寺だより

はすのはな第45号

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新年明けましておめでとうございます
本年も宜しく御願い致します

昨年は、コロナ元年とも謂うべき一年間でしたが、今年は、そのワクチン元年となり、安心な日常生活を取り戻せる明るい年でありますよう、心より願うばかりでございます。
年頭に当たりコロナ問題を取り上げたご挨拶は申し上げにくのですが、お許し下さい。

昨年来、【アマビエ】という言葉を幾度も聞かれた事と思います。一七五年前、江戸時代後期の弘化三年四月、熊本県に起きた妖怪伝説から引用された様で、病魔除け(コロナ)の妖怪の姿お守りが話題となりました。

さて、当山には同様のお姿はございませんが二枚の版木が残されております。いつ頃から民衆にお授けされたのか判りませんが、病魔除け、又病気恢復の為に刷られた版木と思われます。

川崎大師では十年目毎にご本尊の御開帳と併せ、南無阿弥陀仏と朱文字で六文字が縦書きに刷られた『赤札』という御守をお授け致しております。その『赤札』は、大病などを患ったときに、一番下の「佛」の文字より一文字づつ、ちぎりながら飲み込み病気平癒を願う身代わり御守として余りにも有名です。

当山のその版木には、本尊十一面観世音菩薩のご真言(オンマカキャロニキャソワカ)と梵字で書かれておりました。

その御利益の説明書きには、
『此の霊符は真言ひみつの法に依り丹精をこらし祈念じたるものゆへ手を洗ひ口をそそぎよく信心して、十一面観世音菩薩ご真言 オンマカキャロニキャソワカ 七返となへ一字ヅゝ切りぬき水初穂にて病人にいたゞか志むべし 但し醫藥は必す廃すべからず』と版木に彫られております。

二月三日に奉修してお授けしております、毘沙門天のお姿の紙札は、手摺りした経験がありますが、この版木はこの度、コロナという病魔に機縁し、初めて手摺りしました。ご家族皆様のご健勝を懇願申し上げ、お正月期間弐百枚限定(一枚金伍百円也)で授与致したく存じますので、ご希望の方はお声掛け下さい。

令和三年が檀信徒皆様方にとって、良き思い出を沢山残せます様ご祈念申し上げます。

(住職)

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銀杏(ぎんなん)

境内に4本の銀杏(いちょう)の木が在りますが、そのうち保存樹木でもある1本の大きな木の下に毎年沢山の銀杏の実が落ちています。 ご存知の方も多いと思いますが、銀杏の木には雄と雌の区別があります。見分け方は木の枝が下がっているのが雌、上に真っすぐ伸びているのが雄だそうです。繁殖力が強く、数百本の雌の木に対して1本の雄の木が在れば、実を実らせることが出来るそうです。仮に全部の木が雄だったら、自分で性転換をして、半分くらいの本数が雌の木になるというのですから驚きです。臭いがきつく、苦手な人も多いかもしれませんが、私は銀杏の臭いで秋を感じられ、どこか心地よく感じます。 先日採れた銀杏の果肉を1つずつ取り、洗って、天日干しをして頂いたらとても美味しかったです。昨年は豊作だったのか2千個くらい採れました。いつか皆様にもお分けできる機会があればいいなと思います。

(盛花)

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リアルの大切さ

先日、仏教青年会で初めてテレビ電話を用いた講習会に参加しました。講義内容は「今後のお寺の在り方について」でした。普段は講師の先生の話を聞くだけでしたが、このシステムを使うと随時講義の途中で全国にいる僧侶方と瞬時にグループに分かれて討論が出来、移動時間の割愛のみならず、オンラインの便利さを痛感しました。 ニュースで、海外旅行、みかん狩り、前もって材料が送られてきて作り方を職人から学べる和菓子作り等もテレビ電話で出来る事を知り、ビックリしました。 しかしながら、その講義で将来寺に何を残していくべきかという議題の時に、私は例え法事や葬儀をテレビ電話等で簡単に配信することができても実際にその場へ足を運び、その場の雰囲気を肌で感じてこそ心に届くものがあるのではないかと発言しました。僧侶が行う法儀によって故人を仏の世界と向き合う大切な儀式をテレビ電話で終わりにしてしまうのはどこか寂しいです。 コロナによって現地でなくても出来ることが多いと知れたと同時に、敢えてリアルが求められる事もあるのではないかと思いました。

(盛花)

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えッ あと九年

昨年十二月に突然、二○三○年からガソリン車の販売が無くなるという報道を聞きました。『えッ あと九年』で電気自動車社会が来るのかと思いました。(すでに数年前から始まってはいますが)地球温暖化対策から考えますと、もっと早くしなくてはいけないのかとも思いますが、自動車産業界の競争も鎬を削る事でしょう。静かな電気自動車が増えれば交通事故も、多発するのでは無いかと余計な心配をしたりしてます。その頃、私が生きているとすれば、運転免許証は返上し、両耳に高精度の補聴器を入れ、手を上げながら横断歩道を渡っている事でしょう。

(住職)

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