九月四日の一言
無事帰宅
九月五日の一言
この青空を見上げている間に、いくつの夢が消えているのだろうか?
九月六日の一言
一つの夢を叶えるために、いくつの希望を食いつぶしてきたのだろうか?
九月七日の一言
泣いて、怒って、笑って、傷ついて。
いいんじゃない? それは君が君という証なんだから。
九月八日の一言
人の夢は儚いもの。
九月九日の一言
僕たちは生まれた瞬間にだだぴろい海の中に放りこまれた。
だから溺れないように必死でもがいて、苦しむんだ。
力を抜けば簡単に浮くということを知るまで、ね。
九月十日の一言
泣いていても変わらない世界。
なら、せめて笑っていよう。
九月十一日の一言
「ルシュファー、悪いけど、人間ってそんなに捨てたもんでもないぜ。
たしかに人間は欲深くて間違ってばかりで、傷つきやすいけど。
一度負った傷は痛くて、二度と傷つきたくないと思うからこそ、誰かのために優しくなれるんだ。
間違いは一つ一つ正していけばいい……」
『たとえばこんな天使たち』より
九月十二日の一言
遥か未来で交わる平行線。
それが僕らなんだ。
九月十三日の一言
声が聞きたくて耳を澄ましてみる。
けれど、君の声は雑音まじり。
悲しくて、僕は涙を流す。
九月十四日の一言
倒れてしまったやじろベえは、ただその形を無残に晒すのみ。
もう、バランスを取り戻すことはできない。
九月十五日の一言
悲しいことも、辛いことも、すべて受けいれたから僕らは強くなれたんだ。
九月十六日の一言
心はエンジン、愛はガソリン。
走ってやろうじゃないの、命、燃え尽きるまで。
九月十七日の一言
あの月明かりに照らされた丘の上で君に抱かれて眠りたい。
今夜、僕は狼になるから。
九月十八日の一言
子供のころ見ていた恐竜の形をした雲は空に溶けて消えて。
いまは別の形を作っている。
もうあの雲をみることはできない。
九月十九日の一言
自分の血が赤いと初めて知ったあの日。
君は僕が流した血よりも多くの涙を流していた。
九月二十の一言
君に伝えられなかった想いは今もこの胸にある。
いつの日か、いつの時にかと待ち続けながら。
九月二十一の一言
壊れた世界の壊れた廃墟の上で、赤い月を見ながら飯を食おう。
うまいと感じることができたのなら、俺たちはまだ何とかなるから。
九月二十二の一言
愛なんて言葉、知らなければよかった。
君を失って涙する僕は、もう人形には戻れない。
九月二十三の一言
愛してる。
ありきたりな言葉だけど、君にこの気持ちを伝えるにはこの言葉しかないんだ。
九月二十四の一言
君がこの胸に残してくれた種はまだ芽吹かない。
でもいつか。
誇るように咲いたひまわりの花は、君のような笑顔を見せてくれると信じている。
九月二十五の一言
愛なんて関係ない。
傷つくことなんて関係ない。
僕はただ君をさらうだけ。
九月二十六の一言
楽しそうに笑う君が、僕たちを男と女に分かれさせた。
あなたの大きな手が、私たちを男と女に分かれさせた。
九月二十七の一言
丘の向こうに沈んでいく夕日を見つめていると、なんだかリンゴが食べたくなってきた。
今日はもう家に帰ろう。
九月二十八の一言
あの丘の上で風が吹くのを待ってみよう。
頂上にたたずむ大きな樹は、私だけのゆりかご。
晴れた日には木漏れ日がきらきら踊る。
雨が降る日は雨音のリズムを子守唄に眠ればいい。
いつかこの場所を忘れてしまうまで。
あの太陽に胸焦がす夢を見よう……
九月二十九の一言
いつか見た空。
私はそこを目指して何もない道を歩き続ける。
振り返ってみても、そこに足跡はついていない。
むなしさと、悲しさと、ほんの一握りの幸せを抱いて、一歩、また一歩と歩き続ける。
あの場所へたどり着けるのは、いつの日になるだろうか。
九月三十日の一言
君に伝えることのできない言葉は今も僕のポケットの中で眠っている。
たった一言の「好きだよ」が言えない。