☆ 答 5 ☆

B
・白い化粧は異様だった奈良時代

奈良時代の美人の条件といえば、肌が赤みがかった色であること。庶民だけでなく貴族でも、平安時代のそれとは異なり、ずっと健康的でした。また、化粧をする習慣もなく、女達は素顔で出歩いていました。男とほとんど対等の労働力だった時代、女が異性に媚を売るために化粧をする必要などなかったのでしょう。

だから、今でいうおしろいのようなものが中国から入ってきた時にも、飛びついた人は少なかったのです。それどころか、白く化粧した顔を「面白い」と異様な目で見ていたのです。この時代のほとんどの人にとって、白い顔は死人の顔みたいだったからです。当時の感覚で言うと、わざわざ死人の真似をするなんて…という所でしょうか。

そんな風に初めは異様な様子を言った「面白い」ですが、平安時代には興味深い、趣が深い、眺めて楽しい、というような意味で、主に風景や音楽に関して使われました。何しろ平安貴族の美人は、裾を引く長い髪に色白の顔。薄暗い宮中に偏食でむくんだ顔がほの白く浮かぶ様は、今想像すれば十分に不気味ですが、当時は美しいとされていたのです。「面白い」が、もとの意味を離れて心地良い感覚に通じるようになったのも、当然といえば当然のことだったのです。。



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