インタークーラー・ラジエター導風板

●経 緯

これまでは、普通にエンジンルームを覗いて、思いついた導風板等を作成してきました。
そしてある程度満足できるモノが出来たと思っていましたが、ある日視線の高さまでリフトアップされた愛車を見たところ、フロント バンパー開口部を見て愕然としました。(今更ですが ・ ・ ・ )
そうです!!インタークーラーやラジエターとボディの間が隙間だらけだったのです。
これでは、いくら走行風を冷え物に当てても隙間から逃げてしまい、冷却効率が落ちていたでしょう!!
そこで、今回はこの隙間を減らし、積極的に冷え物に走行風を当てる、「インタークーラー・ラジエター導風板」を作成することと しました。
本来なら、バンバーを外して作成すれば完璧でしょうが、そんな「技術」も「やる気」?も無いKyasuiには、そのまま現車 合わせで実行に移しました。
しかし、我が家にはリフトなんて当然ありません!!これが大変でした。さすがは日本が誇るスポーツカーです!!
バンパー開口部が低く、覗き込まないと見えないので、常に寝転んだ、地上30センチの作業となりました。

I/Cボディ隙間左側

●左側の現状

これはバンパー開口部から除いた隙間です。
この隙間から覗くと、タイヤが見える程なので、かなり走行風が逃げていたでしょう!
でも、ブレーキには当たっていて、良かったのかな?と前向きに考えたりします。(笑)
前置きインタークーラーの下、地面と平行にセットされているのは、エアコンのコンデンサーです。
通常、この位置にコンデンサーがあるとエアコンは効きませんが、この裏に電動ファンが張り付いていて、エアコン・スイッチONに 合わせて強制的にボディ下部に空気を抜くようにしてあります。
コンデンサーに生えている、「黒い出っ張り」は電動ファンを固定するポッチ(?)です。
ちなみにラジエターは、インタークーラーの裏側にあるので、ここからは見えません。






I/Cボディ隙間右側

●右側の現状

こちら側には、エアクリにフレッシュ・エアを当てるためのジャバラが付いています。
この角度では、隙間はそうでもなさそうですが、実際にはジャバラを回り込んで抜けて行くでしょうから、見た目はほど密閉されてい ません。
隙間から、草木が見えますネ!!(笑)
しかし、こうして覗いて見ると、バンパーの内側は、案外スカスカなんですね〜!
よくショップのデモ・カーを見ると、そのポテンシャルを「持続する」ために、この あたりをしっかり作り込んでいるのが、理解出来ます。
蛇足になりますが、上に見える「コルゲートチューブ」は、今では使用していないウオータースプレーのパイプです。(後述)








型紙

●型紙の作成

今回の「導風板」もアルミ板で作成しますが、いきなりカットしても絶対に成功しません。
そのため、今回は廃品利用で去年のカレンダーを使って「型紙」を作ることにしました。
これなら切り過ぎればガムテープでつなげれば良いし、納得いくまで合わせられます。
丸い穴は、コンデンサーを固定する「黒い出っ張り」の逃げです。
出来栄えは、この「型紙」作成にかかっているので、1時間以上かけて合わせましたが、これが出来れば75%完成です。

ここで思いついたのが、オプションパーツ、いきなりの命名の「コンデンサー・カバー」です。
今更ですが、前述のサイドの穴を塞いだとしても、このコンデンサーを通って、ボディ下部に走行風が抜けてしまうことが考えられま す。
更にボディ下部と地面間には負圧が発生していると思われることから、特にこの傾向が強まるでしょう!!
そこで、この部分を塞ぐカバーを次回に作ることにしましょう!!
しかし、完璧に塞いで「固定」してしまうと、エアコンが効かなくなってしまうと思われます。
そこで、この部分は「走る」ときだけ塞げるように、簡単に外せるようなカバーを考えます。
どうです!画期的だと思いませんか?
または、「ルーバー」を沢山入れれば、走行風は逃げにくく、下からは吸出し易くなる という、矛盾を解決出来るかもしれません。
でも、適切な「抜け具合」を見つけるには、試作品を多数作らないといけないでしょう!!
こんなパーツなら、皆様にも利用できるので、便利だと思いませんか?市販化されませんかね〜?
でも、エアコンの効きや、熱が溜まってコンデンサーがパンクすることを考えなければならないから、ストリートカーは難しいです!

I/C左側カバー

●左側導風板

とりあえず作ってみました。
ポイントは、あまり目だ立たせたくなかったので、バンパー形状に合わせてカットしました。
そして一番苦労したのが、バンパーとツライチにするために、裏側の固定ステーの微調整でした。
これだけで、1時間位付けたり、外したりして位置決めをしました。
おかげで、バンパーから導風板へ凸凹も無く、スムーズにつながるように出来ました。
そしていつものように、縁取りせずに、ビニールテープで簡略化しました。
ちょっと気になったのは、上側が5×10センチ位の隙間を埋めることが出来ませんでした。
これは、バンパーを外さないで作成したため、はめ込める形状にしたのでこうなってしまいましたが、導風板の上側を折り返して、なるべく空気が 回り込まない工夫して、良しとしました。
この状態でも、コンデンサーの1/4位被せておきます。
これは、この張り出しがないと、導風板から跳ね返された空気が、そのままコンデンサーを通って抜けやすくなると思ったからです。


I/C右側カバー

●右側導風板

こちらはジャバラがあるので少し複雑になりましたが、なんとか完成しました。
やはり曲面を作るのは難しく、計測ミスして余計な穴を開けてしまいましたが、これは愛嬌ということで ・ ・ ・
形状的には、上側は折り返すことで走行風がボンネット側に逃げず、インタークーラーに当てるようにし、、下側は隙間を作ること で、裏側にあるラジエターに送るようにしました。












●使用前・使用後
さて、こんな感じで完成に至りましたが、果たして効果は如何程でありましょうか?
いくら能書きを垂れても、実際に変化(改善)されなければ、意味がありません。
そこでテストとなるのですが、本来なら「装着前」「装着後」の比較をすぐに行うべきだったのですが、やろうやろうと思っていたら、 3ヶ月も経ってしまいました。(ナガっ!!)
しかも、季節の変わり目だったので ・ ・ ・ う〜〜ん、です。 それを前提に判断して下さい。
「装着前」のデータは、1月の真冬に対して、「装着後」は4月でポカポカ陽気な日でした。
チェック項目は、セブン乗りなら目が釘付け最重要視の「水温」「吸入温度(スロットル直後)」「油温」としました。
各値は安定した?最高値の平均ですが、「サーキット走行」の水温、油温に関しては、クーリングしないと最終的には上がり続けるの で、限界値(クーリングに入る)に行くまでの、上がり具合が鈍った値としました。
各項目の回転数とギヤはそれぞれ「〜60キロ(下道)」:1〜3速、「100キロ巡航」:4速ホールド(3500rpm)、 「サーキット走行」:2〜4速(レブ7600rpm)としました。

1月・装着前・外気温11℃
〜60キロ(下道)100キロ巡航(高速)サーキット走行
水 温90℃80℃91.5℃
吸入温度45℃30℃54.5℃
油 温88℃80℃85℃


4月・装着後・外気温21℃
〜60キロ(下道)100キロ巡航(高速)サーキット走行
水 温91℃81℃96.5℃
吸入温度55℃35℃56.5℃
油 温85℃78℃85℃


●効果の検証

以上な結果となりましたが、外気温が10度も違うので、微妙な結果となりましたが、いくつか判ったこともあります。

・油温について
もともと油温はオーバークール気味だったのですが、不思議なことに、水温に関係なく更に冷えるようになったみたいです。
これは独断ですが、本来油温は水温に連動していると言われますが、オイルが熱を吸収しているエンジン部分が、それほど上昇 していないと予想できます。
これはどういうことをあらわしているのか不明ですが、もう少し冷却効率を上げれば、劇的に水温が下がる序章 なのかもしれません。
ちなみに愛車はツイン・オイルクーラーですが、更に暑くなった5月のサーキットでも、片側をガムテープで覆っても問題が無いくらいです。

・水温について
水温に関しても、サーキット走行では違いが体感できませんでしたが、それ以外では確実にいつもよりも下がっている感覚が あります。
そして、サーキットでのクーリングが早く出来るようになりました。
それは、今までウオータースプレーを使って冷却していたのが、必要無くなったことから判ります。
そのため現在では外してしまいました。重くなりますからネ!!
このことから、インタークーラーの裏にある、ラジエターにも走行風が当たるようになったのでしょう!!

・吸入温度について
吸入温度に関しては、さほど違いが感じられません。ちょっと、ガッカリ!!
やはり、一番前で直撃していたので、導風板の効果が薄いのかもしれません。

●結 論

結論としては、かなり満足していますが、皆様はどのように判断されますか?
感触としては、おそらくもう一工夫すれば、更に安定した冷却が手に入りそうです。
でも、その少しがKyasuiに判らないのが致命的ですが ・ ・ ・
でも、これらの小さな積み重ねが、きっと究極の導風板につながっているのだと思います。
少なくともウオータースプレー5リットル分の軽量化と、費用が800円しか掛かっていない、費用対効果が一番の魅力です。

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