寺だより

はすのはな第52号

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新緑

心地よい爽やかな春風と共に、緑豊かな新緑の季節を迎えました。  今、本堂前右手の大きなどうだんつつじ(写真上)も鮮やかな緑一色となり、訪れるご信徒皆様の気持ちを癒されている事と思います。

さて、中段の写真の花を見かけた事は有りますか? 樒(しきみ)という植物の花です。神道では榊(さかき)が使用されますが、対して仏教ではこの樒が使用される事が数多くあります。街の中ではあまり見かける事はありませんが、神社仏閣の境内には必ずと言っていいほど植えられているものです。樒は大きい木は高さ10m位に成長し、3月から4月にかけ、写真の様な花を咲かせます。

四季を通し美しい緑を保つため(四季見・四季美)とも呼ばれた様ですが、毒があるので、(悪しき実)を略して呼ばれたとも言われます。又お線香の原料としても使用され、別名、香の木(こうのき)という名前で呼ばれる事もあり、独特な匂いを醸し出します。特有な香りと毒をもつ樒は「邪気を払う」「故人を悪霊から守る」という考えから、現 在も真言宗では本尊前の壇上には、日常から下段の写真の様に六器という佛器が置かれており、朝夕の勤行、或いは法要、葬儀の式台に用いる事があります。

 本山をはじめ、各大本山、或いは多くの参詣者が訪れる様な寺院に於いては、常に一日何度となく写真の様な荘厳を繰り返し行われています。

現代に於いても、これから先も続く仏教に於いても、樒は不可欠な植物であると思います。当山にも数本の樒の木がありますが、大切に保存していきたいと思います。

追伸、現在NHKの朝ドラでの影響を受け紙面を植物の話題で埋めた訳ではなく、偶然境内散策で、樒の開花を見つけた為ですので、お目通し頂ければ嬉しく思います。

生命の息吹が盛んな今が一年で最も過ごしやすい季節かも知れません。檀信徒の皆様には、くれぐれもお健やかに日々お過ごしくださいます様ご祈念申し上げます。

(住職)

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花まつり

2月の節分会は二転三転悩んだ結果中止、同日の大護摩法要は小規模で厳修となかなか例年通りの行事が難しかったですが、ついに4月8日の花まつりは4年ぶりに開催する事が出来ました。当日は雨が心配され、室内を含んで開催しましたが、お天気も味方してくれ、終了時間まで天気に恵まれました。そのお陰もあり、大変多くの方が来て下さり、用意していたお茶菓子などはすぐに無くなってしまいました。推定300名程の方が足を運んで下さり復活に相応しい盛り上がりを見せてくれました。例年お世話になっているお茶会の方々に野点をして頂き、私も一服頂きましたが、お抹茶のイメージが変わるくらい甘くて美味しいお抹茶を提供してくださいました。又久末でイチゴ農場をされているSTRAWBERRY FARM Sun様のご協力で甘くて美味しいイチゴを販売して頂きました。おにぎりや焼きそばといった軽食販売、フリーマーケットの開催も致しました。お子様達はゲームをしたり、綿菓子を食べたりして楽しんで頂きました。

お釈迦様のご誕生された日と言われる花まつりですが、こちらはお釈迦様がお生まれになって直ぐ七歩歩き、右人差し指を天に指し、左人差し指を地に向け「天上天下唯我独尊」と言われた時のお姿を表しています。【天上天下唯我独尊】とは普段、自分だけが偉い、ひとりよがりのような使われ方をしますが、そのお言葉が言われる本来の意味は、私達の命は皆平等で皆尊い。身分や年齢、人種など関係ない。生まれながらにその存在が尊く、誰しもが目的を果たす為に生まれてきたのだという意味です。世界でもお釈迦様のこのお姿を知って平和になってほしいです。私自身もつい人と比べたり、甲乙をつけてしまうので普段からお釈迦様のお姿を思い出し、心を穏やかにしたいと思いました。

今回を機に年中行事も行っていく予定でおります。今年は弘法大師空海御生誕1250年なので、6月15日の降誕会にも是非多くの方にご来山頂きたいです。

(盛花)

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御詠歌

御詠歌は仏教の教えを五・七・五・七・七の和歌に旋律をつけてお唱えします。哀調ある節回しで巡礼や葬儀などをはじめ、様々なところでお唱えされています。

私も修行中、京都の本山で習いましたが、鈴と鉦と共にお唱えするのは簡単ではありませんでした。法要の前など檀信徒の方々がお唱えされている事がありますが、皆様上手で読経前に心が落ち着きます。

私も葬儀や法事の際に御詠歌をお唱えしたいと思い、苦手意識を克服したく御詠歌を習い始めました。しかしながらやはり私にはセンスがないのか、先生も頭を抱えるほど。いつか皆様とご一緒にお唱えしたり、巡礼でお唱えしたり、葬儀等で故人様をお偲び出来るように研鑽したいです。

(盛花)

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住職第二句目

花吹雪赤い帽子の地蔵尊

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