☆ 答 2 ☆
@・「とぎきき」だから「おとぎ話」
「伽」は「説聞(とぎきき)」の略とされています。意味は、話の相手をすること。そこから広がって、機嫌を取ること、慰めること、看病すること、寝床にはべること、などとも言うようになりました。お伽衆は、この中で元来の意味に最も近いものです。
室町時代後期に現れたお伽衆は、経験豊かな古老が務め、殿に仕えて合戦の逸話などを語りました。これが「おとぎ話」です。お伽衆の有名な所では豊臣秀吉の家臣、曾呂利新左衛門(そろりしんざえもん)。話術だけでなく、茶の湯や和歌、狂歌の才能もあったと伝えられています。実在の人物だったかどうか疑問視されてもいますが、伝説にまでなったことから、この職の重要さがよくわかります。
しかし、戦乱の世が終わるとお伽衆の出番は減り、話の内容も娯楽の要素が濃いものになっていきます。その流れは、幇間(ほうかん)、講談師、落語家などに受け継がれていったと言われています。
ところで、室町〜江戸時代初期文学の一分野に御伽草子というのがありますが、これは絵を添えていた空想的・通俗的な短編小説で、「一寸法師」「鉢かつぎ」などはその代表です。でもこれは、お伽衆が話した本来のおとぎ話とは関係なく、江戸時代に大阪の本屋、渋川清右衛門が『御伽草子』と名づけて売り出したものだったのです。
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