阿川大樹

終電の神様      

終電の神様 2018年1月5日(金)
 夜の満員電車が突然事故で止まり、そこに乗り合わせた人達の物語に大きく影響するというような触れ込みだが、よく読むと必ずしも七つの短編全てが同一のシチュエーションではないようだし、帰りが遅れることで逼迫するような必然性も感じられない。同じ人物が別の物語に出てくるようなシーンもあるが、そうすると何十年も時間が異なることになる。ちょっと物語に無理がある。無理やり感動をひねり出そうとしているようにも感じられる。「エキナカ書店大賞」とか「amazonミステリー・サスペンス部門第1位」とか書いてあるが、どうだろう。作者は、東大在学中野田秀樹とともに「夢の遊民社」を立ち上げ、その後企業のエンジニアになった人だそうだ。