召還・シエル
召還・シエル
「……ここは?」
「ようこそ、ママトトヘ!」
<呼び出されてきた、黒法衣姿の少女に、ナナスはにこやかに、事の次第を説明した>
「そうですか、そのようなことが……」
「はい、協力して頂けませんか?」
「そうは言われましても、仕事柄、そうホイホイと力を貸すわけにも、いけませんので……」
ナナスの問いに、少女は困ったように首をかしげる。
「そうですか、お呼びしてすみません。すぐに、元の世界に戻しますから……」
少女の頑なな様子に、ナナスは少々残念そうだったが、少女をもとの世界に戻す準備を始めた。
「ナッナスく〜ん、ご飯できたよ!」
と、ナナスの幼馴染であるラミカが、山盛りの料理をもって部屋に入ってきた。
「じゃじゃ〜ん、今日は、ラミカ特製の、カレーよ☆」
「あ、うん、ありがとう。相変わらず、すごい量だね……」
(カレー!?)
カレーの単語に、少女の目が怪しげに光ったが、ナナスたちは気づいていない。
「ナナス君のために作ったのよ、さ、食べて食べて☆」
「うん。あ、そうだ、あなたもどうですか?」
「え、いいんですか?」
「はい、かなりの量があるし、いいよね、ラミカ」
「ん〜、ナナス君が言うなら……」
そういうと、ラミカは予備のお皿に、カレーをより分けて、少女に差し出した。
「で、では……」
少女は、ごくりっ、と喉を鳴らすと、恐る恐る口に運ぶ。
「こっ、これはっ!?」
言うなり、少女はすごい勢いでカレーを食べ始めた。
「おかわりっ!」
「へ?」
一瞬で、カレーを平らげた少女に、唖然とするナナスとラミカ、しかし。
「お・か・わ・りっ!!」
『は、はいっ!』
少女の剣幕に、新しいカレーをよそって差し出すのだった。
<・・・・・・・・・・・・・・・>
「ふぅ、ご馳走様でした」
「す、すごい……」
「一人で全部、食べちゃうなんて……」
<とんでもない量のカレーを、全て食べ終わった少女は、一息つくと、コホン、と改まってナナスのほうを向いた>
「あの……やっぱり、お手伝いさせていただきます」
「え……いいんですか?」
「はい、この世界のカレーに、とっても興味がありますから」
「は、はぁ……」
「私はシエル。埋葬期間の第七位の実力、お見せしますよ」
そういうと、少女は静かなほどに笑みを浮かべる。
それは、数々の修羅場をくぐってきた実力者の笑みだった。
「あ、それと、先ほどのカレーのレシピ、頂きたいんですが」
……が、やっぱり彼女は、ただのカレー好きかもしれない。
シエル 体力18/18
攻撃 12 命中10 クリティカル7% 反撃 7%
防御 8 回避10 吹っ飛ばし 7% 回復 7
魔法 0 移動 4 効果拡大 7% 素質 7
魔抵 15 射程 7 再行動 7% コスト 7
特殊スキル・黒鍵(射程無制限)
必殺技・第七聖典
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