☆ 答 21 ☆
B・「株仲間」と「冥加金」を覚えてる?
「株仲間」というのを覚えているでしょうか。古くは江戸時代初期、商人の統制のため制定したことに始まり、「享保の改革」で問屋商人を特権化した、同業者の組合のようなものとなったものです。株仲間から取り立てる冥加金は幕府の重要な財源になったため、田沼意次の時代には、公認される業種や組合数も一段と増えました。「お株を奪う」「株が上がる」と言われだしたのも、おそらくその頃と思われます。
株仲間の株とは、今の言葉で言えば、市場独占などの営業上の特権のこと。株仲間に所属する商人の数は制限され、特定の業者だけが地位と利益を握ることとなりました。売買は認められていましたが、一度仲間外れにされた者が株を買い取ることは、実際には容易ではなかったようです。そこから株の意味が広がって、特権や地位、独占できる固有のものや技術をもいうようになり、得意技を奪う、個人の評価が上がる、といった意味の慣用句が生まれたのでした。
なお江戸時代には、商人の特権ばかりでなく、家名や跡目などの譲渡できる名称をも株と呼んだのです。今でも、相撲の年寄り株はこの流れをくんでいるのです。
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