「くりでんの存廃を考える地域シンポジウム」が開催されました。
平成15年3月16日【日】午後1時〜3時まで金成町役場「ほたるホール」にて「公共交通のあり方とくりでんの将来を考える」をテーマに「くりでんの存廃を考える地域シンポジウム」が開催されました。参加者への招待状を提示すれば、くりでんの利用は無料になりました。
 トップの写真はくりでん運行対策協議会会長 若柳町長 菅原郁夫さんのあいさつです。(このかたがくりでんの社長でもあります)
 その次の写真は会場となった金成町役場です。

あいさつと経過報告
あいさつで菅原若柳町長は、10年前第3セクターとして地元5町で引き受けるとき「すぐに採算が取れなくなると心配した首長もいた」と当時の経緯にも触れながら「3セク移行時に先送りされていた安全対策は金をかけた。現在は株主総会にも出席者が少なく、沿線5町長で総会を開催している」とくりでんの現状に触れ「本当に県では補助金を打ち切るのか。やめるにしても時間をかけていかなくてはならない」と話しました。
 続いて(財)宮城県地域振興センター事務局長 三部佳英氏より「くりはら田園鉄道運行対策調査」の検討状況について経過報告が行われました。このなかで6回開催予定の調査委員会が4回まで開催されたこと、4月の運賃半額の実験を踏まえて第5,6回の委員会を開催すること、地元としては今年の10月までに地元としてどうするか宮城県に報告しなければならないこと、地域の人口の推移(人口減や高齢化が進む)通勤通学の利用状況やくりでんの経営状況について報告されました。
 出席予定であった宮城県総合交通対策課は都合により欠席したものの
「くりでん運行維持補助金」について廃止反対が397件、賛成1件、その他2件の意見が寄せられたとのことです。

パネルディスカッションと会場の声
パネルディスカッションは、コーディネーターを東北大学大学院助教授 徳永幸之さんがつとめ、4名の住民代表の方が意見を交換しました。
 住民からは「沢辺から若柳まで幼稚園児を通学させているが、くりでんがなければそのような選択はなかった。」「くりでんの駅員は親切だ」「高齢化社会が進む中で、自分自身もまもなく高齢者の仲間入りであり、いつまで車の運転が出来るか不安だ。くりでんの存続を。」との声がありました。これに対し「郷愁だけでは鉄道は残せない。廃止された北海道の名寄線、湧網線の沿線が出身だが、郷愁は一時的なもの。バスが増便されかえって便利になった。仙台でも駅前はさびれ、クルマで長町、利府へ買い物に行く時代だ」との声がありました。
 また、「他の公共交通機関との連携を」「ほっとゆだのような駅と直結した施設を」との声もありました。
 会場からは「現在までいったい何をやってきたのか。学生、高齢者だけでなく、健康な人にくりでんを利用してもらう努力を」「1億5千万の売上があれば収支がとれると資料にあるのだから、まずそれを目指すことだ。沿線5町だけを対象とするのではなくSLを走らせるなど、全国から人を集める工夫を」という発言がありました。
 最後に運行対策協議会副会長の栗駒町長 大関健一さんより閉会のあいさつがあり、事務局からは4月の運賃半額と迫桜高校への連絡バス運行についてPRがありシンポジウムは終了しました。