☆ 答 10 ☆
ところてん・漢字で書くと「心太」
言いやすいように言葉の音が変わっていくことを「転訛」(てんか)と言いますが、ところてんは、転訛を何度も重ねてこうなった言葉なのです。
中国生まれのところてんが日本で作られるようになったのは、平安時代のこと。当時の呼び方は「こもるは」でした。漢字の表記は「古毛留波」というのが書物の見られます。
そのうち、「こもるは」が転訛した「こころぶと」が俗称となりました。こちらも初めは、音に漢字を一文字ずつ当てただけの「古々呂布止」と書いていたようですが、やがて「心太」の表記も登場してきます。この字が後々まで使われることとなるのです。
さて「心太」が世間に広まると、今度はこれを「こころたい」と読む者が現れ、いつの間にやらこっちの方が一般的になってしまいました。
更に「こころたい」は「こころてい」に転訛し、これもまた「こころてん」に転訛してしまいます。そしてついに、江戸時代の初期には「ところてん」と言うようになったのでした。
現在は、ところてんと言えば、たいていの場合ひらがなかカタカナで書きますが、漢字で書けば今でも「心太」。読みは変わっても、字はそのまま残ったというわけなのです。
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