〜闘神都市V〜
〜闘神都市V〜
〜そして、それから〜
<都市長邸・応接間>
「……相変わらず、突拍子も無い終わり方をするなぁ」
魔法ビジョンを消し、俺は苦笑しながらそう呟いた。
一応は、闘神大会の結果を発表する番組だけど、なんだかバラエティー番組になってきているような気もする。
まぁ、その方が面白いわけだし、取り立てて不満とかがあるわけじゃないけど。
「まあ、なんにしても、ボーダーさんが勝ち残ってよかった」
今日の試合結果……とりあえず、顔見知りの勝ち抜きが決まって、ほっと俺は一息つく。
闘神としても、都市長としても、えこひいきはいけないだろうけど、やっぱり親しい相手には勝ち残って欲しいと言うのが真情だった。
「そういえば、明日はルミーナの試合の日か……表立っては応援できないけど、励ますくらいはしてもいいよな」
凄腕の剣士といっても、彼女も羽純と一緒で可愛い女の子である。
試合前の不安を、なるべく和らげることが出来れば、良いんじゃないかと思った。
取りあえず、明日はルミーナを探してみるか。彼女の事だし、広場かどこかで買い食いをしているんじゃないだろうか。
「ナクト、お風呂上がったよ」
「ああ」
風呂上りの羽純の声に頷いて席を立つ。明日も朝から、忙しくなりそうな予感がした。
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