寺だより

はすのはな第16号  -平成23年春季号-

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山門起工式奉修

去る1月18日の初観音の吉日、山門起工式を開創六百年祭奉修委員の役員皆様のご参列を頂き厳かに奉修致しました。 2月中旬現在、御陰様で順調に基礎工事作業を進めております。又、2月3日には年中行事の節分会毘沙門天大護摩供と豆まき式が22名の年男年女の皆様と盛大に執り行われました。

翌日の立春には、山門建立地と仙台八重紅枝垂桜の間に、新たに相輪塔がご篤信の方の寄進により建立されました。 相輪は別名九輪とも言い五智如来と四菩薩を意味しています。金色に輝く相輪塔はその上にある鐘楼堂とも似合い新しい素敵な景観を生みました。ご来山の折には是非一度P3駐車場よりその景観を臨んで下さい。

(住職)

檀信徒研修会に参加して

蓮花寺檀徒 木内 秀雄

毎回送って頂いてます「生きる力」の裏面に、「お釈迦様の生涯と教え」を中心の檀信徒研修会参加募集が目に止まり、1泊2日の総本山智積院で、しかも宿泊・食事、参加費が無料に魅かれ、ご住職に電話でお問い合わせを致しましたら、喜んでお引き受け頂きました。

「生きる力」で得る程度の知識で参加する資格があるのだろうか? 後悔先に立たずの不安が押し寄せてきましたが、秋の紅葉、お寺巡り、智積院の名勝庭園や国宝の障壁画、そして大師様のご尊像拝観を楽しもうと踏ん切りがつきました。初日の当日は12時から総本山の右手奥にある宗務庁入り口で受付があり、若々しい修行僧侶、僧尼と事務の方々と接して、気持ちが楽になり安心しました。案内された宿泊所は、30畳以上もあり、12名程で寝起きします。大体が同地区ごとに分けられ今回は13回目で、年々希望者が増えて145名の研修者が全国から参集しました。配布されました研修会資料には、全員の氏名、寺院名、教区等が記してあり、関東上信越地区の方々が7割以上のようで、神奈川県からは3名でした。

研修所は大小の教室があり、畳ではなく机と椅子で行います。内容は毎年少しずつ変えて宗務庁所属の僧侶の方々から、お釈迦さま、お大師さま、興教大師さまの教え、真言宗智山派の説明やお経、勤行の正しい意味、読み方について解説して頂き、理解できないこともありましたが、翌日の朝勤行に大変役立って、又、今後の各法要に出席しても少しは理解することもありそうです。期待してましたお釈迦さまの生涯と教えは、今回、御詠歌をおり込みながら解かり易い説明で、これからは「生きる力」の記事を読むのがますます楽しみになりそうです。但し時間が限られてもう少し余裕があったらと思われます。

意外で大変印象に残ったことは、初日の最後は、僧侶の方1名と参加者5~7名に分かれて意見交換会を行います。与えられたテーマは大変難しいのですが、僧侶の方が「生と死」について身内の方や自分の体験を思っていることを雑談的に話し合うようご指導を受け、皆さん誰も同様な苦悩を持っていることが解り2日間にわたって寝食を共にする智山派の仲間と語り合って有意義な一時でした。待望の夕食は頂く前と後に仏教の教えによる言葉を全員でお唱えし食物を得られること、感謝する気持ちを心に刻んでいただきます。朝夕食ともに智積院の方々が頂くものと同じ食事が用意されます。初日の日程が終えて入浴後は、22時の消灯まで各自資料を読んだり、宗教のこと、各々の寺院のこと等を雑談しながら明早朝に備えて眠りにつきます。

2日目は、5時半起床で総本山の1日が始まります。朝勤行は阿部管長以下全僧侶と研修者全員が本堂に集まり、読経が響き渡り底冷えする本堂も、たちまち熱気に変わり最後に管長の説教ですがすがしい気持ちがわいてくる一時でした。本堂前で全僧侶の方々と共に記念写真をとり、朝食になります。2日目の研修は、2班に分かれて、写経、写仏と御詠歌の指導を受けます。いずれも私は初めての貴重な経験でして、多数の研修の方々は御詠歌は初めてで、全員ばらばらでしたが不思議なもので、20分~30分位で結構合うようになるものです。信仰の心を込めてお唱えすれば、何事も可能な気がしました。同じ智山派の皆さんと寝起を共にしお釈迦さまの教えを学び、心洗われた2日間の研修を終えて、1年目の修了証を頂きまして皆さんとお別れしました。

研修は毎年秋に予定され3年間3回で修了とのこと。最後に、ご先祖様に手を合わせ、供養を忘れない気持ちが心に残りました。修了まであと2回をぜひ参加したいと念じています。

お大師様のことば

【自心に迷うが故に六道の波鼓動し、心原を悟るが故に一大の水澄静なり】

迷いはすべて自心にあって六道に沈淪するが、心の真実を悟れば清浄法界に住する。
わが心ほど見がたいものは無い。そして、その心は広大無辺な広がりをもっている。

わが心にいます仏。これまた不可思議きわまる存在だといわなければならない。わが心の仏こそまさしくいわく言い難い。わが真実の心はどうすれば知ることができるか。迷いの世界を六道という。ところで、われわれは自らの心に迷うから、あらゆる迷いの世界の波は揺れ動く。心の本源を悟るから唯一の広大な水は澄んで静まる。迷いの心は揺れ動く波のようなものだが、一心の本源である水そのものは静まりかえって不動である。

シリーズ⑥お大師さまのことば「秘蔵宝鑰巻下」より