制服のこと
 ホグワーツ魔法魔術学校の制服とは、ローブである。
 間違いなく、ローブとしか、いっていない。

 原作を読む前に、映画予告を見ました。
 映画第1作を見る前に、原作2巻を読みました。
 その結果、わたしの頭の中では、魔法使いの正装、ローブが駆け回っています。

 普通、ローブとは、ワンピースのような、ずるずるとした服である。
 事実、4巻で、ネグリジェと普段の服装が、似ているとおっしゃっている方がおりました。
 5巻では、男のスカートめくりをしていました。確実に、スカートです。・・・スコットランドでは男でもスカートですがね。そういうくくりでいいのか?
 原作と映画には、広くて深い溝がある。ようです。
 原作者公認とはいえ、その溝は凄すぎると思うのですが。・・・5巻のセブルスいじめは、映画では無理ですね。
 この責任は、一体、どなたが取ってくださるというのですか。


《原作版》
「もう、着くのかよ」
「そうよ、早く着替えなさいよ」
 コンパートメント内で、ごそごそ車内持込荷物をあさる。
「リーマス、僕の鞄、知らない?」
「ピーター、こっちよ、ごめんなさい。ちょっと潰しちゃったわ」
「平気だよ、リリー」
 取り出す制服。皺を伸ばすと、それすらしない不精モノもいたりするが、頭から被る。
「あら、リーマス。新調したのね?」
「変、かな?目立つ?」
「全然。もぉ、ホント、リーマス見てると、どっちが女の子なのかって、思うわよ。
 自分で作ったんでしょう?」
「マグルの服を作るより、簡単だから・・・リリーだって、簡単に作れるよ」
「だからって、自信なくしちゃうな」
「リリー、ちょっと、後ろ引っかかってる」
 裾を直してもらう間、乱れた髪を整える。
「何が、いやかって。便利なのは、便利だけど、頭から被ることよね。
 もう、どうして、ファスナーの存在を認めてくれないのよ」
「リリー、ファスナーより、ボタンやホックの方が、ラインが綺麗に出るんだよ」
「・・・・・・ありがとう」


《映画版》
「もう、着くのかよ」
「そうよ、早く着替えなさいよ」
 コンパートメント内で、ごそごそ車内持込荷物をあさる。
「リーマス、僕の鞄、知らない?」
「ピーター、こっちよ、ごめんなさい。ちょっと潰しちゃったわ」
「平気だよ、リリー」
 制服を出し広げる4人。
 ネクタイ、ネクタイと呟く1人。
「ところで、あなた達、何をしてるの?」
「えっ?着替えるんだけど?」
「レディーの前で、着替える気?さっさと、出て行きなさいよ」
「俺たちに廊下で着替えろって言うのか?おまえが他所に行くんだろ?」
「レディーファーストって言葉を思い出しなさいよ」
「・・・・・・おまえも、そういえば、女だったんだな」
「出て行きなさいっ。
 ・・・・・・リーマス、一緒に着替える?」
 出て行く4人の、うち1人が止まる。
「いいの?」
「リリーッ。リーマスにそういう冗談は通じないんだから」
「あっ、ごめん。もしかして、恥ずかしがって、逃げ出さなきゃ、いけなかったんだ、ごめん」
「いいのよ、わたしが、リーマスに理解できない冗談を言ったのが、いけないのよ」


制服のこと、おわり。
 やっぱり、トイレで着替えないで下さい。は、お約束でしょう。
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