメージ化したものらしい。低音の歌声に唇同様の迫力があるが、高音部は女性的でつややかだ。
 この曲以上に懐かしかったのが、「The Right Thing To Do」(邦題は「愛する喜び」)。ピアノのイントロとバカラック風のしゃれたメロディーが、なぜか心をあの頃に引き戻す。ちょうど大学へ入学して東京で一人暮らしを始めた頃。この頃聴いた曲は、一瞬18歳の頃の記憶と情感をよみがえらせてしまう。