☆ 答 23 ☆

A
・朱印状より権威のあった「御墨付」

「御墨付」とは、主君の「花押(カオウ)」という署名が入った文書のこと。配下の者が手柄を立て、石高を上げるときや領地を変えるときなどに発行したのが始まりです。領主直筆の署名は黒々と大きく、そこから「御墨付」と呼ばれるようになったのです。江戸時代に入ってからは「御墨付」といえば将軍の出したものに限られていましたが、その権威はそうとうに大きくなっていて、朱印状よりも大切にされていたそうです。

また、当人だけが書くことのできる「花押」は、草書体を更に崩したようなスタイルのもの。花押そのものの歴史は古く、平安時代中期の草書に始まり、平安末期には名前の二文字のへんとつくりを組み合わせたり、鎌倉時代には名と関係のない字や略字なども登場したりと、変化を遂げてきました。「御墨付」の登場した安土桃山時代には、二本の線を天地に引き、その間に線画を書くのが流行したそうです。美的感覚が要求された、とても凝った花押がこの時代のものだったのです。

しかし、戦乱のどさくさを経て江戸時代になるとすっかり形式化し、木判で押すようになってしまいました。そしてこれが正式文書にはんこをつく習慣へと変わっていったのでした。



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