〜 アロマ・リフレ・エステ・ネイル・ヒーリングサロンなどの開業・経営に関するよくある質問とそれに対する私の回答をまとめました 〜2010.3.19 更新

回答者: サイト管理人、サロン開業・経営コンサルタント 増子稔 電話 090-3693-8628 / 03-3810-7050 ご連絡はお電話もしくはメールでお気軽にどうぞ!

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第1章 開業について

1−1.サロン開業のポイントについて    

Q.サロンを開業したいと思っていますが、どのような点に気をつけて準備して行ったらよいでしょうか?

A.私が思う、サロンの開業についてのポイントを述べさせていただきます。是非、ご参考になさって下さい。

1.サロンの開業は、とても簡単に出来ます。店舗・サロンとなる不動産を購入したり、賃貸で借りることをしない場合、最小限、ベッド、ワゴン、音楽設備、観葉植物などちょっとした飾りものがあれば、誰にでもスタートできます。 ベッドなどもアメリカなどから個人輸入したりすれば、5万円もしないでしょう。 特別必要な機器類を用意する必要がなければ、自宅の一室利用で20万円もあれば開業は可能です。 現実に私が一番最初に始めた”サロン”は賃貸マンションの一室、知り合いのマンションのオーナーの好意で、礼金・敷金・仲介手数料なしで借りて、最初に投下した資金は、ベッドとリフレ用のチェアが大物でそれ以外は家にあったもの、書類は全てワープロでの作成で済ませ、30万円以上は支出していません。

2. 誰でも簡単に、小資本で開業できるがゆえに、簡単に”儲ける”ことはできないと思います。前にも述べましたが、入試があるわけでもない、誰しもが受講できる民間のスクールにいって、ほとんどの学校が最終試験を課すわけでもなく、そこを“出て”お店を準備して、チラシを作ってさあ〜開業だとしても簡単にに集客はできないと思います。 簡単に始められて、簡単に儲かれば、誰だってやります。 こんな美味しい商売があったら、資金力にものを言わせて大手の企業が、簡単に参入してきます。 また、たまたま立地が良くて、簡単に儲かったにしても、それが驕りとなり、その後の様子は目に見えています。

なぜ、大手の大資本をもった企業が参入しないかご存知ですか? それはとても高いリスクがサロンのビジネスには存在しているからです。

サロンは、来店されるお客様に”夢”を売る商売かもしれません。でも、サロンを始めるといやおうなしに、現実に面と向かいます。

私のサロンビジネスの基礎、応用のクラスでも行っていますが、SWOTアナリシスを、今のみなさんのそれぞれの状況、お考えに合わせて自己分析してみてはいかがでしょうか?

S (Strength)自分の強み、長所はなにか? 現状を維持し、それをもっと発展させる。
W (Weakness) 自分の弱み、短所はなにか? それを認識し、勉強し、克服する。
O (Opportunity) 機会、チャンス 今はその機会があるか? チャンスはあるか?
T (Threat) 脅威、きれいなバラにはトゲがある、隠れた危険は潜んでいないか?

一枚の紙に、真ん中に自分のおかれた状況を書いて、その周りに、これら4つに分けられる、自分の身の回り、自分自身こと、周りの見方など、思いつくことを箇条書きに書き出して、分析してみるとよ〜く分かると思います。

その結果に、経営の三大要素である、 ”ヒト、モノ、カネ” それに最近4要素目といわれている ”情報”を当てはめて見ると意外に明確に自分が何をすべきか?が分かってくると思います。是非、お試し下さい。

この手法は、開業に限らず、集客の悩みやそれ以外にも、みなさんご自身の方向性などを決める際にも役に立つ手法です。


1−2.開業の形態について

Q.自宅で開業するか、店舗を借りて開業するか迷っています。 それぞれ一長一短があるかと思いますが、どのような点をポイントとして考えて行ったらよいでしょうか?

A.ご質問の開業の形態についてですが、様々な形態があります。 一般的には以下の4つに集約されると思います。 またそれらの組み合わせになります。それぞれ主なメリット(+)・デメリット(-)を述べさせていただきますので、ご参考になさって下さい。

1.自宅開業: 自宅の一室を利用しての開業。
(+)家賃負担がない、家に居ながらにして仕事できるため時間の調整がしやすい、子供がいても出来る。電話、ファックス、PCなどの機器などを新たに購入したり、店舗の賃貸借契約をする必要がないので資金が少なくて済む。 税務上はサロン使用面積、事業使用分は必要経費に参入できる。 初期投資が一番少なく済む。
(−)店舗としての店構え持てないため、お客様の集客に苦労するケースが多い。 特に看板の出せないマンション。 仕事と生活の区別があいまいになり、人によっては集中力が散漫になりがち。

2.店舗開店: ショッピングセンターや地下街などのテナントとして入居、又は店舗を借りて、又は取得して開業。
(+)最初から集客力がある場所である場合、店舗の広告宣伝費の支出が少なく済む。他店との相乗効果による集客アップなどが見込めるケースもある。
(−)家賃、保証金などの支出が多額なケースが多い。 テナントとして入る建物、地域そのものに集客力がなければ、投資効果が見込めないケースも多々ある。営業時間の制限や、管理規約などに制約を受けるケースがある。

3.出張サービス: 顧客の自宅を訪問したり、ホテル、旅館、健康ランドが設置したスペースでの開業やお祭りやイベントの会場での単発的な開業。
(+)家賃を負担しないで済むケースもあり、穴場的な場所を確保できるケースもある。 2.の場合と同じで出張する場所に集客力があれば、広告費の支出が少なく済む。
(-)自宅へ出張の場合、日本の場合、特に大都市圏の一般家庭にはサービスを提供する場所が確保できないケースが多い。 商圏の設定があいまいになりがちで、移動時間、交通費などを加味すると採算が合わないケースも多い自宅の場合には、女性のお客様がサロンに来る動機のひとつに、”気分転換”という場合が多く、その要求を満足させることが出来なくなる可能性が高い。 サービス、お店の存在を認知させるための労力、費用が意外とかかるケースが多い。

4.店舗委託開業: 店舗や各種スペースの所有者から委託を受け営業し、業績に応じての歩合(=場所代)を払う
(+)固定費としての家賃支出がなく、自宅開業の発展系といえる。他店舗との相乗効果が期待できるケースもある。
(-)オーナーサイドの意向に左右されやすく、急な業態変更や閉鎖も有り得る。

と様々です。また上記1〜4の組み合わせで開業しているケースも多く見受けられます。 
しかしながら皆さんが、きちんと認識しなくてはならないことは、商売の基本はローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターンです。
ローリスク・ハイリターンは有り得ません。 最初はたまたま、そうであっても時間の経過とともに、リスクとリターンの均衡が取れていくのが道理です。サロンを始められて最初は、お客様を待っていても、何もしなければお客様の来店はないので、自らが行動を起こして、お蕎麦屋さんの出前的にサービスを行うことも勉強になったりするケースも多いと思います。 全国展開しているサロンの中にも、最初の店舗は、ファッションビルのエスカレーターの前、倉庫でなどとは良く聞く話です。 自分の行動範囲のSCやファッションビルに無駄だな〜と見受けられるスペースがあるようでしたら、思いきって、所有者や管理者にアプローチしてみることも良いですよ。 その際に相手のメリットを上手に強調して、お話を持っていくのがコツです。 商売の基本はギブアンドテイク、双方が何かしらを得ることが出来る”Win-Win”のケースを導くことです。 最近良く見受けられるデパート内でのサロンの存在などは、安売り店に顧客を取られた百貨店と出店場所を探しているサロン経営者などの思惑が一致ケースであるといえます。 ホテルなども同じです。ここ10年ほど、ケーキ食べ放題のレディースプランに始まって最近はエステ、リラクゼーション、ビューティー系のレディースプランがかなり、ホテルの稼働率、集客力に貢献しているケースもあります。

営業努力は何をするにも必要です。
その際の基本も、チラシの作成のコツと同じで、いかにあなたを、相手に信用してもらうか、安心してもらうか、おもろいやつやな〜と思ってもらうかです。 人間的魅力がものをいうケースですね。


1−3.サロンの店舗の探し方

Q.今年の夏前に店舗を借りてリラクゼーションサロンを開業したいと考えているのですが、何から手をつけていいのかがさっぱりな状態なのです。 現在私ができるメニューはロミロミとリフレとホットストーンです。 開業時にはフェイシャルのトリートメントもメニューに取り入れたいと思っています。 また、開業する場所は住まいがある地元を考えております。(母子家庭のため、あまり自宅と離れた所での開業は難しいのです)店舗を探す上で気をつけなければいけないことなどをご教授いただければ幸いです。 何もわからない私ですがよろしくお願いいたします。


A.店舗を探す上で気をつけなければならない点ですが、(1)物件についての確認事項(2)立地についての確認事項があると思います。それぞれ、簡単にですが下に箇条書きにまとめてみます。

(1)物件についての確認事項

・店舗は一般的には1階の路面店舗に限ります。
ビルの上階と路面店舗では雲泥の差があります。 施術オンリーで考えるのなら、1階でなくともそれほど集客には影響がないと思えますが、物販を行うのであれば、1階の路面店舗がやはり効率が良いと思います。 施術の商売は、ご存知の通り、施術者が施術で使用する体に怪我をしたら商売になりません。物販で家賃負担を稼ぎ出すとか、自分が万が一に怪我をしても施術が出来なくなった場合を想定し、他の商売に衣替えできるようにしておくのも大切かと思います。

・賃貸借契約の内容をよく吟味・確認します。
店舗で事業用として借りる場合、一般住宅と違い様々な特約などの条件が契約に付されることがあります。 資金の投下に見合う収益にが得られるかなど色んな視点で契約内容を吟味すべきです。 よくスケルトンで借りて退去時にはスケルトンで明け渡しという条件が多いので、内装工事などをする場合、取り壊しのことも考えて行うべきです。

・公道から下がった位置に店舗があるかを確認します。
看板は店舗の場合、必須になると思います。 看板を置ける場所が、私有地内にあるかどうか確認すべきです。 公道に看板を出しているお店が多々ありますが、消費者は著しくそのお店の経営者の品位を疑います。

・他のテナントや近隣の影響を考慮します。
食べ物屋さんが近くにあったり、食品関係のお店が近くにあるところはサロンには向かないといえます。 お客様に働きかけるものは五感(見る・聞く・嗅ぐ・触る・温度を感じる)と第六感である場所がかもし出す雰囲気などです。 これら全てで問題がないか一つ一つ確認すべきです。 具体的には、変なものが目に付かないか、音はうるさくないか? 上音や周りの騒音、周りの匂いが影響しないか?、風通しは良いか? 湿気はないか? 断熱性はあるかなど、基本的には住まい探しと一緒ですね。

・店舗は間口の広いところが狭いところよりは断然有利です。お客様が入りやすいお店は皆間口は広くなっています。

・電気、ガス、水道、通信関係の配管、トイレや洗面所などの設備の有無なども必須の確認事項です。
よく、商業施設のテナントとしてサロンとして店舗を借りる場合、トイレが共有のものになってしまっていて、お客様にもお店の人にも不便なことなどがありますので要チェックです。 また物件の図面を見たり、現地を見るときには必ず、お客様が入られて、着替えされ、施術を受け、お茶を飲みまた、その準備、後片付けなどの動きを想定した動線のチェックも必要です。 お客様の体の大きさも様々ですし、よ〜く検討されることですね。 

不動産の確認の仕方は、朝見て、夜見て、日中に見て、晴天の日に見て、雨の日に見て、雪の日に見て、夏に見て、冬に見てと同じ場所に何度も、周りの環境が違ったりした中での確認が必要です。こういった手間を惜しまないことです。
また隣近所の方々がどんな人たちなのかも要チェックです。

(2)立地
立地については、そのお店がどれだけ多くの方の目に付くところにあるかにつきます。 駅からの距離は第一でないにしても、商圏に十分な顧客層の人々が住んでいるか、そこで学んだり、働いたりしているかが重要です。 都内であれば、お店の周り1km圏にターゲットとする人口が1万人ほどいればその人口の控えめな割合で1%の方として100名の方が最初にお店に来店されるとして、まずまずのスタートが切れると思います。 場所はとにかく人通りの多い場所なのか、環境を優先とした場所なのかは出店者の好みでよいと思います。

サロンの商売は技術なくして出来ませんし、また場所がなくしても出来ません。よ〜く吟味すべきです。


1−4.アロマサロンの開業について  

Q.私は将来アロマサロンを開業したいと思っているのですが、まだスクールにも通っていないし、経営もまったくわからず本当に白紙の状態です。 スクールは家から2時間ほどの都会にある評判の良いところに通おうと思っているのですが、お店は今住んでいる地元に出したいと思っています。 貯金はまだスクール代と引っ越しの費用くらいしか貯まってなくて、都会に行ってからの生活費をいまから貯めています。 まずは技術からとは思っているのですが、修了してからの方向性というか、独立していくにはどうしたらよいのかよくわかりません。 もしかしたらスクールの直営のサロンで経験を積めるかもしれないのですが、絶対ではありません。
今後独立開業に向けてどのように進めていけばよいでしょうか?


A.さて、これから家を離れ、別の街のスクールで技術を勉強し、その先には、地元での独立の目標の為にどうしたら、という件ですが。

私のところには個人的な事情・地域の差こそあれ、同じようなご相談をいただくことが多いです。その時私がいつも回答の際に述べさせていただく時の例えが、自動車の運転の例です。

(1)サロンやお店の独立は、自動車の免許を取るときと同じという事です。 大多数の方は、自動車教習所に入学し、適性検査を受け、学科と実技(運転)を並行して勉強されています。 セラピストやエステティシャンの独立・開業もまったく同じです。 自動車という便利でもあり、またその一方で走る凶器にもなりうる物を操るには、単に運転技術だけでは不十分なのです。 社会のルール、運転者の倫理観、運転技術等の全てが備わって初めて、公道で車を運転できるのです。

残念ながら現状の実態として、今のほとんどの民間スクールが、実技(運転技術)中心になっていて、社会のルール、倫理観の教育が、あまりされていないのではと危惧しています。

(2)サロンの経営と技術は、”魚と水”、”車の両輪”にも例えられます。技術のみ、経営力のみではサロンの運営はうまく機能しません。

(3)くどいようですが、武道などの言葉に”心・技・体”が必要といわれているように、サロン経営も”心・技・体”が必要と言えます。

独立して自営業者として一本立ちして行く為には、技術の勉強と並行して、経営の勉強をしなくてはなりません。 スクールの直営サロンで働いても、体で技術を実体験できるという優れたメリットはありますが、経営の全てを勉強することはできません。

先の免許の話に例えると、自動車ではあまり聞きませんが、オートバイ(自動2輪)の免許を試験場で一発で合格する人がいるように、自分で練習し、すぐ開業されて成功される方もいらっしゃいますが、これはごく少数のようです。

(4)それともう一つ、私がサロンで働いていらして開業を目的としている方に、いつも同じ事を言っていますが、昨日まで労働者だった人が、明日から経営をやれと言われてもすぐには経営者にはなれません。 経営者としての経験がないからです。 技術者として働くということとお店を管理するということは別物だからです。 労働者として働いているときに、常に自分が経営者だったら、お客様だったらとシミュレーションしながら仕事する”クセ”をつけることです。
そうすれば、実際に経営を任されていなくても経営者の感覚でものを見る経験を積むことが出来ます。 しかし、それでも実際に自分のお金を使っている訳ではありませんので、本当の経営とは別物のあくまでも空想上のこととなります。 それですべてではありません。 従って、安易にすべて判ったと思って、私だったら簡単に経営できると過信することは禁物です。 畳の上の水練ということも充分頭の片隅に入れて慎重に対処したいものです。

1−5.フェイシャルのみの開店は可能か

Q.まずはフェイシャルエステのサロンとしてオープンし、情報収集しながらボディの技術を習得していこうかと考えました。 幸い、フェイシャルの商材として、自分で試して納得できた化粧品と出会えたので、今のところそれを使用し販売していこうかと思っています。
理想としては、住居兼サロンの賃貸マンションにて隠れ家サロンとしてお客様一人ひとりと向き合って看板を出さずにやっていきたいです。 無謀ですが、チラシや雑誌広告等も出したくないのですが。。。まずは100名ほどいる知り合いへの告知から始めたいと思っています。
しかし、フェイシャルのみのサロンは個人ではあまりないですし、難しいでしょうか。 やり方次第でしょうか。 かなり石橋を叩いてる感じですが、叩き方の具合も分からなくなってしまいました。 もしフェイシャルサロンで成功している例などあればアドバイスも含めて教えていただけると幸いです。
長くなってしまいましたがよろしくお願いいたします。


A.フェイシャルのみのサロンについてのご質問ですが、あなたのやり方、技術力、接客力次第では開業し、経営を継続していくのも不可能ではないと思います。
あなたの目標とする利益の額、営業時間、日数などのお考えの具体的なことが分かりませんため、その成功の尺度が分かりませんが、仮に月に25日営業し、1日あたりの利益額を1万円ほどで、フェイシャルの施術の利益が5,000円、ご自身が納得できるとおっしゃっている化粧品の粗利が5,000円とすれば、月に25万ほどの収入を得ることは難しくないのでは思います。 私のお客様の中でもフェイシャル中心でサロンの経営をしている方もおりますし、アロマのサロンの中でもフェイシャルが多く出ているサロンもあるほどです。

収支計算をされるキーポイントは
1.来客されるお客様数
2.お客様お一人あたりの売上げとその経費・原価
3.お客様の再来店頻度
4.固定費・変動費
が主なものですが、あなたのお考えをこれらの値にいれて試算してみましたか?

私が、とても素晴らしいと感じているのは、”お客様一人ひとりと向き合い満足していただく”というあなたのお考えです。 この気持ちはお客様も分かってくださると思います。
ただし、最初は100人の知り合いへの告知とありますが、ちょっと少ないのではと思います。机上の計算では案内を出した100人の知人のうち3/4の75名がが1日に3名づつ月に30日わたって来てもらえれば、お客様一人当たりの利益が平均5,000円として、1日15,000円、営業日数を月に30日として一月45万円の利益になります。 それでかつその全員が月に一回は来店下さるということであれば、経営は成り立ちます。
しかし、お客様がサロンに来店したい日時はだぶるし、月に1回定期的に通う人が100%というのは現実的には難しいと思います。 美顔専用で開業し、後にボディなどメニューにとおっしゃっていますが、その勉強時間、生活費の捻出などを時系列を追って考えないと後で、どっちつかずということも無きにしもあらずかもしれません。 石橋を叩くということは、いろいろなケースを想定して、サロンの運営・経営のシナリオを描き、それに基づいてご自身の行動計画を立て、実行することです。
最初から大きなリスクをとらないでサロンの開業もできると思います。


1−6.サロンの経営形態について

Q.アロマサロンを開業したいと思いますが、セラピストを雇って施術の方は全部任せ、自分はサロンの経営に専念した方がよいか、自分自身が技術を習得してセラピスト兼経営者としてやって行った方がよいか迷っています。それぞれ、どんなことに注意したらよいでしょうか?

A.サロン経営=セラピストを雇い入れ営業するケース、オーナーセラピスト=ご自身が技術を取得され営業するケースとします。 わかりやすくそれぞれの違いを以下の各項目に分けてご説明したいと思います。 サロンの経営者の方も10人10色ですので私の説明が必ずしもたった一つの答ではないと思いますが、一般的なものであるとお考え下さい。

前提となる経営条件は、お客様一人当たりの客単価を10分1000円とし平均1時間6000円、1日の営業時間を10時間とし年中無休、家賃、光熱費・通信費などの固定費を月15万円、スタッフは1名で時給制で時間あたり1000円としたケースでの収益性の面での比較(細かい費用は仮に無視します。)

** 損益分岐点について **

A.サロン経営: 損益分岐点の月の売上げは45万円になり、一月の来客数は45万円÷6000円で75人様(1日の来客数は月30日とし2.5名)45万円の内訳は人件費30万円、家賃など固定費15万円です)

B.オーナーセラピスト: 損益分岐点は15万円になり、一月の来客数は15万円÷6000円で25人(1日あたり0.8名) 

このケースはサロン経営、オーナーセラピストとも経費の回収のみで利益はそれぞれ損益分岐点を越えないと発生しません。 このケースで経営者およびオーナーセラピストの月収を20万円(客単価6000円で33.3名分)とした場合はサロン経営では月合計で108名程、オーセラピストで58名程になります。それぞれ1日あたり3〜4名、2名の来客がないと赤字です。

上記でお分かりの様に、スタッフを1名その条件を時給1000円で雇い入れた場合はサロン開業後すぐに月に100名を超える集客をしないと月に20万円の利益は出ません、ご自身がセラピストとして営業した場合でも月に58名も集客をしなければ20万円のお給料は出ません。
実際には集客はご自身で体を動かして行うか、広告媒体にお金を払わないことには出来ませんので実際はもっと厳しい状況です。

ここで広告費についてお答えしますと1例として新聞の折り込みチラシの都内での反応率は1%もないと言われていますが、仮に0.8%として108名の集客を可能にするには13500部を撒くことになり、その費用は1枚のチラシの印刷代が5円、折込代が3円として108,000円になります。 13500世帯にチラシを撒いても一月で108名の集客は不可能ですので実際は・・・ですね。

もうお分かりだと思います。 スタッフを雇い入れてのサロン経営は基本的に経営者の給料までを出すことは最初からは不可能です。 スタッフを雇い入れなくご自身がセラピストとして仕事をしても最初から黒字化は行動力がなければ難しいのが現状です。

サロンのお仕事は典型的な、労働集約型の職種で、大手のエステサロンでは物販比率が約7割(施術は付加価値的サービス)、リフレやアロマのサロンなどで店舗が多くあるところもありますが、よほどの好立地の場所、開店後、月日が経過し顧客が固定し安定している店舗を除き、基本的には同じ会社が運営しているスクールの広告的役割もしくは物販がメインになっているようです。

結論を急ぐのは嫌ではありますが、サロン経営はサロンの商売が好きで、ボランティアの精神があり、資金の、また時間の経過を待てる余裕のある方でないと不向きだといえます。
個人サロンで自営(英語ではSelf-employmentといいますが、まさに自分で自分を雇うことですね)する場合でも普通の行動力の方(仮に1日に集中して8時間のお仕事をする方として)でも頑張っても最初の半年〜1年はなんとか収支トントンが保守的に見た場合は言えるのではと考えています。

ご自身がセラピストとして向いているかどうかも一つのポイントであると思います。 

施術で利益を出すには、単価を上げる、来客数を増やす、人件費、固定費を中心として経費支出を下げること以外にありませんので、それに見合った技術レベル、立地条件、店舗条件、営業時間で営業する必要があります。

スタッフを雇い入れた場合、スタッフの怪我、病気、突発的な事故などのやむを得ないことのほかに、当人の事情で辞めることも考えられますので、仮にスタッフを雇い入れたにしても、万が一の時にご自身がそのカバーに入れるオーナーセラピスト型を私はお奨めいたします。


1−7.開業の税務処理について

Q.ひとつ質問なのですが、スクール代やその他もろもろの開業を前提にかかったお金は、開業届けを出していた場合には、サロンが軌道に乗って確定申告をした際に、生きてくると聞いたことがありますが、何年くらいさかのぼって適用されるのでしょうか?また、開業届けはいつ出したらよいのでしょうか?


A.ご質問の件ですが、所得税法上の開業に関する届出義務は、”開業の着手”をして1ヶ月以内です。また損失の繰越控除が出来るのは青色申告の届出を出した個人事業主が得られる白色申告の事業主には与えられない優遇措置です。青色個人事業者の場合の損失繰越が認められる期間は3年間です。従って、ご質問のケースは、開業届けと同時に青色申告の届出を出した場合のみ該当します。その際には、キチンと毎年確定申告をして行かねばなりません。考え方としては、さかのぼって適用されるのではなく、赤字を毎年繰り越して来るということになります。確定申告で、過去の繰越損と当期の利益とを相殺して行く訳です。所得税は、相殺した結果の金額に対して課税されますから、白色申告の場合の1年の金額のみに課税された場合よりも有利となります

 お店を開業すると決め、そのための行動を開始した時が「事業の着手」と言えると思います。 開業するために要した費用、売上げを上げるために費やした費用は、開業費や必要経費とみなされますので、スクールに払った費用も含まれます。

 私は決して脱税の指南をしているわけではありませんが、アロマのスクールでアロマなどの勉強をし、HPを立ち上げ、情報発信し、そこからなんらかの収入を得ている場合などは問題ないはずです。ご心配な場合は、所轄の税務署もしくは、国税庁の電話相談などを利用されるようすると良いと思います。

 個人事業として一人で営業しているうちは、それほどの手間ではありませんが、人を雇い入れたり、会社組織にしたりすると何かと、役所との手続きが出てきます。最近は行政側のサービス力も上がってきておりますので、いつでも遠慮なく問合せ、確認などをしておいたほうが良いと思います。

余談ですが、私など、自分のお店の商圏を調べに地元の役所の統計室に行ったときに、資料探しの問合せに対応してくださった女性の職員の方々とお店のお話をして、その日の夕方に、お店の予約をいただたこともあります。 

 
1−8.開業前のHP作成時の注意点について

Q.開業前にホームページにて告知をすることも有効とお聞きしましたが、作成するときに、どんなことに注意し、開業のどれくらい前からのアップが望ましいのでしょうか?

A.お店を開業する場合はHPは作っておいた方が明らかにベターです。サロンを経営なさる方の集客のお考えにもよりますが、紙媒体、インターネットを含めた電子媒体をバランスよく、また相互に関連付けて利用することによって集客は上手にいけると思います。

 紙媒体に含められるお店やサービスの内容には限りがありますし、エリアの限定がされるという欠陥があり、インターネット(携帯のネットも含めて)はその情報の補完として、時間・エリアの制限がないのがとても魅力だと思います。
 
 開店時のお店の集客の基本は、開店前にいかにお店の存在をアピールするかによります。 店舗を用意して開業する方であれば、店舗の工事中に”近日中、○○サロンオープン!”として宣伝するのは常識です。 同じように、お店を開業するのが決まっている場合、その段階で作成するのがよろしいかと思います。インターネットを使用するお客様は通常 ”ネイルどこどこ”とかと検索にかけるケースが多いのでそんなときに検索対象として表示されれば、見た方はそのお店の開業計画について知ることができます。 HPにちょっと興味を持てるような内容を入れておけば、開業前にサイトのリピーターの方なども増え、アクセスアップに一役買ってくださったりと、効果もあります。
また紙媒体で告知・広告する際も、ホームページの存在を載せておくと興味を持ったお客様が見てくださり、そのお客様の脳裏にお店の存在が焼きつけることができます。
よく、お店を開業して、ホームページの開設は後回しというケースがありますが、現状ですと、ホームページ作成後1月〜数ヶ月は作られたサイトが表(検索エンジンの場合)に表れるまでに時間がかかるので、目安としては開業予定日の2ヶ月前ほどが良いのではないでしょうか? 遅くとも開業日にはお店の名前を大手検索エンジンで検索して出てくるようにしておきたいものです。


1−9.開業キャンペーンについて

Q.この度アロマ・サロンを郊外の住宅街で開業することになりましたが、集客の為のキャンペーンとして、@期間限定でキャンペーン価格で施術する。A同じくキャンペーンという事で、期間限定の無料施術をする。という案が出ているのですが、その反対意見として@キャンペーン価格にすると、一度安くなったものに、次から金額を上げてのリピートは難しいのでは?A無料施術は、ただより高い物はない・・・という言葉通り、怪しいと思われるのでは? (キャッチエステルームや、化粧品セールスの広告でよく見かけ、そういうケースも多い為)という考えもあり、どちらの意見もお互いにうなずけるという感じです。
どのように考えたらよいでしょうか?



A.キャンペーン(特に開店)についての意見と言うことですが、私が考えるにはお客様がサービスを利用してみようという動機は一体何かということです。 私が集客についてお話させていただく場合にいつもお話させていただいていることの一つとして、新しいお店に行くにはみなさんそれぞれ”きっかけ”があるということです。みなさんのお住まいの地元を見渡してください。様々なお店が数多くあるかと思います。例えば20件のお店があったとして、その中のお店全てでみなさんはお買い物をしたことがありまか?
ほとんどの方が「近所のお店の全てで買い物をしたことはない」と答えるはずです。
その理由を考えたことはありますか? それは人にとって全てのお店を必要としていないため、理由がなければ特にいく必要がないのです

 あなたの始めようとしている、自宅の一室のサロンは、地域の人にとって、また商圏としてお考えの地域にいる人にとって必要なものなのでしょうか?

考え方のヒントはここにあります。 前にも集客についての確率のお話を説明したことがありますが、商圏にいる人々全てをお客様として獲得することは不可能です。

サロン・お店の経営サイクルをおさらいしたいと思います。

@お店を開く
Aお店に興味を持っていない方に興味を持っていただく
B来店いただく
C満足いただく
D興味を持続しただく
E再来店いただく

 あなたのご心配は上のAについてだと思います。まん お客様の興味がどのようにそそられるかを検討すれば自ずと答えは出ると思います。
”敵を知り、己を知れば・・・”です。

 私自身はキャンペーン肯定派です。ポイントはその運用の仕方ではないでしょうか?
お客様のおこづかいを超えた価格設定で営業していてもお客様はいらっしゃいません。 お客様の収入を増やすような工夫をするか? お値段を下げるかしか方法はないですね。 損して得をとるという古典的な経営手法もあります。 最初からある特定の消費者層をターゲットに設定しての営業手法もありますが、時間の経過などの要素も加味しながら開業・営業計画を練り実行することが大事ですね。


1−10.セキュリティ対策について

Q.サロンの中には私一人しかいない状態です。
やはり知らない方がお客様で来るとなると、セキュリティの面など、色々不安な面もあります。商売をやるのに、何を甘い事を思っているのかと自分でも思いますが・・セキュリティ対策など、何か参考になることがあれば、教えて頂きたいと思います。



A.ご質問のサロン経営における、セキュリティ対策ですが私が常日頃考えているのは以下のようになります。 ご参考になれば幸いです。

セキュリティ対策のポイントについて

・外から中の様子が見えない自宅サロンでの営業(中が見えてはお客様はゆったり出来ないですが・・)、店舗での営業の両方について言えることですが、ポイントはお客様、施術者の両方の安全がやはり第一のポイントであると思います。 注意すべき点は、サロンそのもの場所が、万が一に何か起きたときに、周りの人が異変に気づいてくれるか? 施術・接客中の施錠は当たり前の事にしても、不審者などがうろうろしていた場合に、周りが気づいてくれるのか? 地震や火災があった場合にどう対処するのか? お客様が急変した場合(特に男性客の変質者)の対処をどうするのか?という場面をあらかじめ考え、行動指針を立てておくべきだと思います。 

具体的には、
1)サロン開業時に、最寄の交番に、その届出をする。(新しくお店を開店するとお巡りさんが、通常は訪問して下さり、巡回カードの提出を求められます。)

2)サロンやお店の近隣の方々とは必ず顔見知りになっておき、常日頃コミュニケーションを良くしておく。

3)施錠しての施術・接客中に、何か異変があった時の為に、防犯ブザーを用意しておいたり、木刀を用意しておく。(男性客を受け入れているサロンでは、大なり小なり、残念なことではありますが、色々とあるようです。私のお店でも、住所の記入を拒否したり、デタラメの住所を書いた方、しつこく電話してきて、特定のセラピストに付きまとったりした方、フットバス中にノーパンだった方、最初は紳士的だったが、何回か通っているうちに、変な要求をしてきた方など・・・) 男性客に限らず、中には、クレーマー的な行動をするお客さまもいるようです。
こういったことを未然に防ぐためには、来客されるお客様には必ず、個人情報を守秘すると明示した上で、住所、電話番号、生年月日などをご記入いただくのが、万が一の場合の場合の事態には良いと思います。

4)防犯カメラをつけて置く、電話に録音機能をつけるなども万一には役立つでしょう。

5)施術で万が一ケガをさせた場合等に備えて損害保険はもちろん必須です。

現代社会においては普段の生活、ビジネスのシチュエーションの両方に様々な安全面でのリスクが存在します、未然に防ぐ行為、不審者を寄せ付けない行為、万が一の場合の毅然とした対応について常日頃から考え・準備・行動しておくことが大切ですね。

女性専用のお店・サロンなどでは、それと世間にあからさまに分からないように、男性に様子を見に来てもらったりとかは必要かと思います。


1−11.店舗を借りる際に気になる競合店の存在について

Q.ただ今サロン開業に向けて自宅兼お店を探している者です。
今日、隣駅の徒歩2分に良い物件?がありましたが・・・そちらの1Fはお花屋さん、2Fは中国式整体゙をするお店、3F.4Fが住居兼サロンになる予定ですが、建物の入り口は中国式さんと同じになります。 隣の隣は、接骨院になります
私は、ハワイアンロミロミを重点的に+アロマと言った感じを考えてます。 住居が一緒なのであとでごたごたと問題があってもイヤなので避けるべきなのでしょうか。
アドバイスお願いします。


A.中国式整体がすでに入っている建物への入居・ロミロミ+アロマのサロンの開業についてのご質問ですが、その建物の場所、建物の様子、周りの環境について分からないため、何とも言えませんが、もし私であれば、次の事については必ず確認すると思います。不動産の価値(=そこで商売をした時の利益値)を決めるのは、その場所柄、建物のグレード、建物に入ってくるお客様の層、人数、その前の道の通行量、近隣のお店の集客力などです。これらを勘案して、

@その中国式のお店に来店しているお客様の様子、数・・お店は繁盛しているか?どんな人が多く利用しているか?お客様はだぶりそうか?
Aそのお店は営業の実績はどれくらいか?どんな人が経営しているのか?どんな人が働いているのか? 今後も継続して営業する予定があるのか? 
Bお店へのアプローチは清潔になっているか?共用階段などは清掃が行きとどいているか? 誰が清掃しているのか? 
C2階のお店と3階のや家賃の差はいくらか?
などなどです。

一般的にエスカレーター、エレベーターのない建物の3階は商売には不向きとされており、お店を開店した場合にお客様は階段の上り下りで不便を感じることになると思います。

また中国式整体は一般的にはアロマなどの民間・自然療法と同じく国家資格ではないにもかかわらず、治療をメインに打ち出しているケースが多く、(そのお店がそうだとは決して申し上げてませんし、他のお店もそうだとは決してそうだとは言いませんが・・・・)ちょっと??かなと思わせることが多くあるときもあります。

いずれにせよ、物件の特定ができませんため、なんともいいがたいですが、私が開業する立場であれば、ちょっと慎重にならざるを得ないと思います。


1−12.ロイヤリティについて 

Q.ネイルのサロン開業を希望している者です。 自宅での開業を検討していたのですが、この度、スクールの先生の紹介で、市内にスペースを借り、ネイルサービスをする事が出来るようになりました。 10坪ほどのビルの4階に髪の毛のエクステンション専門店とネイルテーブルひとつといった感じのスタートです。オーナーは、「売上の30〜40%をロイヤリティーとして払ってくれたらいいよ。」と言ってくださるのですが、それが高いのか安いのか目安が分かりません。あと、知人にも「条件はきちんと書面に残したほうがいいよ。」といわれるのですが、どのようなことを決めておくべきなのでしょうか?

A.ご質問のロイヤリティと契約形態についてお話させていただきます。 

まず始めにロイヤリティですが、ロイヤリティという言葉は通常フランチャイズ形式でお店を出店するにあたり、加盟店がその本部に支払う金銭のことです。一般的に身近な所では、FC形式で開業しているコンビニがその本部に、売上げの何%、もしくは月々いくらと決めて支払っているのが有名なところです。 その性質としては、本部が一括して行う販売促進・広告費用、店舗の在庫管理システム、従業員の研修費用、一括仕入れによるボリュームディスカウント分と考えられています。もっと分かりやすくいえば、いわば”のれん”代です。
今回のケースですと、場所代としての性質が強いものと思われますが内容を吟味するのが大切だと思います。1例として、そのスペース全体(10坪)のうちどれくらいの面積を使用するのか? ネイルのサービスも一緒に宣伝広告をしてくれるのか? 光熱費や電話代などの通信費、各種チラシ、パンフレットなどの印刷物はどちらが負担するのか? お客様に万が一のことがあったらどちらが責任を負うのかなど様々なその内容の要素が考えられますが、それらによって変わってくると思います。一概に売上げの何%とは言えないと思います。よくアロマやエステサロンなどでも委託開業形式と称して単純に4割、5割と決めて行っいるケースがありますが、売上げがいくらからいくらまでなら何%、いつからいつまでが何%と決めておいたほうが後々オーナーさんとの間でトラブルにならないと思います。オーナーさんが一般的に場所代は2〜40%だよとオーナーさんご自身が収支計算をせずに話を持ちかけてきた場合は要注意です。オーナーさんご自身が経済的に余裕のある方である場合はまだしも、一般的に現状の景気状況で、自分にもたらされる利益が見込まれない場合は、オーナーさんの事情で振り回されることが多いのでよ〜く、じっくり話し合い、その結果を契約書に取りまとめるのがベストです。

第2章 営業方法について

2−1.集客についての数の論理

Q.集客を効果的に行う為には、数の論理をよく理解しなければその実現は難しいと聞いたことがありますが、数の論理とは一体なんですか? どうしてそれが、集客と関係しているのですか?

A.それでは、具体的な事例をお話いたします!

理屈はとても簡単なのですが、新聞の折り込みチラシ、ポスティング、みなさんはどう思われますか?そこからの集客の実際は無くはありません。 しかしながら確率が低いのです!

例えば、TVの行列のできるラーメン屋さん特集であるお店が放映されたします。 翌日そのラーメン屋さんは行列ができごった返し。TVの効果はすごいですね! ここにからくりがあるのです。そのTVの特集番組ですが、いったい何名の視聴者がみているのでしょうか? ちょっとした人気番組なら○百万単位の人が見ています。それも日本全国で。そこでそのラーメン屋さんに翌日TVをみて、入って見た方は何名でしょうか?せいぜい数百人でしょう。そうです。集客の基本は確率論なのです。いかに告知をした人、そこから来店する人の割合を上げるのに尽きます。 このケースで、仮定として、東京都内でそのラーメンの番組を見ていた方が、5万人、翌日そのラーメン屋さんに言った方が50人とします。 来店率は何%ですか? そうです、0.01%です。 100人のうち一人にすらなりません。マスメディアを利用した広告だからこその効果です。それでは個人のサロンがお金の張る、TV広告や雑誌の広告ができるでしょうか? 答えは単純です。 出来ません!
集客の考え方は、TVで0.01だった確率を上げることに尽きます。 

 **ここからが本題です**
例えば、みなさんはアロマのサロンのオーナーセラピストだとします。そのお店の周り半径500mには、平均すると1棟あたり50世帯のマンションが20棟あったとします。それらのマンションは家族6名が暮らす4LDKから単身者が暮らす1ルームまで様々です。 こういった周辺状況の元、みなさんがどうお客様を集客されますか??? ちょっとだけ、ここでステップバックしてお考え下さい。。

お考えになると、いろいろとお考えが出てきますよね。では実際のマンションの状況を見てみましょう。
1)防犯カメラがついているマンション、オートロックのマンション、オートロックの無いマンション、分譲マンション、賃貸専用マンション、女性専用マンション、会社の社宅になっているマンション、いろいろありますよね。
2)一部のマンションのエントランスにはチラシ投函厳禁と表示があります。
3)ほとんどのマンションの集合ポストの足元にはチラシを捨てるためのゴミ箱があります。

そう、これらを踏まえた上で、仮に全てのマンションに、チラシ厳禁の場所にもかかわらず、お店のポスティングをしたとします。

その結果、そのチラシの行方はどうなったでしょうか? 大体そのうち半分は集合ポストの前のゴミ箱に手づかみされてポイっと捨てられました。残り半分は家人が家の中まで持っていきました。次です。そのチラシを自分の住居まで持っていった方が半分としてその方々は様々です。 男性の単身者が1割、アロマには一切興味の無い中年の男性が1割、アロマという言葉は聞いたことはあるが、風俗だと勘違いしている中年以降の女性が1割、高校生までの子供たちが1割として残りが家族と一緒に暮らす主婦や働く女性だとします。最後に残った、1割の女性の内、専業主婦で月々のお小遣いが1万円の女性がその内訳の3割、共働きで働く月々の小遣いが4万円の女性が2割、バリバリと身を粉にして働く女性が2割、残りが一人暮らしで家賃や生活費を支出した後は、月に2回の友達や彼氏とのお食事やデートで残りが消えてします女性とします。 ここからあなたのアロマのお店にいらっしゃるお客様は何名だと思いますか?

ここで、簡単におさらいします。 50世帯のマンションが20棟=全部で1000世帯ですね。その1000世帯暮らす人口が2000人とします。下の実態から行くと、あなたのアロマのお店のチラシを目にする方が、1000名、そのうちチラシを見ても家でゴミ箱にチラシを捨てる方が800名いらっしゃいます。200名の内訳を考えてください。200名の残った女性のうち、月々の小遣いが1万円の主婦と月に2回ほどの友達との食事や彼氏とのデートで小遣いがなくなる女性はあなたのアロマのお店に来るでしょうか?
一般的にはノーです。そこで200名の女性の皆さんのうち6割の方々120人は行きたいけどお店には来店されませんよね。 

ここで残った80名(小遣い月4万円の共働きの女性が40人、バリバリ働く女性が40人ですね。)の内訳を考えてみましょう。小遣いが月4万円の女性のうち、半分は大好きな趣味がありそちらでストレスを発散してアロマにはまるっきり興味なし、バリバリ働く女性のうち半分は毎晩9時まで残業しておりあなたのお店の閉店時間8時には到底間に合わない。とします。 ここで残ったのが40名です。 40名女性の内、すでに馴染みのエステにいっていてチケットを前払いしており、その支払で残りの小遣いがない方が8名、いつも決まった整骨院で自由診療で治療を受けている方が5名、台湾式のぐいぐいという足つぼでないと満足しない方が5名、いつも決まった職場の近くのアロマのサロンに既に通っている人が5名とします。 残りは18名ですね。 そうです・・この18名の方々が来客可能性大の方々なのです。

この18名のお客様予備軍の女性の方へはあなたはどう、あなたのお店をアピールしますか? この18名の方々は、今までアロマのサロンには行ったことがありませんとします。どうアピールしますか?

もう、わかる方はお分かりだと思いますが、ポスティングをたただヤミクモにしてもそこからお客様の来客につながる確率は1〜2%弱だということでした。今までの事例で、お客様の来客につなげるには様々な方策が考えられると思います。

1)ポスティングしたチラシが捨てられないように工夫する
2)チラシを手にしたお客様が、興味を持ってくださるよう、内容を良くする
  (今まで興味なかった方が興味を持って下さるようになると来客の確率はあがりますね。)
3)その他・・・数多くのアイデアが皆さんの頭に浮かんできたと思います。ここで先にお話した5W1Hの考えながら、いろんな仮定を立てれば良いのです。 
例えば、なぜ、小遣いが月に1万円の主婦がアロマのお店にこれないのか? 今まで他のお店に行っていた方に対して、自分のお店のほうがいいのだから、来てほしい。 男性の方のアロマのお店に対する誤解をとる。今のところエステの回数券を買って通っている方が、それが終われば来てくださるかも・・こういった人間の消費行動とその動機付けを考えながら、工夫していけば良いのです。

それでは、もうひとつ・・ ポスティングのお話は自分からお客様にお店の存在を知ってもらうための行動です。 でもここで逆転の発想をしてみましょう (余談ですが、今から10年以上も前に逆転の発想としう本がベストセラーになりました。 一言で言うと、「押してもだめなら引いてみな・・丸がだめなら四角にしてみな・・短いのなら長くしたら」と発想を変えて同じものを見るのです。
時には意外と簡単に答えが見つかるかもしれませんですね。

この発想を元に、こう考えたらどうでしょうか? ポスティングが興味を持っている人にたどり着くには無駄が多すぎる・・・それじゃ、興味を持っている人にだけ、知ってもらえばいいのではないか? それはどうすればよいのかと。

駅前の物件と、駅から離れた物件の家賃の格差は広告費になりうるということなのです。
駅から離れて人通りの少ない場所で駅前と同じ人通りと同じだけのお店の告知効果を出すなら、駅前に看板を出したりすればよいのです。 簡単なことですよね。
これは実例ですが、私の経営するお店では2ヶ月に一度ぐらいに、最寄り駅のなるべく駅の利用者の目に付くところにお店のポスターを貼って、チラシを入れるボックスを付けて”ご自由にこのチラシをお持ち下さい”とチラシを置いています。 どれくらいの集客実例があるかというと、チラシを箱から取ってくださり、詳しい内容をご覧になって行ってみようかなと思って来店くださったお客様はチラシを取ってくださった方の約25%ほどです。 
そうです。ここで2%の確率が25%まで一気に上がりましたね。

もし、千代田線をご利用の方は、たまに根津の上りホームのポスターの掲示場所を車内から覗いてみてください。 ラベンダーヒルのポスターがあるときがありますから。

ここまでの私のお話を読んだ方は、もうお分かりだと思います。 集客はなんら難しいことではなく、お店の存在を他の方に知ってもらうことなんです。 
日本は人口密度がとても高い国であるため(特に大都市圏)に地価が高いこともあり鉄道輸送がとても発達しています。 その分、そういった大都市圏の地域に住んでいる人々はそういった輸送機関を日々利用して職場や学校、用を足しに、遊びにと移動をしているのです。
人が集まるところ、興味を持った人が集まるところ、興味を持っている方そのもの、その方たちの行動パターンを推測してみましょう。 街にでて、人の流れをよ〜く観察してみましょう。 その地域、似たような業種で繁盛しているお店がなぜ繁盛しているのか理由を考えてみましょう。 あなたの行動に足りない部分はないか、いつも考えましょう。

ここで集客の確率の上げ方についてもまとめです。
もうみなさんお分かりだと思います。当てずっぽうに的に、ローラー作戦として広告するのは時には必要なこともありますが、最初からお店に対して興味を持った人にのみ、チラシをとっていただけば、ポスティングのお話でした大部分の無駄になるチラシについては排除できるはずです。 でも実際は、駅を利用しないお客様、駅にも何箇所も改札があるところが多かったりするので、商圏に住んでいらっしゃる方、その商圏で仕事してる方に対するお店の告知にはなりません。そのあたりは今後細かく考察していきたいと思います。

人の流れを見極めるのは、広告方法を考えるのにはとても大切なことです。インターネットを利用した集客も上の駅に貼る・置くチラシと同じです。インターネットでお店を探している人は、お店を探して利用したいから、ネットで検索をかけるのです。その段階で来店に結びつく確率は高いといえるでしょう。 このポイントがわかれば、ネットでの集客も決して侮れないと言えるでしょう。
私の近いところにもネットでのみしか集客活動を行っていないアロマのサロンの方などがいます。 ネットのみでの集客は近い将来には競争力が落ちてくるとは思いますが、ネットのHPは別の用途でも価値があるので作らない手はないと思います。


2−2.商圏について

Q.質問させていただきたいのですが、お客様のターゲット、商圏の設定がどのようにしたらいいのかわかりません。 私は来てくださる人にはみなさんに来ていただきたいのですがそんなアバウトではいけないんでしょうね。
男性の方は誰かのお知り合いやペアでこられた場合は施術させていただきたいのですが、やはり新規お一人でというのは遠慮させていただきたいです。
時間帯をOLの方も来られるようにお昼前から9時か10時までにしようと思ってますが、家事の合間にお母さんたちにも来店していただきたいです。
中心になる年齢層を設定していけばいいのでしょうか?
お店の場所はそのターゲットの方が多い所を考えていけばいいのでしょうか?
よろしくお願いします。



A.ご質問の商圏やお客様として来ていただきたい方の設定ですが、一般的には次のようになります。

●商圏について●

* 地元圏:お店の中心から半径2kmぐらいでしょうか? 一般的に雨の日に消費者が歩いて買い物などの行動をするのは家から500mといわれています。また天候の良い日に自転車などであれば2kmくらい、バイク、車などであれば、もうちょっと範囲は広がりますが、地域地域による違い、道路事情、またバス、電車などの公共交通の状況により変わってくると思います

* 沿線圏 : お客様となりうる方々がどういった移動手段で、行動をしているかによりますが、一般的には通勤・通学途中に途中下車して立ち寄れる公共交通のルートにあったり、ちょっとだけ寄り道してもいける地域です。

* 人気圏・実力圏: お店の人気が高かったり、そこで働く施術者の腕がよければ、お客様によっては、距離を越える”良さ”がある場合は、時間を掛けてでも、余分にお金を掛けてでもいらして下さいます。遠方の方が人気のお店に行ってみようとご来店くださったり、旅行のついでにとかで来て下さる場合の商圏ですね。

人気=実力のアンバランスが多々、見受けられますが、自然に均衡が取れてくると思います。 

ご自身がお店を出したい場所、地域の人の数、移動手段を含めた人の流れをよく観察、分析してお考えになったほうが良いと思います。また最近は、サロンの開業予定者がとても多く、例えば隣に競合店ができたらどうするまでを見越して、計画を立てられたほうが良いと思います。

商圏を広めに捉えると、告知で必要な範囲も広げざるを得ず、広告費の支出もかさむと思いますので、全てをバランスよく行うのが大切なポイントですね。

●お客様について●

お客様としてご利用いただきたい人々の設定ですが、それはサロン経営者それぞれだと思います。ある人はお一人1一回12,000円、またある方はそれじゃ、値段がお客様として来ていただきたい方々の小遣いからは無理とお一人一回5,000円と料金設定は経営者の自由です。価格は消費者が購買行動(サロン利用も同じです)をする場合の重要要素の一つですが、それによっても対象の人の層も変わりますので、一概には言えません。

商圏に生活するお客様がどれくらいの可処分所得があるのか? 他に競合するものがあるか? 自分の腕が料金に見合うか? などは客観的に検討する必要があると思います。

商圏もお客様の対象も、値段も、経営者の考えがベースになると思います。自分と同年代の会社員に方に喜んでもらえるようなサロンにとお考えであれば、自ずとそれは分かるのではと思います。 


理屈だけの観点から、例え話として捉えていただきたいのですが、同じスクールを出て、同じサービス、レベル同じメニューで隣同士で開業したとします、一人は毎月5万円の広告費を支出して、20名の新規来客を得、リピーター率は2割、・・ もうお一方は、毎月5万円ご自分の技術力向上に費やし、新規客はなく、リピーター率は5割、どちらが良い・悪いかはお一人お一人の判断、状況によると思います。私個人のスタンスは、両者をバランス良くというのがサロン経営のコツだと思っていますが、(しかしながら最終的には後者が望ましいと思います。)

商売は需給で決まります。需要がなければ作らなければなりませんし、競争がなければ、物事のレベルアップはあり得ません。サロンビジネスも、最近ようやく競争原理が働いてきたようで、今後の動向が楽しみですね。


2−3.集客・営業活動の実例について

Q.私は、この度あるアロマ協会の認定を受けて行動を始めました。資金が無いので出張の形式で始めました。「まず、技術を磨くこと」とのご指摘から毎日練習をしながらどういう営業をしていけばよいか考えあぐねています。 とりあえずチラシを作ってご近所にポスティングをしようと思っています。 何とか小さい力でもできるような営業方法を教えていただけませんでしょうか?あつかましいお願いで恐縮ですがお願いします。

A.個人サロンに限らず、どんな商売のお店でも集客の基本は知ってもらうことから始まり、興味を持っていただき、ご来店もしくはご連絡いただけるように、お客様自ら行動をとって頂くことです。 
集客は、大々的に広告費をかけて行わなくとも、知ってもらいたいと思っている方に知ってもらう努力をコツコツと、小さいことをきちんと積み重ねていけば、ちゃんと消費者は反応してくださいます。
私が、お店の経営者として、お金をそれほどかけなくとも行ってきた営業方法や告知の方法をお教えいたします。順不同で述べさせていただきます。

1.お店の近くの商店街を一軒一軒まわり、チラシを置かせてもらう。
 とりあえず、ご自身の拠点の半径500mにあるお店、一軒一軒を回って挨拶をして、施術を体験してもらったり、自分でワープロで作ったチラシや、自作用名刺カードに印刷したショップカードを置かせてもらえば、いいですね。
 
2. 近くの信用金庫、銀行、郵便局、スーパーなどの掲示板にチラシを貼らせてもらい、一緒に電話番号などを書いた”ちぎり”の紙などを付けておく。

3.自分のご家族、友人、知人、同僚、ご近所さんなどに営業を始めたことをお知らせし、施術を体験してもらったりして知ってもらう。

4.ネット上の掲示板や、ラジオの投稿コーナー、地域情報誌の安価な文字広告などで告知をし知ってもらう。

5. 手作りのチラシをポスティングしたり、人通りの多い場所でチラシ配りをしたりして知ってもらう

6. 地域のイベントやお祭り、フリーマーケット会場などで体験会を催したりして知ってもらう。

7. 自作のHPを作成し、コツコツと各種検索サイトに登録したり、相互リンクをお願いしたりしてアクセスアップをして、検索サイトで”アロマ XX”で検索対象になった時に表示されるようにし、知ってもらう。

8.地域情報誌や地元新聞、また青年会、婦人会、町内会などでに自分や自分の行っているサービスを売り込み、興味をもってもらって記事にしてもらったりして知ってもらう。

9.参加しやすいアロマ体験教室やハンドトリートメント体験講座を、公的施設の場所を借りて、施術はお値段が。。。という方に知ってもらう。

上の告知行動のうち、6、9以外は私は全て行いました。私が、今営業している自分のお店で上記以外に行ったのは近所の駅に有料のポスターを貼っただけです。

現在、私の店は、駅のポスター&チラシで週百名のお客様がいらして下さってますが、上記の告知方法、お店の前を通って知ってくださった方で私の今のお店は成り立っています。もちろん、私のお店と質問された方とお店の商圏、立地条件、店舗条件は違いますが、同じ日本国内です。役に立つはずです。お金をかけなくとも”手間”惜しまずにコツコツと頑張れば、必ずお客様は増えていきます。お客様がいらしたら、誠心誠意一生懸命サービスすることです。そこから紹介、口コミで広がっていきます。

今はパソコン1台、プリンター1台、それにインターネットのアクセスがあれば、十分な告知・集客活動が出来ます。

私がなぜ、自分のお店を”手作りのアロマセラピーのお店”としているかが分かりましたか?

全て小さなことの積み重ねです。 思っているだけでなく、行動をすることがいかに大切かです。 手間を惜しまず行動あるのみです。 頑張って下さい!


2−4.インターネットを利用した集客について

Q.宮城県で個人でアロマサロンを経営していますが、インターネットを利用して具体的にどれくらいまでお客様にサロンに来てもらえるか教えていただけますか? 

A.ご質問のインターネットを利用した集客について述べたいと思います。集客の基本は”数の原理”です。人間の趣味、嗜好、価値観はそれぞれ違いますので、100人の人の集まりがあるとして、そこから全員が自分のお店に来てださると言うことは基本的にはありえません。現状ですと、先日アロマセラピーのあるHPに載っていた、一般の方のアロマセラピーに関するアンケート結果を見たところ、女性のうち15%ほどがアロマセラピーの施術に興味があると出ていました。実際にアロマのトリートメントを受けたことがある方は、100人の方のうちまだ現実は5%ほどではないでしょうか?(はっきりとした統計はどこにもないので、私の感覚で申し上げています。)
お店の集客の観点から申し上げますと、5人のお客様に来ていただくには、100人の人に対してお店の存在を知らしめないといけないのが現実です。一般の消費者が、全員受身の姿勢であると仮定した場合、これが現実の集客行動になります。

その一方、アロマの施術を受けたくてお店を探している積極的な行動をしている方がいたとします、その方が、お店を探す場合はどうするでしょうか? 最近は日本におけるインターネットの普及率もだいぶ上がってきており、だいたい3人に1人はネットを使って、自分の知りたい情報を探したり、お店を探したりしているのではないでしょうか?

結論から言いますと、最初から興味あるお店を探している方に見つけてもらえるようにすればインターネットを利用した集客はとても効率の良いものになります。

上のあるアンケートの数値を参考にした場合、100人中、15人のアロマに興味を持っている方が自らが積極的にお店を探して、探しているお店があった場合は、そこから来店に結びつくパーセンテージは一気にあがります。 今まで一般的だった新聞の折込チラシ、フリーペーパーでの集客はコスト高なのに対し、HP利用の集客はとても対費用効果の面で有効です。
私の自分のお店や、集客を協力しているお店などの実際の事例から申し上げますと、お店の立地、価格、土地柄、サイトの充実度合いなどにもよりますが、HPのアクセス数のうち2〜5%ほどは集客に結びついているようです。数打てば当たる的な集客方法とちがい、費用対効果の面でもとても効率の良い集客方法と結論付けられます。

現代は、首都圏も地方圏も人々の生活様式、行動形態などには大きな差はいっさいありませんから、宮城においてもとても有効的にHPを利用して集客可能であると言えます。

有料でネット広告をしている●スポットというサイトや、●エステみつけた というサービスもあるくらいです。

私自身は敢えて、有料でのサービスを利用せずに自らのサイトで集客に結び付けていますが、費用対効果の面では私のセミナーの方が勝ると自負いたしております。 先日私のセミナーを受講されたあるお客様から、嬉しいお便りがあり、有料のサービスからは1週間で2名、私のセミナーの結果からは5名のお客さまがいらしたと結果をお教え下さいました。


2−5.チラシについて

Q.私は近所や隣町に開業当初は電信柱にポスターを貼ったりしたのですが、すぐに役所の人(?)から取られてしまいました・・・(悲)。それからしつこく貼り付けに行ったりしたのですがまたすぐ何者かに剥がされていたのです。(ただし、コスト的には大したことはなかったです。)ラベンダーヒルさんではそんなことはないのでしょうか。張り紙の許可はいるのでしょうか?


A.電柱にチラシを張ったり、公道である歩道に看板を置いたりすることは法令違反にあたります。 知らなかったとはいえ、お勧めできませんです。
よく不動産広告やピンク系のチラシなどが電柱にベタベタと張ってあることがありますが、自らがこのお店は怪しいお店ですと宣言しているのも同然です。かえってお店にマイナスイメージを与えこととなって決してお勧めできませんし、法令等はきちんと守るべきです。道路上などでチラシ配りをするときも必ず道路の使用許可を取って行わねばなりません。無許可でチラシ配りをすると道路交通法違反になります。お店の品位を落とさないよう、広告には細心の注意を払った方がいいでしょう。


2−6.ポスターの作成のポイントについて

Q.ポスターを作成する時は、どういう点に注意したらよいでしょうか?

A.ポスターを作る時のポイントは

1.遠くからでもとにかく目立つように、大きな字で、見やすい色で
2.ポスターを貼ることが出来る場所は、一般的な女性の方の手の届きやすい場所であること(特にチラシの場合)
3.チラシの内容は先にお話した、5W1Hの要点をきちんと網羅すること
などです。

せっかくお金を払って行う広告ですから、最大限の効果が発生するよう、妥協しないでいいポスターやチラシを作って下さいね。

参考までに、B2サイズのポスターを印刷するのは通常の家庭用プリンターでは無理ですし、最近多い、サービス会社に頼むと、3〜4千円もします。

ちょっとした、節約方法ですが、ポスターをワープロなどで作り、それをA4サイズで印刷し、コンビニにいってA3サイズに拡大コピーし、拡大コピーしたA3のコピーを半分に折るか切るかして、それぞれをA4からA3に拡大コピーし、それらを張り合わせるとA2サイズのポスターが500円もお金をかけずに作ることが可能です。 ご参考にどうぞ!

ストーンなどの特定のメニューをメインに打ち出すのなら、写真を取って、それをポスターや、チラシに入れる。ストーンって何??という方々にうまくアピールできますね。


2−7.ポスティングについて

Q.ポスティングの効果的なやり方がありましたら、教えて下さい。


A.アイデアだけを申し上げれば、ポスティングも、効果的な方法がたくさんあります。 これは、その1例です。

1.アロマのお店の場合、ポスティングするチラシにオイルで匂いをつけ、ビニール袋に入れてポスティングする方法です。 チラシを見た方が、「おっ、このチラシだけは、他と違う」と中を見てくださる確率が上がります。 また視覚のみならず、嗅覚を刺激するので、アロマが好きな方へはかなり効果大です。
2.ポスティングをするときに、ポストの中まで全部入れないで、ポストの投入口に、一部をハミ出させておく。ポストの中からバサッとまとめて取られて捨てられる可能性が減り、見てもらえる確率が高まります。 先に話した、確率を上げる一つのアイデアですね。

3.これはある方から聞いたのですが、「ポスティングする時間帯を、いつも新聞屋さんが新聞を配達した後、家の方が新聞を取る前に行い、チラシを新聞の中ではなく、2つ折の丸めた中に入れ、人の目につきやすいようにしている。」などもいいアイデアです。

数多い、折込チラシの中の1枚ではなく、特別な1枚として、見てくださる方が多くなると思います。

もうお分かりの方も多いと思います。 大切なのは発想なんです。 あそこのお店はこうしていたから、うちもこうしなくては、雨だから・・ ではないのです。


2−8.ライトアップについて

Q.夜になると今の看板では効果もなくなってしまい、時間がもったいないような気がします。お金をかけて、ネオンのような看板を出した方がよいでしょうか?

A.私が最初に出したお店はマンションの2階にあったのですが、親切な友達の大家さんが看板をだしてもいいということで、通りに面した1階の歩道のそばに、浅草のかっぱ橋の道具街で買ってきた、12,000円の飲食店がメニューを掲示しておく看板に、ホームセンターで購入した1200円ぐらいのクリップライトを付けて、ワープロで作りラミネート加工したものを看板の中身として入れて、いつも夜12時まで、ライトアップしておいて置きました。もちろん、その看板の前には100円ショップで買ったメッシュの籠に、ビニール袋で雨にぬれても大丈夫なようにしたチラシをいれておいて置きました。 
看板をだせるサロンの方は閉店と同時に看板やチラシを閉まってしまう方がいらっしゃいますが、とてももったいないことだと考えています。

手製の看板をライトアップして、チラシを置き始めて、数日後、いつも残業でお疲れで、お店の前を通るお客様が来店され、おっしゃってました。 ライトアップされた看板が気になって、しょうがなかったと・・・ そうなんです。 サロンの集客は、自分の都合で行ってはとてももったいないことが多いのです。 お客様の中には、シフト勤務で夜10時ぐらいまで働いてらっしゃる方、夜勤明けでいらっしゃる方など様々です。 いつどんな時にでも、お店の存在を知ってもらうよう、お店の前の看板やチラシはとてもお店の存在を知ってもらうには有効です。 マンションの一室で開業されている方で看板が出せない方も、通りから見える窓やベランダなどに、イルミネーションなどをして綺麗に飾ると関心を持ってくださるお客様がいらしゃっると思います。

空気が澄んだ冬は、ライトアップに最適な時期です。 みなさんお店の前を綺麗に飾れるといいですね


2−9.出張について

Q.資金の関係で、今は店舗を持って開業とはなかなかいかないので、出張という形での開業を考えていますが、いかがでしょうか?何か注意しなくてはならない点などありましたら、教えてください。

A.出張で施術をする場合の進め方や注意すべき点ですが、特にサロンでのサービスと変わりはないと思います。私もお客様として出張のアロマやリフレ、他の指圧マッサージのサービスなどを何度も利用していますが、みなさんとても手際よく準備、施術、後片付けをして帰っていかれます。

サロンでのサービス、出張でのサービスの違いを1枚の紙に書いて、5W1Hを当てはめて、それぞれ比較して、長所・短所など思いつくまま書いて比較検討して見るのも良いと思います。 

需要はありますが、癒し系やエステ系で行っていく場合は、女性のお客様の場合、その目的の本質は”気分転換”である場合が多いので、出張サービスは苦戦するケースが最初は多いかとは思いますが、コツコツとやって行けばきっと浸透して行くと思います。

よく、出張の場合は、店舗がいらないから経費がかからないと思っている人が多いですが、移動に費やす時間を金銭に換算したり、施術の方法の問題、特に他人に家に入って行って行うリスクなどを加味すると決して安くないことが多いようです。また地域、地域によって移動手段、交通事情などが違いますので、このあたりを吟味すべきです。

また無店舗で商品を販売したり、役務の提供(=アロマやリフレなどのサービス)は訪問販売法の規制を受けるので、要注意です。

私がオススメするのは、店舗を持ちながら、その補完的なサービスとして行うことです。様々な考え方があるので、一概にこれとは言えませんが、やってみる価値はありそうですね。最近はネットなどで拝見するに結構多くの方が出張で頑張っていらっしゃるようです、実際にそんな方のサービスを利用して、実態をみてみるのが手っ取り早いかもしれないですね。

私個人的に出張を利用したいと思うのは、雨の日、寒い日、夜寝る直前でしょうか。


2−10.定休日について

Q.先日既に開業されている先輩に色々とアドバイスを聞きに行ったのですがその中で私は定休日を「不定休」にしようと思ってると告げた所「自分本位の休み方でお客様に失礼だし信用を失う」と言われました。
確かにそうだなぁ〜とは思いましたが定休日を設定してしまうと定休日以外に休まざる得ない時とかはどうしてるのか?と聞いた所「予約がいっぱいです。と言ってしまえばいいのよ」と言われました。
嘘も方便なのかも知れませんが私は納得出来ない気持ちでした。それこそばれたら信用を失うだろうに・・・
皆さんはどのように定休日を決められているのでしょうか?



A.私のお店は、今年中無休で、お正月のみ2日間お休みというスタイルで初め、お客さまのご利用が少ない曜日をお休みにしようと始めましたが、未だに曜日によるお客さまのご利用のパターンが見られず、年中無休のままです。 個人でサロンを切り盛りする方であれば、決まった曜日に全休の日を設けて休息するのも大切かとは思いますが、何人かでシフトでお店を運営できるようであれば、場所によっては営業していた方が良いかも知れないと思います。 特に開業したばかりはお店の存在を知ってもらうことがとても大事なので、お休みの日を不定休にするのも悪くはないかとは思いますが、その場合は前もってお客様にそれを知らせるべきです。 ただ今日の明日にお店を突然お休みにするなんてことは避けたほうが無難だと思います。 

せっかく今日、お店に行こうとしていたのに、いってみたら臨時休業だったり、電話をしたら留守番電話のアナウンスもなく休業なんてことは無い様にするべきです。

商売に限らず、人と人のつながりの基本は、日ごろの約束事を守ってきて培われるお互いの信頼、信用です。

自分のエゴでお仕事をされている施術者を多く見かけます。 お客様は100人いれば100人の価値観があります。 その全てにあわせる必要は無いとは思いますが、ビジネスである以上、自らが始めにその関係作りを壊すのは”もったいない”と思います。


2−11.留守番電話について

Q.一人でサロンをやっていますので、施術中は留守番電話にしていますが、これってよくないことなのでしょうか? 実際には、殆ど留守電録音はされていませんし、お客様が電話を切ってしまっていることが多くあります。

A.ポスターを見、チラシを取ってご来店しようとしたり、HPを見て来店したいというお客様は、一般的には興味度合いが元々高く、とても勇気のある、良いお客様です。 消費者100名を好奇心の度合い、積極性の度合いで割合をつけるとすると一般的には15〜30%ほどの方は、好奇心が旺盛で、新しいものに飛びつく方々といわれています。そういったお客様が電話をしてくださっているんです。 一人のお客様は”無限の可能性を秘めたダイヤモンド”です。 ご来店くださったお客様が、満足されると、そのお客様から次の40〜60%ほどのご家族、お知り合い、お友達、会社の同僚などなどへ広がっていくのです。 そこからまた同じように、広がっていくのです。 これこそまさに口コミです。のこりの15〜30%ほどのお客様はまるっきり無関心な方か、誰かに背中を押されないと行動に移らないお客様方です。 個人サロンの集客はまさにこの15〜30%の最初に来店されるお客様から始まるといっても過言ではありません。

ですので、この最上級のお客様の問い合わせ・ご予約は”絶対に取り逃してはならない!!”(取りのがすという表現はお客様に失礼ですが)のです。世の中に数多くのお店、会社、施設、団体がありますが、営業時間中に自らが告知した電話番号にかかってきた電話を留守番電話で対応しているお店は、アロマやリフレの個人サロンだけです。勇気をもって電話機のダイアルを回したお客様の気持ちを逆なでするまさに自滅行為です。(きつすぎる表現かもしれませんが)お客様にとって大変失礼なものです。 どんなことがあっても、親・兄弟・友達・親戚・ご近所さん、秘書サービスなどを片っ端からあたってでも電話を転送にして、予約状況を伝えて電話の対応をすべきです。

せっかく電話をかけたのに、電話に出ない・・・お客様の落胆度合いはさぞかし・・
一本の電話から始まる、末永いお付き合い VS 一本の電話は終わるお店の信用の失落・・

みなさんはどう思いますか? みなさんが、お客様だったらどうしますか?

電話はまさに現代社会のライフラインです。 個人のサロンにとっては、ライフラインを支えるまさに地球の核くらいに重要です。 工夫しましょう!

第3章 サロンの運営について

3−1.クレームについて

Q.サロンをこれから経営して行く上で、色々お客様からのクレームについて、対応して行かなければならないと思いますが、今から考えると頭が痛い問題です。どのように考えていったらよいでしょうか?

A.ご質問のクレームについてですが、クレームには発生理由があります。ものごとは常に5W1Hを考え分析することが重要です。クレームがどんな時に発生するかというと、それはお客様が不満をもたれた場合です。それは、お客様の5感に不快感を発生させた場合と通常のビジネス・生活での常識に反する行為をお客様にした場合がほとんどです。

5感の不快感とは
「見る」・・・サロン内が散らかっている、汚い、暗すぎ、明るすぎる場合など
「聞く」・・・サロン内の音が大きすぎる、小さすぎる、外の騒音
「嗅ぐ」・・・不快な匂い、施術者の体臭、口臭、隣のベッドの匂い、不潔なタオル臭、近隣からの異臭、不衛生なトイレの匂い、自宅サロンでの生活臭、ペット臭など
「感じる」・・・タオルがごわごわしている、寒すぎ、冷たすぎ、熱すぎ、圧迫感、施術者の言葉遣い、周りの人の目、環境のイメージ
「味覚」・・・お茶がまずい、出されたお菓子などがまずいなど

お客様によって個人差があるものは、新規の来店時にお客様に好みを伺い、それをメモしておき、次回の来店時に生かさなければいけないです。

その他、常に身の回り、自分自身を清潔にしておかねばならないですね。私が今まで体験した中で、とても不快に思い、その後行っていないお店で代表的なところでは
・施術者が顔の上をまたいで施術してくれてたときに、小便臭かった (ある指圧マッサージのお店)
・冬場なのに、ヒヤッとする、ミント系のオイルでふくらはぎを施術していた、チェーン店のリフレッシュサロン、やめてくれといったにもかかわらず、続けていた!(中堅チェーン)
・トイレを借りたら、従業員兼用で、スリッパは揃えてない、トイレットペーパーがだら〜、ものすごく汚かった(日本一の店舗数のリフレ店)

お分かりですが、その後一度も行っておりません。通常のクレームを下さるお客様は、”良心的”といえますが、ほとんどのお客様は、”2度と行かない”だけですね。

常識・約束事に反する不快

 ・電話をしても出ないサロン
 ・留守電対応の高飛車さ
 ・2重予約をしたサロン
 ・チラシやHPで”告知”している内容と違った内容のサロン
 ・予約が一杯ですと、休んでいるサロン
 ・施術・接客のミス

このあたりでしょうか? お客様の価値観は10人10色、反応の大小はありますが、自らのミスは潔く謝罪し、わざわい転じて福となす的な対応を心がければお店の信用は維持していけると思います。

具体的には、書ききれないですが、基本に忠実に、自分自身の行動をチェックすべきです。


3−2.困った男性客の対応法について

Q.私の店は「男性OK」のスタンスで経営しています(スタッフは女性のみ)。整体やリフレを希望する男性客には、あまり悩まされたことはありませんが、やはりオイルを希望する方は…中には困った方もいらっしゃいました。そういう方の共通点は、頑として「住所・電話番号etc」の個人情報を受付時に記入して頂けない事です。せめて電話番号だけでも…と思い「お忘れ物などがあった時こちらから連絡を差し上げることが出来るように」と促してもダメです。サロンによっては初回時に「身分証明(免許証など)」の提示を求めたり、顧客からの紹介者のみという場合もあるようですが・・・。お客様の気分を損ねず、かつ確実に身元確認できる方法はないものでしょうか?教えて下さい。ちなみに、そのような方々のもう1つの共通点は、電話をかけてくるときは「非通知」でかけてくることですね…。


A.さて、”困った男性のお客さま”への失礼のない対応方法ですが、あなたのおっしゃるお客さまの身元を確実に知るということだけでは直接的な解決にはならないと考えます。万が一に何らかの事故がお客様によりもたらされたり、セクハラ的な事が発生した場合は、事件ですので、そうなった場合は警察に通報すべき問題になると思います。

 そうは言っても大事なお客さまとお考えであれば、なぜお客様が住所や電話番号の記入を拒否するかを確認すれば良いのではないのでしょうか?その理由が理にかなっていないと判断した場合は、お断りするのが懸命だと思います。ほぼ十中八九そういったお客様はリピーターになって下さらないと思いますし、サロンの商売そのものはリピーター獲得を念頭に置くべきですので、断って施術をしない時間に本来の営業活動をしたほうが長い目で見れば懸命かと思います。万が一の事故・事件水際で防ぐために、防犯カメラを設置したり(録画機能がついたもの)、例えそれがダミーであっても効果はあると思います。

 まとめますと、一つの方法として
1.施術の受付は当日予約であっても事前予約制にする。事前予約を受け付ける段階で必ず、氏名、電話番号はお教えいただく。 電話番号をうかがう際は、”万が一に、なにかございましたらご連絡で必要ですので”とお客様に伝える。
2.フリーで飛び込みでいらした方には、必ず氏名、住所、電話番号を確認する。もしお客様が拒否した場合は、”当店ではお客様の個人情報は厳密に他に漏えいされないよう管理しております。お客様への今後のご案内、万が一の時の為に、それをお伺いすることとさせていただいております。”と伝え、それでもお客様が納得しない場合は断ったほうが懸命です。(上に述べた理由です。)
3.お客様が新規で来店くださった場合は、必ず、翌日など来店後間を空けずにお礼のはがきもしくはメールをお送りするよう、標準化し郵便があて先不明で返ってきたり、メールが返ってきた場合には、次回の予約の希望、もしくは来店の際に失礼のないよう、それを確認する。この3についてはお客さまに対する基本の来店後マーケッティングでもあります。
 お客様の身分証明の提示をお願いするというのは、程度の差こそあれ、私は個人的にどうかなと思いますが、あなたが必要とお考えなら徹底したほうが良いかと思います。また、
お客様が電話を掛けてくる際の非通知については、1で対処できると思います。

 サロンのお仕事は、お客さまと施術者の肌が触れ合う、とても特殊な仕事です。お客さまと施術者との間に信頼関係を作るのが第一です。それが出来ないお客様はお断りしてもしょうがないと思います。人間誰しも、仕事をするために生きてはいません。生きるために仕事をしているのです。それを脅かすようなことは避けるのが懸命だと私は考えています。


3−3.体験教室について

Q.ネイルでの開業を考えている者です。
経験として、公共施設や、カルチャーセンター、貸しホールなどでの体験教室などを開いてみたいと考えています。どんなものを準備(スキル、資料、経験など)して行けばよいのでしょうか?


A.ご質問の体験教室についてですが、一つの考え方は、広い層の人々へのサービスの告知、そこから繋がる集客が基本の目的といえるのではないでしょうか。 最近よく見る似たようなケースで、パソコン教室が、貸しホールなどを借りて、1日無料体験会を開いたりして、多数のお客様予備軍を集めて、そこから入会者を集めているようなのをよく見ますし、昔から女性向けの着物の展示会なんかもお客様の集団心理を上手に利用した、集客方法といえます。エステ業界では数少ない、公開会社の”エステアップ”を長沼静着物学院と同じ会社が経営しているのは、女性の消費行動をよく知っているノウハウの蓄積がエステサロンの集客・経営に繋がっていることをまさに示していると思います。

前書きが長くなりましたが、上の長い前書きを踏まえてお考え下さい。商圏の人口のうち、その何%かはお店の告知をきちんとすれば来店してくださることは、すでにに書きました。
体験教室の開催も、集客の論理の大事な部分で、まさに集客確率をあげる、有効な方法です。 1万円の値段だと、来たいけど来れない方を、そこを値段を下げて、より多くの方に参加いただく、ターゲットのお客様の層を拡大することが目的です。

ですので、一概には言えませんが、初心者講座として、今までネイルを受けたことがない方のために、ネイルの歴史、変遷、そのすばらしさなどを上手に、イラスト、写真などを取り入れたレジュメ・テキストを作り、そこで実演するというのが効果的だと思います。大人数の前で話したりするのが苦手であれば、最初は、自宅のリビングで、次は貸し会議室で、その次はホールでのようにステップアップしていくこともできるかと思います。 その都度、上手く行った事柄(資料・話し方)は残し発展させ、失敗したこと、改善を要することを修正していくようにするとどんどん良くなっていくと思います。また複数の方が参加されれば、お互いがモデルになりながら行うことなども出来るので、アイスブレーキングといって、お店に直接来店される前に、内容をわかってくださったりと効果がかなり期待できます。来て下さったお客様に感謝の気持ちを伝え、参加者の目、顔をよ〜く見てというのが基本ですね。 

スキルについてはと言えば、まさにプレゼンテーションのスキルです。TVで見るアメリカブッシュ大統領のような方々はまさに一流のプレゼンテーターといえます。TVの料理番組の先生の身振り手振り話し方なども参考になると思います。


3−4.レンタルルーム・レンタルサロンの活用について

Q.レンタルルームやレンタルサロンを利用して、アロマの営業をしてみたいのですが、そうした店舗は現実にあるでしょうか?
また、どんな店に注意したらよいでしょうか?


A.ご質問のレンタルルーム・レンタルサロンの件ですが、必要としている方に上手に知ってもらったり、その需要を喚起すれば利用する方がいると思います。

現に私のところにも問い合わせがあったり、そうして利用している方がいらっしゃいます。通常、歩合制のサロンで施術者が働いて得る収入はほとんど最高でも5割ほどのところが多いですから、その施術者が、自分自身にお客様がいる場合などはお店で働いて得る収入より得であったり、練習中の方が、様々な設備に関する出費をする場合と比較した場合、レンタルの方が負担が少ないなどといったケースですと可能だと思います。現に最近は、場所貸しのスタイルで、施術者に業務委託契約に基づき店舗を広告して営業している方なども多くいらっしゃるようです。
 
賃貸の建物や店舗を又貸しと見られるケースが許されている場合は、利用者との間で
1)施術事故や火災・水漏れなどが万が一に発生した場合の責任を明確にする
2)建物や設備に、損傷や滅失および物品の紛失等があった場合の責任を明確にする
3)利用条件を明確にする
4)利用者の身元(借りる人、またその方が連れてくる方の人)を明確にしておく
など契約書に織り込めばよろしいと思います。


3−5.サロンの個人事業者向けの営業支援システムについて 

Q.資格を持っていてもなかなか独立したり、集客を図るのは難しいと思います。そこで、そういった事を例えば、コンピューターシステムでバックアップしてくれるような仕組みというのは現在ないのでしょうか?
例えば、顧客管理をしたりオンラインで予約がとれたり、大きなサロンではあたりまえのようにあるとは思いますが、個人やフリー向けにそういった仕組みはあるのでしょうか?



A.ご質問の資格をもっていても独立集客が難しいとお考えのようですが、集客はそれほど頭を悩ますことのほどではないと考えています。固有名詞は伏せておきますが、サロンの検索サイトの中にオンライン予約の機能を組み込んで、広告機能を持たせたサイトは結構あります。「○スポット」や「○エステ見つけた」などがそうでしょう。前者は月々5000円ほどの定額利用料で、後者はそのサービスを利用した場合、売り上げの3割を手数料で払うか、もしくは月々定額で1万数千円を払い、予約サービスを利用の都度1割ほどの手数料を払う仕組みになっているようです。
しかし、予約の受付、取り消し、お客様の遅刻、ドタキャンなどのすべてのケースに対応するようなシステムは今のところ無いようです。そのほとんどがインターネットのアクセス数アップによる上位表示の相乗効果を期待しての広告機能がメインになっているようです。
顧客管理については、オンラインでないものであればかなりの数のサロン用ソフトが出回っているようです。仕組みは美容室の顧客管理などがベースになっているようです。
オンラインのものについては私の現状の知識ではないですが、かなりの部分一般の顧客管理に関するサービスを利用できるのではと思います。 
ただし顧客管理については、個人情報の保護、守秘義務の観点から、かなり慎重に選択したりしないといけないですね。

私のところにある中堅どころのシステム会社が、まさにご質問のシステムを作成しアウトソーシングの受託として計画があるようなことを言って来ましたが、それにかかるシステム会社の投資額、資金の回収ターム、現行の個人サロンの件数などを踏まえると、まだもうちょっと先のお話のような気がします。

私の個人的な考えですが、サロンの商売はフランチャイズにはなじまないのではと考えております。私の個人的な目標は個人サロンの協同組合を作ることなのですが、きちんとした、お問い合わせのような仕組み・システム・サービスを作れたらいいですね。

独立し集客することは、私はそれほど難しくはないと考えています。ポイントはそれで生活が成り立つか否か、民間の資格団体(=一般企業)の作っている資格のレベルとその後の技術力の度合い、個人サロン経営者の接客力・人間性、行動力が成否のポイントだと私は考えています。


3−6.コンサルティングの進め方・準備について

Q.コンサルティグを実際に受けて見たいのですが、何を準備したらよいのですか?またどのように進められていくのですか?少々不安ですので、お教え願います。

A.ご質問の進め方ですが、サービスをご利用いただくお客様がすでに開業している方や開業場所が決まっている方の場合でかつご準備いただける場合は最初に以下の資料などをお見せいただいております。 資料をご準備いただかなくとも一般的な個別のご相談にも応じています。

1. サロン開業地を中心に、半径2km以内の町丁別、性別、年齢別の住民基本台帳の統計データ。 市・区役所に事前に電話であることを確認して、担当部署でデータをコピーしてきてください。直近のものがベターです。車などでの来客が可能の場合、その商圏にあたる地域の同一データ(○○町××地区に女性の何歳の方が何名住んでいるかがわかるものです。)
2. 直近の国政調査のデータで、上記内容ごとの就学地、職業分類がわかるデータ。
(区役所・市役所等に資料が来てないことがあり、都道府県庁、もしくは総務庁にいけば必ず入手できます。)
3. サロン開業地の家や店舗の間取り図
4. 建物の入り口から玄関〜玄関からトリートメントルーム、接客スペースまでの写真
5. 建物から見た、東西南北の写真
6. 建物を東西南北から見た写真  ※写真はデジカメがなければ携帯での写真でも構いません
7. 実際にサービスしているメニューとその値段
8. 開業後のお客の予約・ご利用状況の記録 (延べ来客数、リピーター数、リピーター率)
9. 開業後の月単位の売上げ・経費の推移(経費については明細)
10. 最初に投下した資金の額及び明細
11. お店の告知・広告の実績、またそれにチラシ、その配布枚数、そこからの来客実績
12. 同じ商圏にある競合店等のチラシ、写真など

これらからまず最初に問題点の把握をし、お客様の気持ちの整理をお手伝いしながら、次のアクションの提言、それをお客様が自分で導き出せるようお手伝いいたしております。

フランクに行っておりますので一切の遠慮はいりませんし、恥ずかしいなどと最初から考えてはいけません。 お気軽に安心してお考えいただいて大丈夫です。 私のような仕事をしている方は殆どいらっしゃらないようです。 私自身は商売のノウハウを決してもったいぶることなくご提供することによって、質の高いサロンのサービスが世間に広まっていくことを希望しています。