☆ 答 28 ☆

B
・豪華さで知れわたった「関の山」

三重県鈴鹿郡にある関町は、今は関西本線の特急停車駅、江戸時代には東海道の宿場として栄えた町。三河と大阪の間にあって鈴鹿の関に近く、伊勢志摩にも通じているという地の利のせいか、旅籠(ハタゴ)の数は五十五軒、女郎屋は三十五軒という規模でした。

関町の八坂神社では毎年七月に祭りが行われ、贅(ゼイ)を尽くした絢爛(ケンラン)豪華な山車が練り歩きました。山車は関西では「やま」というので、関町の山車は「関の山」といいます。「関の山」はその豪華さで有名になり、いつの間にか「これ以上はないほどみごと」という意味のたとえに使われるようになりました。

これで精一杯、できたとしてもこれが限度、という意味に変わったのも早い時期のようで、『東海道中膝栗毛(ヒザクリゲ)』や『浮世風呂』にも、現在と同じような使い方が見られます。『浮世風呂』では、「成田さまへの旅ぐれへが関の山」などと相手をからかったりしています。

関の八坂神社の祭礼は、現在、七月一五日と一六日の二日にわたって行われています。四台の山車が練り歩く、盛大なお祭りです。



戻る
言葉クイズ
時の扉>>

@tobira