Ceramicsアペックスシール


●はじめに
ロータリーエンジンで脚光を浴びる最重要パーツとして、アペックスシールがあります。
そしてこのパーツはこれまで様々な材質(合金?)、形状で製作されてきました。
その中で、Kyasuiが思うに、最高峰(価格?)である、「セラミックアペックスシール」 が手に入りました。(勿論、中古ですよ!!)
雑誌やうわさでは良く聞いていましたが、実際に現物を手にしたのは初めてです。
なにしろ、このアペ、新品なら1本4万円もする高嶺の花です。
2ローター1台分なら、アペだけで24万です!!(驚嘆)
さすがは、「強度」、「耐熱性」、ハウジングへの「低攻撃性」が高いレベルにあると言われるだけはあります。
そこで、この感動?を独り占めで楽しむのはあんまりなので、画像だけでも公開して、皆様と感動を分かち合えないかと思った次 第です。
そして、実はこのセラミックアペックスシールは、村松自動車さんから譲って頂いたのですが、記念?思い出?の品だったらしく、 そんな大切に保管していた品物を頂いてしまい、初めにお礼を申し上げます。ありがとうございます。大切にします!

セラミックアペックスシール
●戦歴
まずこのセラミックアペックス戦歴ですが、RUN自動車時代に赤のFC3C?!、つまりカブリオレ !!に組み込まれ、竜ヶ崎飛行場で行われた、ある「ゼロヨン大会」で走りまくったそうです。
おそらく、カブリオレということで、記憶にある方も多いかと思います。
その心臓部は10mm!!のブリッジポートに、T45S改としてT51Rのハイフロー ハウジングタービンで、678PSを叩き出していたそうです!!(勿論、2ローターです!)
これを9500回転!!シフトで、ショップの従業員さんが当日初めてのドライブで 10秒フラット出したそうです。
剛性(トラクション)に不利な、オープンボディなのにです!!
スゴイですよね〜!すべてが超ド級なレベルです!!
しかも、こんな調子でゼロヨン50本以上も走って、まったく問題無かったそうです。
エンジンが最も酷使されるゼロヨンなのに、凄いタフなエンジンではありませんか!!
そして、そのエンジンを支えるアペックスシールも素晴しいと思いませんか?

●第一印象
このアペを手にして最初に気が付くのが、その手触りです。
ノーマルのアペとは違い、あきらかに「スベスベ、ヌルヌル」しています。勿論、オイル等は付着していません。
表面が非常に「滑らか」
で、例えて言うならプラスチック?いやいや、象牙のハンコのよ うです。
このことは、光に当てて見てノーマルと比べると差が歴然です。
ノーマルはどうしても、光の反射が鈍いことから、目で確認出来ない凹凸があるのに比べ、セラミックは綺麗に反射します。
これは、ガラスの上に置いても判りますが、セラミックは、「ピタッ」と張り付きます。
この「ニュル、ニュル感」だけでも、シュウドウ性に優れているのが予想されます。
これならオイルとの馴染みも優れていて、皮膜が強いという話しもうなずけます。

N○アペックスシール
●強化アペックスシール&コーナーシール
これは、以前のMyエンジンに組まれていたアペックスシールです。
比較するため、綺麗に磨いてはみたのですが、これが限界でした。
目でわからない凹凸があって、そこに入り込んだ汚れ(カーボン?スラッジ?)が取れません。
つまりこれだけ金属製(合金製)アペは、凸凹しているのでないかと思われます。
ここで勘違いしないで欲しいのですが、この凹凸は、オイルが入り込んで皮膜を形成することを考えれば、非常に大切な性質(機能?) だと思います。
これは、WPCや(ハード)ショット・ピーニング加工に通ずる部分かもしれません。








○Bとセラミックの比較 ●セラミックアペックスシールとの比較
見た目が写し方で差異が出ないように、一緒に撮りました。
前述のように、金属アペはフラッシュが部分的に反射してしまいますが、セラミックにはムラが無いことが判ります。
そしてふたつを比べて、更なる違いに気が付きました。
それは、重量です。
金属アペの三角部分を差し引いても、セラミックの方がメチャクチャ軽いのです。
数値マニア?のKyasuiには、ヨダレものですぅ〜!!
個体差もほとんど無く、実際に計量したら×.6グラム(自主規制)も違いました。
ちなみに、ヒントとして、金属アペは、1?.4グラムありました。(三角部分無し)
この数グラムの差でも、高回転で遠心力が加われば、自重の2〜3乗倍の荷重がかかることを考えれば、ハウジングへの攻撃性が弱ま り、くびれのマユ状ライン(ウェステッドサイドと言うらしい)の追従性が高まり、バウンジングにもかなり 影響しそうです!!
また、相乗効果で、ハウジングに押し付けるシールスプリングレートのセット荷重を下げられることから、接触抵抗の低減につながる でしょう!
高回転に有利なことから、このあたりも高性能の証なのでしょう!!
ところで、高価なことを除けば、これだけ良いことばかりが目に付くセラミックですが、ここで疑問が湧きました。
なぜ「ワンピース」なのでしょう?
素人考えですが、長期間の使用では、マルチピースの方が、有利な気がしますが、ご存知な方がいらしたら教えて頂けませんでしょうか?
磨耗に「強い」ことから、クリアランスの考慮は必要ないからでしょうか?
それとも、競技用ということで「そんなこと」は考えない!?
ナゼでしょう?不思議ですよね〜!!
そして、もう1つの大きな違いを発見!!
あたりまえと言うか、当然のことですが、ちょっとビックリ、納得です。
金属アペは引っ付くのですが、セラミックは に引っ付かないんですね〜!!やっぱり!!



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