〜Fate Hollow Early Days〜
〜☆パーティは準備から〜
遠坂のお願いという事もあり――――イリヤに無理を言って、お城で食事をする計画を立ててから…どのくらい経っただろうか?
色々な苦労や苦難など、紆余曲折はあったものの………いよいよ今日は、待ちに待った当日である。
昼食を終えた後、俺は桜と一緒に洗い物をしながら、今日の夕飯は外で食べてくる事を桜に告げる。事前に話してあった事なので、桜も快く笑顔を見せてくれた。
「分かりました、楽しんできてくださいね、先輩」
「ああ…ありがとう、桜。セイバー達の事、よろしくな」
「はい。………ところで、姉さんはどうしたんでしょうか? お昼には、顔を見せませんでしたけど…何かあったんでしょうか?」
戸惑った様子の桜の言葉どおり、昼食の時間、遠坂は食卓に顔を見せなかった。今日がお城での夕食というのは遠坂も知ってるはずだし、顔くらいは見せると思ったけど。
――――あとで、遠坂の家に様子を見に行くのも良いかもしれないな。また何か、トラブルに巻き込まれている可能性もゼロじゃないんだし。
「とりあえず、あとで連絡を取ってみるよ。毎日昼飯に顔を出すわけでもないし、桜がそんなに心配するような事にはなってないと思うけどな」
「…そうですね。姉さんの事ですから、こうしている間にも、ひょっこりと顔を出すかもしれませんし、私の考えすぎかもしれませんね」
冗談めかした口調で、桜は微笑んだ。なんのかんので、やっぱり遠坂の事は意識しているらしい。
とりあえず、半分ぐらい洗い物を済ませた後で、あとを桜に任せ、俺は家の電話から遠坂の家に電話を掛ける事にした。