心のメカニズム 9
二重人格、あるいは多重人格をつくる原因の一つとして考えられるのは、人間は「見せたい自分」と「見せたくない自分」を持っているということです。誰でも自分のイヤな部分は隠したいし、人に良く見られたいという態度をとるのも当然のことと言えます。
人格を意味する言葉であるパーゾナリティの語源は、ラテン語のペルソナ(仮面)。人格とは仮面のようなもので人間の一番表面の部分にすぎず、仮面の下にはまた別の顔があるというわけです。私たちは、良く知っている人の前ではありのままの姿でいることができますが、知らない人の前では自分をカムフラージュしてしまうことが多くなります。
つまり、二重人格とは、抑圧された仮面の下の自分が、一つの人格として表面にあらわれる現象で、その意味では誰でも二重人格になる可能性を持っているということができるでしょう。
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