寺だより

はすのはな第20号  -平成24年秋季号-

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十一面観世音菩薩

当山ご本尊十一面観世音菩薩は、秘仏の本尊として宮殿の中より、檀信徒の皆様をお守りし、そのお姿を現す事はありませんでしたが、昨年の開創六百年祭の砌、多分、蓮花寺開創来初めて、宮殿を開帳し皆様とお会いいたしました。

日本の仏像の中で最も親しみがあり数多くお祀りされているのが、観音様、正式には観自在菩薩『聖観自在菩薩』であり、その化身として十一面観世音菩薩、千手観世音菩薩など後に多種の観音様が誕生いたしました。当山ご本尊の十一面観世音菩薩は、全高八寸程ですが、台座の蓮台なども、殊の外丁寧に造られており、御像の彩色も鮮やかに残っていました。

このお姿が、再び皆様の眼前に現れるのは、いつになるか全く分りませんが、これからも日々、宮殿の中より衆生済度の為お守り下さることでしょう。

現在、宮殿前に奉安いたしております十一面観世音菩薩様は、本年住職在籍三十周年を記念し、縁ある仏師により造立したものでございます。御前立本尊として永く後世に遺されていくものと信じております。

時期尚早のお知らせとは存じますが、平成26年は、稲毛三十三観音霊場のご開帳年でございます。又、その折には、ご案内申し上げますので、是非ご巡拝下さいます様お願いいたします。

花火

夏の風物詩と云えば、盆踊り・花火があります。昨年は町内会の花火も、東日本大震災の関係により自粛されましたが、本年は、再びお盆の行事として蓮花寺の高台にある久末小学校校庭で開催されました。

例年盆踊りに併せて、地域有志の協賛により様々なお祝いを記念して花火が打ち上げられます。昨年当山は開創六百年を迎え、その記念にと思っていましたが、中止となりましたので、本年スターマインという花火を提供させていただきました。夏の夜空に綺麗な華を咲かせました。

住職独り言

梅雨の時期が過ぎ、暑い夏の季節がやって来ると、私の一番嫌いな生き物に遭遇致します。 それは『ムカデ』です。朝、布団をたたもうとすると、布団の下から、或いは、タンスの横から這い出してきます。すぐさま殺虫剤を探して、吹きかけそのあと割り箸で掴み外に出しますが、いつの間にか手足など刺され、赤く腫れて大変痒くなります。

いくら毘沙門天のお使いとはいえ、どうして、私の部屋にだけ来るのか不思議で、「何の御用ですか?」と云いたくなります。

お盆に藤?

例年8月6日・9日は原爆記念日、15日は終戦記念日で被災者追悼の為、梵鐘を鳴らしていますが、広島原爆記念日に鐘楼堂脇の藤をふと見ますと、季節外れにぱらぱらと咲いていました。

今年は気候の変化で狂い咲きしたのかなと思っているうち、15日の終戦記念日にはご覧の通り、6月よりも見事に咲き揃いました。

お大師様のことば

【つねに自性を見るものは、すなわち常に仏を見る】

つねに、すべての本質を見極める人は、仏を見ることができる。

シリーズ⑧生きる力「お大師さまのことば」より

平成二十四年度 蓮花寺役員紹介

新任 名誉総代 森安男
新任 檀徒総代長 森正一
  檀徒総代 鈴木 健之
新任 檀徒総代 森國雄
  世話人 森清一
  世話人 鈴木 憲一
  世話人 森千代
  世話人 森秋野
  世話人 森育三
新任 世話人 下山 忠一 
    (敬称略)

宜しくお願い致します。
永年お勤め下さいました名誉総代、森 學様は3月末日任期満了に伴い、ご退任されました。
在任中のご功績に対し衷心よりお礼申し上げます。

樹木葬

檀徒の皆様も何度か『樹木葬』という言葉を耳にされた事があることと思います。

先日、東京都では、この樹木葬の募集をしたところ、16倍の応募が有ったそうです。

日本に於ける最大のお墓は、横200メートル、縦300メートルという大きさの仁徳陵古墳です。樹木葬と謂われるお墓は2,30センチ角の広さに円筒状の納骨管を入れ埋葬する形式です。古墳時代から、樹木葬時代までの変遷は、恐ろしく想像を超えるものだと、昨今つくづく感じています。

小高い山に安住の地として、蓮花寺墓所はございますが、幾百年後の姿はどう変わっていくのでしょうか? 又輪廻転生という言葉も、風化されてしまう時代がやってくるのでしょうか?

ともあれ、人の死後、供養が置き去りにされる世の中に為ってしまうことだけは、回避したいものだと思います。