〜闘神都市V〜 

〜闘神都市V〜
〜そして、それから〜



<闘神ダイジェスト>

「ぱうぱう、闘神ダイジェストのコーナーです。今日は番組宛に送られてきた、応援のお便りを読もうと思いまーす」
「って、読者からのお便りコーナーを始めるんじゃねーよ! それより、試合結果を発表しろ!」
「えー、ファンの声は大事だと思うなぁ。ほら、クリちゃんってアイドルだし」
「自称だろうが! そんな事より、試合結果を発表しろよ」

「はーい、本日は、大会第1日目で4試合が行われました。ちゃちゃっと試合結果を発表しようと思いまーす」

「第1試合は、戦姫さん 対 忍者サワタリさんの試合、戦姫さんが忍者サワタリさんを投げ飛ばして勝利しました。でも、その試合中に、大変な事が!」
「なんだよ、大変な事って?」
「忍者サワタリさんの奥義・爆裂微塵弾で、戦姫さんの衣装は木っ端微塵のポロリ状態! 会場中が大盛り上がりでした」
「な、なにいっ!? くそ、何で俺が観戦していない時に、そういうアクシデントが起こるんだよ、ぶつぶつ………」

「ぶーぶー、切り裂きくんったらむっつりなの。続いての第2試合は、藤宮 友弥くん 対、臥路 義竺さん!」
「合気道の達人と、剣の達人との戦いか」
「ぶー、ちがうの。美少年×イケメンの戦いです!」
「おい」
「試合序盤は受けに回っていた友弥選手。しかし、眼鏡を外してからは荒々しい攻めで臥路選手に襲い掛かります。果たして、臥路選手の運命は?」
「って、攻めとか受けとか、腐った発言してんじゃねぇよ! 結果はどうなったんだ、結果は!?」
「試合の方は、臥路選手が友弥選手の体力切れを狙い、一撃KOでした。やっぱり、持続力って大事なのかも」
「………それは、もういいって」

「第3試合は ブルマ大帝さん 対 室町 桜姫さんの試合、ブルマ大帝さんの、レインボー・ブルマ・ビームが炸裂しての勝利でした。ところで切り裂きくん」
「ん、なんだ?」
「この人って、去年は、ブルマ大公って名前でエントリーしてたよね? なんで名前が変わってるのかな?」
「さぁな。ただ、こいつは4年前は、ブルマ大使という名前で出場していた。大使、大公、大帝………徐々にパワーアップしているという事なんだろう」
「でも、変態なんだけどね。それじゃあ、次の試合ー!」
「人に話を振っといて、それかよ………」

「第4試合は、ミリオ・パタネッタくん 対 火星大王さん。火星大王さんは、お嫁さんを探しに闘神大会に出場した、お空にあるお星様の王様なんだって」
「星の王様って………また変なヤツが出てきたな」
「何でも、美女を集めて故郷の星に帰るのが目的なんだって。クリちゃんも指名されないか、どきどきでした」
「………安心しろ。もしそうなったら、俺が切り裂いておいてやる。それはともかく、試合結果はどうなったんだ?」
「故郷に帰るための空飛ぶ船に乗って出撃した、火星大王さんが、剣の届かない上空から、ミリオくんに向かって攻撃しますが、ミリオくんの攻撃魔法で撃墜されました」
「――――…それはまた、悲惨な結果だな」
「ぱうぱう。 『マーベラス!』が、火星大王さんの最後の言葉だったそうです」

「以上、第一日目の試合結果の発表でしたー。ぱうぱう、クリちゃん説明してて、喉が渇いちゃった。ねえ、クリームソーダ出前していい?」
「駄目だ。というか…今から出前しても、届くのに、どのくらい掛かると思ってるんだよ」
「うー、いいもん。お仕事が終わったら、たくさん飲みに行くんだから。そんなわけで、今日の番組はこれまで………あれ? タレコミ情報?」
「ん、どうした?」
「うん。何でも匿名(超敏腕記者シャリー)さんからのタレコミ情報が、番組に届いたみたい。これって、闘神ナクト様のデート現場の写真だよね?」
「けっ、こちとら大会で忙しいってのに、女をはべらかしているのかよ。いい身分だぜ」

「切り裂きくんの発言は置いといて、ナクト様とデートかぁ、色々と奢ってもらってるみたいだし、クリちゃんもデートに誘ってもらおうかな?」
「………お前の場合、奢ってもらうことの方が重要なのな」
「そんなわけで、今日はこの辺で。明日もまあ、この時間に番組をお送りしまーす」
「見ないと、切り裂く………って、帰り支度を始めるな! クリームソーダの店なら一緒に行ってやるから――――」(ぷつん)



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