☆ 答 6 ☆
A・中国の官名〜薬〜和菓子が「ういろう」の歴史
歌舞伎に詳しい人はご存知でしょうが、ういろうは漢字で「外郎」と書き、もともと漢方薬の一種を指していました。「外郎売」という演目では、薬売りをまねて効能を述べたりすることから、初演の1718年当時には、町で広く売られていた薬だったとわかります。
菓子のういろうは、この薬の一つの透頂香(トンチンコウ)に形や色が似ていたことからこの名前がつきました。初めは「外郎餅」の名で売り出されましたが、いつの間にか単なる「ういろう」になってしまいました。
さて、外郎の語源をもっとさかのぼると、中国は元の時代に突き当たります。薬や祭祀などを司る礼部(レイブ)という官庁の、定員外の職人を「外郎」と呼んだのです。それが日本で薬の名になったわけは、もと外郎だった陳宗敬という人が室町時代に博多に定住、「外郎」を家来にし、外郎薬を作ったからでした。
ちなみに、「外」を「うい」と読むのは日本の漢字学で「唐音」と言い、宗〜清の時代の発音にならったものです。日本の漢字の音読みは、ほとんどが漢や呉の時代の発音に従っているので、「ういろう」は一風変わった響きに聞こえるのです。
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