〜Fate A Bond of Bluish Purple〜
〜タイガー道場〜
『タイガ』
「はーいっ、みんな元気にしてたかな? 良い子の大きなお友達、タイガー道場の時間ですよ」
『イリヤ』
「――――暑いわ」
『タイガ』
「ど、どうしたのイリヤちゃん。そんな陸に打ち上げられた魚みたいな表情をするなんて」
『イリヤ』
「だって、暑いんだもん。いくらなんでも、部屋の中まで30度を越えるなんて、どうなってるのよ、この国は……」
『タイガ』
「あー……、確かにここ最近の暑さはなんか変よね。地球温暖化の影響かな?」
『イリヤ』
「床張りって、気持ち良いかも」
『タイガ』
「こら、そこ勝手に寝ない。ほら、始めるから立った立った」
閑話休題――――
『タイガ』
「さて、今回のバッドエンドだけど――――今回は、好奇心の深さが招いた結果かな? 君子危うきに近寄らず。無茶なことは控えておきましょう」
『イリヤ』
「えー、でも、選択肢がないけど、どうすれば良いのよ、タイガ」
『タイガ』
「どうにもならないわね。ぶっちゃけ、今回の話はこれでおしまい。ま、ちゃんとした物語が見たいなら、黄金と白銀を読み返してってことで」
『イリヤ』
「……ま、いいけど。あ〜あ、それにしてもシロウが居ないんじゃ、今夜からご飯とかどうしようかしら」
『タイガ』
「その人の価値って、居なくなったときに初めて分かるからね。イリヤちゃんにそう思われれば、士郎も本望でしょ」
『イリヤ』
「その点、タイガは良いわよね。影響少なそうだし」
『タイガ』
「う、痛いとこを……ともかく、今回の授業はここでおしまい。また機会があったら、どこか出会いましょー!」
『イリヤ』
「それじゃーね。私とシロウのラブラブが見たかったら、白銀の騎士編がお勧めよ。よろしくね」
『タイガ&イリヤ』
「じゃ、ばいば〜い」
ぱしゃっとふすまが閉まり――――閉幕。
――――しばらくして、ふすまが開く。そこには、ちまっこい凛と、差し向かいでお茶をすする、三枝由紀香の姿があった。
『由紀香』
「紫紺の絆編はもう少し続きます。興味のある方は、どうか読んでみてくださいね。」
『ちま凛』
「…………じゃ、いってくる」
『由紀香』
「はい…………頑張ってくださいね」
柔らかな微笑で、由紀香は凛を見送る――――そして、今度こそ閉幕する。
そして、閉じた襖の向こう――――珍妙な来客が道場を訪れたのは、そのときであった。
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