〜闘神都市V〜 

〜闘神都市V〜
〜そして、それから〜



<闘神ダイジェスト>

「ぱうぱう、はじめましての人はお久しぶり、久しぶりの人は初めましての、闘神ダイジェストのコーナーでーす」
「って、ちょっとまて、何だ今の挨拶は」
「ん? 最近流行っている挨拶だよ。アッシュ・根性さん著作、ベストセラーの『天才と馬鹿はBONなのだ!』の有名な台詞なんだけど。切り裂きくん、おっくれてる〜」
「………まぁ、いいや。まずは自己紹介だろ、ほら」

「はーい、この番組は、みんなのアイドル、クリちゃんと解説の切り裂きくんの二人で、闘神大会中のできごとをお送りします」
「アイドルって歳でもないだろ………まぁいいや。今日は、開会式が行われたんだよな」
「盛大な開会式では、都市長のナクト様のスピーチのほか、闘神幻一郎様の仮面忍者ショーもあって、会場は大盛り上がりでした」
「まぁ、盛り上がったのは間違いないが………あの仮面忍者は、どう見ても色物だと思うんだが、何故か、女性受けは良かったよな」
「中身がイケメンだから、女の子達にも大好評でしたー。やっぱり、中身って大事だよね」
「いや、それって…言葉の意味が違うと思うんだが」

「また、開会式では厳正なる抽選を行い、一回戦の組み合わせを決定しました。それでは、組み合わせを発表しまーす」


☆大会1日目☆
第1試合    戦姫 VS 忍者サワタリ
第2試合    藤宮 友弥 VS 臥路 義竺
第3試合    ブルマ大帝 VS 室町 桜姫
第4試合    ミリオ・パタネッタ VS 火星大王

☆2日目☆
第1試合    ボーダー・ガロア VS 支倉 ハイネ
第2試合    ディカキス・ド・フック VS ヒューバード・リプトン
第3試合    ドギ・マギ VS アジマフ・ラキ
第4試合    ガーウィン・トローフ VS 山本無頼

☆3日目☆
第1試合    フランチェスカ VS アベルト・セフティ
第2試合    ロイド・グランツ VS 森田 愛
第3試合    ピッテン・チャオ VS ゲンジ・タマゴサンド
第4試合    サーナキア・ドレルシュカフ VS  ナミール・ハムサンド

☆4日目☆
第1試合    まんぼう仮面 VS カツサンド伯爵
第2試合    美杉良太郎 VS シット!マスク
第3試合    丼マン VS フライド・バーガー
第4試合    ハンマー・カーン VS 埴輪物23号


「ふむふむ、トーナメント常連の選手もいれば、新顔の顔もある。これはなかなか、今大会も面白くなりそうだな」
「トトカルチョ会場で大人気! 毎回、いいところで優勝を逃してる、ボーダーさんの名前も、もちろんありまーす」
「それは言ってやるなよ………何にせよ、今回も実力派同士の、白熱した戦いが期待できそうだぜ」
「そうなの? そんじゃ、切り裂きくんのイチオシ選手って、誰なのかな?」
「うーん……そうだな。コイツだけ、っていう選手はいないが、期待できる選手なら何人かいるな」

「まずは戦姫。凛々しい女戦士であり、その体躯から放たれる一撃は、男顔負けだそうだ。次にフランチェスカ。謎の女魔法剣士という触れ込みだが、こいつも要注意だ」
「ふむふむ、他には?」
「着流しの女戦士、森田愛もかなりの腕前だし、そうそう、剣士といえばナミール・ハムサンドだな、4年間の間にどのくらい成長したのか、楽しみ…何だ、その顔は?」
「うー、ぷんぷん、切り裂きくんってば、美人の女の人ばっかり紹介してるんだもん。クリちゃん、つまんない」

「ば、馬鹿言ってるんじゃねえよ、俺はだなぁ」
「そんな切り裂きくんは放っておいて、クリちゃんが注目選手を紹介したいと思いまーす。題して、決勝トーナメント・イケメン特集!」

「まてや、こら」

「まず一人目は、藤宮 友弥くん! 藤宮流合気道の使い手で、甘いマスクの美少年です」
「無視かよ………まぁ、いつもの事だが」
「友弥くんのパートナーは、とっても可愛い凛ちゃん! むむむ、クリちゃんのライバルになりそうな予感!」
「一般人と張り合うんじゃねぇよ。どっちもツルペタなのは確かだがな」

「ぶーぶー、いじめっ子の切り裂きくんは放っておいて、次の選手は臥路 義竺さんでーす」
「おお、戦姫と同じJAPAN出身の剣豪か。かなりの腕前って噂があるな」
「んとね、臥路さんのパートナーの女の人は、雫姫っていうんだけど…この国の女の人って、姫って名の付く人が多いのかな?」
「あー、確かに。トーナメント参加者の中にも室町 桜姫って選手もいたからな。ブームなのかもしれないな」
「なるほどー。んじゃ、クリちゃんもブームに乗っかって名前に姫ってつけてみようかな? クリちゃん姫って」
「クリちゃんまでが名前かよっ!」

「続きましては、謎のイケメン選手、アベルト・セフティさんー! 甘いマスクに、今大会でもTOPクラスの人気なの」
「けっ、上辺に判断してちゃ、大怪我するぜ。感じるぞ、コイツには俺と同様の危険な感じが――――」
「はいはい、切り裂きくんの焼きもちは放っておいて、次に行きまーす」
「焼きもちなんて、焼いてねーよ!」

「つづいては、ロイド・グランツさん。騎士の家柄で、女の子にとっても優しい、いい人です。クリちゃんも飴もらっちゃった」
「…それ、女扱いされてないだけなんじゃないか?」
「ちなみに、数ヶ月前に失恋したばかりで、同年代の彼女募集中だそうです。クリちゃんが立候補してみようかな?」
「やめておけ。幼女に同情されて喜ぶのは、よーいちろーくらいだぞ」

「次の選手は、くま殺しの美少年、フライド・バーガーくん! 必殺技である三十六拳(3ダースパンチ)を引っさげての出場だそうです」
「確かこいつは、カーネルって拳法を使う格闘家らしいな」
「うん。だから必殺技の正確な名前は、カーネル三十六拳(カーネル・3ダースパンチ)って名前らしいの」
「それはまた、各方面から叩かれそうな名前だな………まぁ良い、次行くぞ、次」

「イケメンといえば、この人! お茶の間の奥さんに大人気の、美杉良太郎さまー! とっても耽美なお兄さんです」
「………まぁ、なんだ。ここまで美形だと、腹も立たないな」
「うん、何だか別世界の人間って感じだよね。そこがいいのかな?」
「薔薇の背景が似合う男といえば、4年前にもカリギュラってやつがいたが………そいつよりも曲者の感じがするぞ」

「続いては、超正統派のイケメン騎士、ピッテン・チャオさん! ペランチョ王国の将軍さんだそうです」
「ちょっとまて、パランチョ王国じゃなかったか? いや、プロンチョ王国か?」
「ぱうぱう、そんなことは、どうでもいいの。ピッテンさんのパートナーは、とっても可愛いポロン君! 中性的な女の子です」
「中性的というか………なぁ、コイツってひょっとして男なんじゃー……?」
「ぷぅ、しつれーだよ、切り裂きくん。こんな可愛い子が、女の子のはずないじゃない」
「そ、そうか………あれ、何か変なような?」

「イケメン特集のラストは、ミリオ・パタネッタくん! 勇者の家系で、まだ子供なのに勇者さんなの」
「今回の参加者の最年少選手か………だが、実力は、かなりありそうな気がするな」
「あと5年もすれば、クリちゃんと吊りあうんじゃないかなーと期待してます」
「青田買いかよ!」

「以上、クリちゃんのイケメン特集でしたー。どの選手にも勝ち残ってほしいなー」
「………まぁ、顔の良し悪しはともかく、せっかくトーナメントに勝ち進んだんだ。悔いのない戦いをしてほしいもんだ」
「ぱうぱう、それじゃ、そろそろお別れの時間になりましたー。明日も、この時間に、1回戦の様子をお伝えしようと思いまーす」
「見ないと、切り裂くぞ」



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