蒼月海里

水晶庭園の少年たち      

水晶庭園の少年たち 2020年2月12日(月)
 生まれてからずっと一緒だった犬のメノウが亡くなって、そのショックで中学校に行けなくなった僕は、その前に亡くなった祖父の収集品がある土蔵の中で、真珠のように白い肌の少年に出会った。「君は、樹…僕は雫」と言った。雫は僕に祖父の収集品の好鉱物についていろいろ教えてくれた。祖父の石仲間の律さんに鉱物の即売会、ミネラルショーに誘われ、翌日、失恋したのでパワーストーンが欲しいという友人の学と一緒に会場出かけた僕と学は不思議な出来事を体験する。
 鉱物とその石精を巡るファンタジー。受賞作でも話題作でもないが、タイトルに惹かれて読んでみて、おもしろかった。ただ、飼い犬が亡くなって学校へ行けなくなったり、自分の家の土蔵に知らない人間がいて不審に思わなかったり、かなり純粋、というかナイーブすぎる人物設定だとは思う。