心のメカニズム 11

もちろん、こうした集団心理の働きによる現象は、何も不良グループに限ったことではなく、人が集まる所ならどこにでも見られるもの。サッカー競技場で起こるファンの暴動にも集団心理の影響がありますし、教育現場で問題になっているいじめもその一つ。

また、最近では30近くになっても大人の社会に溶け込めなかったり、その時だけの「行き当たりバッタリ」式の行き方をする人たちも増えています。

このような傾向を「モラトリアム人間」と呼んでいます。「モラトリアム」と言うのはもともと経済用語で、「支払猶予期間」の意味。心理学者のエリクソンは、肉体的や知識という点では、確かに一人前の大人のように成長しているものの、社会人としてはまだ人に頼る「青年」のままでい続ける状態を「モラトリアム人間」と呼んだのです。

不況がまだまだ深刻になり、世の中がもっと不安定になれば、ますますこのような「モラトリアム人間」が増えてきそうですね。



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@tobira