寺だより

はすのはな第33号  -平成29年年始号-

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新年明けましておめでとうございます
本年も宜しく御願い致します


当山十二支 酉

年頭によせて

今年は『酉』年です。境内十二支の標語には「立つ鳥あとを濁さず」と書かれています。
人も立ち去る時は、見苦しくしないようにしておくべきである、という喩えの様です。

日本において昨年は、都知事の去就で揉めに揉めましたが、後味の悪い結果に収まりました。米国におきましては大統領選、韓国におきましては、大統領弾劾問題などが大きな話題となりましたが、新しくその職に就任する者、退く者、何れにせよこの諺が当て嵌まる様な気がいたします。

当山におきましては、本年が十二年に一度の、延命地蔵菩薩御開帳の年でもございますので、多くの方にご参詣頂きながら、あとを濁さず魔事無く御閉帳できればと願っております。
御開帳の御案内は改めて、お通知いたします。

本年も、諸仏諸尊の御加護のもと、皆様には新たな菩提心を起こして頂き、ご健勝にてご活躍下さいますようご祈念申し上げます。

(住職)

自然災害対策

「記録的短時間大雨情報」と云う言葉を近年度々聞くことが有ります。

記録的短時間大雨情報とは、大雨警報発表中に数年に一回程度しか起こらないような一時間に百ミリ前後の猛烈な雨が観測された場合に気象台から発表される情報の様ですが、現在この予測もできない自然災害に度々日本の各地が襲われています。

この様な事を想定し、災害対策として寺の近くにある矢上川では、平成二十六年から三年間かけ矢上川地下調整池工事が行われてきました。一日に約三百台にも及ぶミキサー車で生コンを流し込む作業を度重ね、漸くこの程完成間近となりました。この川の上流においても同様の工事が行われており、其の両方を結ぶ四キロメートルのトンネル延長工事はこれから行われる予定で、目的の効果が現実となるのは、未だ数年先の様です。

蓮花会だより

蓮花会では、十一月に一泊二日で、富山県を訪ねました。羽田空港から一時間で富山空港に着き、バスで合掌造りの郷、白川郷に向かい、ゆっくりと秋を満喫しながら散策をしました。

翌日は、金沢市街にある水引のワークショップに入り、実際に一人一人が手作りでストラップを作りました。婚礼などで使われるご祝儀袋の見事な鶴や亀の水引を拝見し、日本の伝統文化の素晴らしさに感嘆しきりでした。

帰途は、初めて北陸新幹線に乗りながら、無事楽しく我が家に戻りました。

写真左・白川郷で記念撮影/写真右・記念に購入したストラップ

今年は誰かな?

昨秋、織田裕二さんが、撮影の為訪れました。振り返ってみますと、三十数年前に真理アンヌさんが見えられてから、たけし軍団さん、おぎやはぎさん、城島茂さん、国分太一さん、芦田愛菜さん、豊川悦司さん、玉木宏さん、土屋太鳳さん、ディーン・フジオカさんなど多くの俳優さんが来られました。

俳優の皆さんは、忍者の如く去ってしまいますので、握手や一言の会話もありません。分刻みのスケジュールでロケ地を回るようなので、楽な仕事では無いようです。今年は又、どなたとご縁をいただけるのかなと楽しみにしています。

身近な仏教語

あ・うん『阿吽』

神社の狛犬や、寺院の仁王像はそれぞれアとウンを発し、さらに向拝の獅子もこの二つの音を象っている。これはアによってものの最初を示し、ウンによって究極を表そうとしたもので、この二つによってすべてのものの完結をあらわしたものとみられる。密教の教理においては、アはものの発する理の本体で、ウンはものの帰着する智の当体ということになっている。

(金岡秀友氏より参照)

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「お大師様のことば」をシリーズとして掲載してまいりましたが、本年よりわかり易い身近な仏教語をシリーズとして、お読みいただければと思い、転換掲載致しました。よろしくお願いいたします。

雑感

一昔の日本人の平均寿命は五十歳でしたが、今や、女性は八十五歳を超え世界一となり、行年も九十代の方は珍しく無くなりました。という話を檀信徒の方にすることが有ります。然しながら、其の裏で、老老介護という現実問題も隠されているのも確かな事です。昨年末の報道によれば、高齢者介護を巡る家族間の殺人や心中などの事件等で、ここ三年間で少なくとも百八十九人の方が悲劇に至っているとされてます。

誰もが、楽しみながら健康長寿を願うものの、そう叶うものではありませんが、これからもこうした悲劇が増加していくとなれば、人生の幸福論を再考する方も多くなるのではないでしょうか。肉体の老化と介護医療のバランスは、幸福感に比例すると良いのですが。

何があっても、悲劇を作らずポジティブにしっかり生きていきましょう。きっと各々の人生観の答えが見い出せるかもしれません。