* 心の準備
猫ちゃんだけでなく、動物を飼うということは命の責任を背負うことだと思います。単にかわいいだけでは、すまされないさまざまな問題が出てくるからです。ペットショップ等で、とても愛らしく目があって連れて帰ってしまったというようなことを、よく耳にしますがそのような生体の衝動買いは後々のことを考えるとあまりおすすめできません。最近のペットブームで動物との生活を手に入れる方が多くなっているように、ペットと共に過ごすやすらぎや充足感は,はかりしれないものがあります。反面、いろいろな厄介なことも受け止めていかなくてはならないです。ペットを飼うと決められたら慎重に考え、ある程度の心の準備期間をおくことが大切だと思います。猫を飼うことで生じるいろいろな可能性を想定したうえで、毎月ある程度の出費を覚悟できるのか、きちんと面倒を見ることができるのかなど、自問自答してみるのもいいと思います。
* 猫の寿命
猫の寿命は一般に、15年前後といわれています。飼い主のライフスタイルも10年後、15年後には大きく変化しているかもしれません。引越しや結婚といったいくつかの転機も訪れると思います。さまざまな転機が訪れたときでも猫を手放すことなく生涯面倒をみてあげてほしいのです。何の罪もない猫にとって飼い主が代わることはとても大きなストレスになります。
* お部屋
これから、自分と猫が快適に暮らせる住環境を改めて考えてみてください。もちろん、猫のためには完全室内飼いが重要です。室内飼いには、たくさんのメリットがあります。猫を自由に外出させた場合と違って、他の猫からの病気やノミを移される心配もありませんし、車にひかれるといった悲劇が生じることもありません。もし、病院など外出が必要なときは必ず、キャリーバッグに入れて運んであげてください。できれば、バルコニーなどにも出さない方がいいと思われます。集合住宅などの場合、手すりをつたって、隣のお部屋へ入ってしまうかもしれません。それに、一番こわい転落の危険もあります。部屋は、猫にはすごく広い空間は必要ないと思われますが、綺麗、好きな動物ですので、まめにお掃除をしてあげてください。猫は高いところが大好きです。家具やキャットタワーなどを利用して上下運動ができるようにしてあげてください。窓際も猫が大好きな場所です。外に出られなくても外を眺めて飛んでいる鳥を見たり網戸越しに外の空気に触れることで格好のストレス発散になると思います。そして、猫にとってなにより好きなことは、日向ぼっこです。可能ならば窓際に猫ベッドをおいてあげて充分に日向ぼっこができるような空間を確保してください。それと必ずペット可の住宅で飼うことが大切です。隠れて飼って、もし見つかった場合猫ちゃんを手放すことになったら飼い主も猫ちゃんも悲惨です。ほとんどのブリーダーさんは、オーナーになられる方がペット可住宅に住んでいることを譲渡条件にしています。
* 揃えたいもの
猫ちゃんと暮らす前に最低限揃えたいものは、トイレとトイレに入れる猫砂、フードとフード用の容器、水用の容器、つめとぎなどです。キャリーバッグはめったに使うことはないかもしれませんが、猫を動物病院に連れていくときなどに必要です。中から外がよく見えるものよりもあまり、見えないようなつくりのものの方が猫にとって向いていると思います。もし、外がよく見えるようでしたら、布などでカバーをかけてあげると冬場の寒さ対策などにもいいと思います。グルーミンググッズとしては、つめきりとシャンプーが挙げられます。つめきりは必ず専用のつめきりを使ってあげてください。つめと同様にシャンプーも猫用のものを用意してあげてください。
* 子猫とのくらし・初日
初めて子猫を連れてくるときは、キャリーバッグに入れてなるべく揺らさないように注意します。移動中に泣き声がやまないようであれば、キャリーを被う布やカバーなどをかけて、目隠しをしてあげます。子猫が来る前にお部屋に用意しておくものは、第一にトイレが挙げられます。トイレの猫砂は前いたところで使われていたものと同じものの方が良いでしょう。できれば、使っていた砂をもらい、トイレ砂に混ぜておくと、自分の臭いの付いた砂の場所をすぐにトイレと認識してくれると思います。そして、エサ用と水用の容器にあらかじめ食べなれたエサを入れておいてあげます。はじめはあまり食べないこともありますが、無理に食べさせる必要はないと思います。お水は猫ちゃんが到着したらすぐに入れてあげてください。いつでも飲めるよう新鮮なお水を用意してあげてください。寝る場所もあらかじめ決めておいた場所にベッドなどをおいてあげて、前のおうちで使っていたタオルなどを敷いてあげると、子猫も安心して眠れると思います。初日はどうしても子猫に構いたくなりますが、グッと我慢して見守ってあげてください。でも、子猫の方から甘えた声でにゃーにゃーと寄ってきたときはそっと、抱きしめてあげたり、撫でてあげてください。子猫が好き勝手に部屋の中を探検しているうちに自分にとって居心地のいい場所を見つけるでしょう。子猫が部屋の隅っこにいって臭いを嗅いだり何か引っかくようなそぶりを見せたら、トイレに連れていってあげてください。上手にできたら誉めてあげてください。
* ストレスを感じない環境を・・
犬には有効な体罰も猫にとってはストレスとなります。犬と人間には師弟関係や親子関係に近い絆が生まれますが、猫と人間とは友人や恋人、共同生活者といったあくまでも対等な関係であるからだと思われます。ですから、猫に体罰をすることは決して有効ではありません。猫がストレスを感じる原因は人間が作り出していることがほとんどです。飼い主が、外出がちであったり、人の出入りが激しすぎたり、トイレが汚れていたり、無関心であったり、構いすぎたり・・・。ストレスだけではなく他の要因によることもありますが、極端にストレスがたまると、食欲低下や嘔吐、下痢、便秘、脱毛といった症状が出てくる場合もあります。あまり神経質になる必要はありませんが、ふだんから猫がストレスを感じないような環境を作ってあげることが大切だと思います。
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