平成16年に入ってから、あらためて「くりでんの存続を求める動き」があります。

栗駒町長が鉄道での存続を希望
1月20日の河北新報によれば、くりでんの存廃を先送りする案が浮上してきました。栗駒町長は「廃止に関する正式決定はまだしていない」とし「栗原郡の合併は鉄道を再生させる最後のチャンス。いま廃止を決める必要はない。」これに対しくりでんの社長でもある若柳町長は「赤字のローカル線を新しく誕生する栗原市の市長と市民に丸投げするのは無責任だ。」としています。
 22日付けの河北新報では見出しを『くりでん廃止は”白紙”」と掲げ、21日に沿線5町の町長が集まり、「鉄道を3年間継続運行する」ことは確認したものの、その後の扱いは合意に至らなかったと書いています。
 会合後くりでん社長でもある若柳町長は「5人の町長が同一歩調をとり、6月のくりでん株主総会までに存廃問題を正式に決着させたい。」と取材に対し語っています。
 河北新報では26日にも「くりでん存廃問題」を取り上げ、町村合併に対する影響などにも触れています。
 そして29日の紙面で22日の沿線町長の知事への陳情を取り上げていますが、廃止を前提とした陳情の内容を栗駒町長、鶯沢町長が知らなかったことに触れ、「沿線の足並みの乱れが決定的になった」としています。

協議会ニュースが配布されていますが・・・。
沿線5町では「くりでん協議会ニュース第3号」を平成15年12月25日付けで発行しています。
ニュースは「くりはら田園鉄道平成19年4月にバス転換!」と見出しを掲げ、「くりでん運行対策検討協議会運営経過」「宮城県からの補助金減額の詳細」「今後の実施事項と進め方」について詳細に記述しています。
「宮城県からの補助金減額の詳細」の項では@宮城県が財政負担に耐えられない状況にあることAくりでんの将来の収支悪化は免れないことB施設の老朽化による経費の増加が避けられないことの3点を補助金廃止の理由にあげています。また「今後の実施事項と進め方」ではバス転換についての具体的な方策を沿線5町として充分に検討するとしています。
 協議会ニュースを見る限りにおいては、くりでんのバス転換は決定したものという印象を持っていましたが、実はまだ合意していなかったということでしょうか。
 鉄道ファンとしては存続を希望しますが、地域住民の将来に禍根を残さないよう、充分な議論をしてもらいたいものです。


バス転換についての経過
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