朝吹真理子

きことわ      

きことわ 2013年9月28日(土)
 永遠子は、夏になると母が管理していた葉山にある別荘をたずねた。貴子は、母の春子、叔父の和雄と三人で遊びに来ていた。貴子がなついて永遠子を帰さなかった。貴子が最後に会ったのは貴子が八歳、永遠子が十五歳の時。時がたち、その家を処分することになり、二十五年振りに二人は会うことになった。
 古い言葉遣い、ひらがなの多い文体で、どこか文学的な雰囲気を醸し出している。女性が好みそうだ。なんということもないが、感じは良かった。芥川賞受賞作。