青山文平

つまをめとらば      

つまをめとらば 2019年3月5日(火)
 高根の花を射止めたものの破滅に陥った本家の友、自分は武士を捨てて江戸へ出て得意の釣り具の商いを始めるが、いつの間にか妻が…という「ひともうらやむ」。亡くなった妻が実は戯作を書いていて、自分自身も俳諧の道へ進もうとする「つゆかせぎ」。ようやく役に取り立てられたものの、土地の娘と出来てしまい侍を捨てて婿入りを勧められる「ひと夏」。出仕をあきらめて元妾暮らしの煮売屋の女と一緒になって算学をやっていこうとする貧乏旗本の「逢対」など。時代小説だが、ちょんまげのかつらをかぶった 脱サラドラマ。直木賞受賞作。