Q−ZAKUの
妄想論


「天使とは何か?」


皆様は天使というものをどのようにお考えでしょうか?
西洋哲学の世界では、神が天使より人間を尊い存在だとしたために、天使の間で戦争が勃発し、その結果、大半の天使が堕天使となって地上に落とされたとされています。

何故でしょうか?何故、神々は人間を天使より高い位を授けたのでしょうか?

人間を尊いものだとしたために、二番目の地位あった天使ルシファーは嫉妬をし、戦を起こし、そして戦いに敗れ、地上に落下し、その勢いで地球の中枢にまでのめりこみ、下半身は氷づけになってしまったとされています。

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天使とは、なんなのでしょうか?

話は変わりますが、西洋思想と昔から仲が悪い東洋思想でも、天使と同じ意味を持つものがあります。それは諸天善神の存在です。

西洋思想と仏教思想の大きな違いは、内なるものに対する信仰と、外にあるもの対しての信仰の違いがありますが・・・・・

天使と諸天善神・・・・この定義はよく似ています。

さて、本題ですが・・・

その前に、ユングの集合的無意識について書かせていただきます。

集合的無意識とは、全ての「こころ」「精神」「生物」は連結しているという理論です。

ユングは人間の心を宇宙に例えています。

いわば、太陽系のようなものだと私は解釈しています。

人間の心は元型と呼ばれるもので構成されています。

心というものを宇宙に例えると、元型は一つの「星」に当てはまります。

中心には太陽のような「大きな星=自我」が存在し、それをセルフと呼んでいます。

その恒星となる星を中心として、様々な星達が回っているのですが、その一つ一つに正確やタイプがあり、その大きさや数によって人間の性格や考え方が形作られるようです。

そして、さらに、その太陽系が集まると、いわゆる銀河と呼ばれるものになるわけですが、集合的無意識にあてはめると、それは民族や国家という概念があてはまります。

その銀河が集まっている宇宙は、まさに人類、全ての生物そのものだという、考えが成立するのです。

あくまで私の解釈ですが・・・・


さて、それでは人間とは、なんでしょう?

『魂』『精神』というものは、絶えず『罪業』と呼ばれるものを浄化しようとします。

作家の宮本輝はこう言っています。人間と他の動物の違いは二つしかない。宗教を持つことと、自殺することだ。

祈りの概念として、一つ例に上げたいのが、陰明師の阿倍清明です。彼を一躍有名にした、雨を降らせた祈祷ですが、その祈り方は、この世の『怨念』を沈静させるといったものだそうです。

人間の祈りは、この世の罪業を浄化させる力が備わっているのかもしれません。

ある意味それが、宗教の本質というものなのでしょう。

宮本輝が言うように、祈るという行為が人間にしか出来ない行為というのであれば・・・・

そこに、人間というものの役割が見えてくるように思えるのです。

天使は祈れるのでしょうか?

神に仕えるとう話は聞いた事があっても

少なくとも、天使が祈るという話は私は聞いた事がありません。

仏教思想の諸天善神は、よき祈りを行うものを守護すると解かれています。

あらゆる生命が連結し、それが一つの生命体だという『仮定』が成り立つのであれば・・・

人間は、宇宙という生命体が自らの魂を浄化する為に生み出した存在だと言えます。

つまり、『原罪』と呼ばれるものは、宇宙という巨大な生命が抱えている『業』であり・・・・

人間はそれを浄化する為に、この世に誕生したという仮定が成り立つのではないかと考えられるのです。


視点をそこに持っていくと、おぼろげながら、天使の正体が見えてきます。

つまり、天使は、人間以外のあらゆる存在・・・・つまり、宇宙と呼ばれる集合的無意識そのものだということです。

諸天は、古来より正しいものを守護するとされています。

人間を除く全ての魂、すなわち天使・・・・それらは人間が過ちを犯せば、それを教えるために『罰』を与え、正しき行いをすれば、その方向へと導く為に『幸福』を与えます。

全ての森羅万象を操る力を持っているが故に、内在する業を晴らすことが出来ない・・・

故に、神は人を世に送り出したのでしょう

そうです・・・人間は神々、天使たちの願いをかなえるべく生を受けた、存在なのです。

宇宙の魂の罪業を浄化する為に、人間は誕生した。それは天使たちが行う事の出来ない領域・・・・・故に・・・・

人は天使たちよりも尊い存在になっているのだと私は思います。


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