☆ 答 17 ☆

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引出物-A

・馬の引出物とは、さすがぜいたくな平安貴族

「土産」の語源を知るには、四世紀頃の大和朝廷の時代までさかのぼらなければなりません。当時、支配下の各地にあった穀類の倉庫を「屯倉(ミヤケ)」と呼んでいました。これがやがて朝廷の直轄領を言う意味に転じ、「官家」「屯家」「屯宅」「三宅」などと書くようになりました。「屯倉」では田地や農民集団を直接管理したり税を課したりして、朝廷の経済の基盤にしていました。税は米のほかに地元の特産物、つまり「土地の名産」を「みやけ」から差し出しました。それがいつの間にか一緒になって、「みやけ」の音と「土産」の表記ができたのです。もらってうれしいおみやげが、実は、古代では取り立てられて悲しい税だったのです。

一方、引出物の歴史は、平安時代に始まります。祝儀や饗宴の終わりに、主催者から来客に馬を贈ったのがルーツです。馬は客の帰途に役立てて欲しいという意味で、宴の締めくくりに、庭へ「引き出し」てきたのでした。平安末期から鎌倉時代初期には、馬の代わりに「馬代(ウマシロ)」として、武具や装束、金銀などが贈られました。室町時代には、客から主人への進物も「引出物」と称していました。かつお節などを宴に添えて持ち帰れるようにしたのは、その後の時代のことです。



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