Q−ZAKUの
『珍説・考察ガンダム論・Z編』
『シロッコを語る』
ニュータイプのなり損ないという言葉がある。 実に不快な言葉、しかもそれは我らが敬愛する、シャア・アズナブルをさしているのだから始末が悪い。
シャアは決してニュータイプのなり損ないなどではない、 ただ質の違いなのだ。 どうもこの点が世間では理解されていないように思える。 実に不名誉な話だと私は声を大にして言いたい。
事の発端は皆様もよくご存知のことだろう。 Zでの最終回、シロッコが叫んだセリフ、あまりにも有名な話なので内容は割愛させていただくが、「シャアはニュータイプか否か」 という話題が上れば必ずと言っていいほど、この話が出てくる。 しかし私は思う、シロッコという人物を考察した時に果たして、このセリフをどれだけ信用していいのか? いや、そもそもシロッコとは何者なのか?
実は、私はネットサーフィンをしている時に、某大手サイトのキャラ紹介の欄を見ていた。 そして、あるところで目が止まった、ジャミトフの考察についてである。 その考察によれば「ジャミトフの目的は世界を戦火に巻き込み、地球を経済崩壊させたあと新たな指導者として自らが君臨する事」 となっていた。
これには正直疑問を感じる。 ジャミトフはスペースノイドに対しては非道だが、身内には慈悲深い男である。第一、地球至上主義の塊である彼がそんなことを考えるのだろうか? しかし、この話はジャミトフを語る上で、もはや定説となっている、いまさら揺らぎようが無い。
一見、この話はシャアには無関係だと感じる方も多いだろう。 現にジャミトフがどう扱われようが私には関心は無い。だが重要なのは、このジャミトフの考察を語ったのが誰かということが大事なのである。この点もご存知の方も多いと思う、マウアーとジェリドとの会話のなかのシロッコのセリフ、またも彼である。
Zの登場人物は説明不足のキャラが多い上に情報も少ない。 したがって本編中のセリフに頼らざるをえない場合が多いのだが、そのセリフをシロッコが語っている場合が結構多いのである。
だが私は言いたい。 それが全ての間違いを引き起こしている元凶になっていることを・・・・
私はこのシロッコの、あるクセに気がついた。 それは彼が他人のことを語るときは、それは自分のことを言っているのである。 これは結論、いきなり答えから入らせてもらった。説明したい。
まずはジャミトフ。彼の目的とされている地球の経済壊滅、飢餓計画はシロッコの狙いである。この説はシロッコファンの間でもでも意見が一致している。シロッコ好きが言っていることなので信憑性は高いと思う。
そして彼が登場した時の、あまりにも有名なセリフ 「落ちろ蚊トンボ!」 これについても、はっきり言うが、どちらが蚊トンボなのか? デザイン的に見れば明らかにメッサーラの方が昆虫ぽいではないか? これはかなりのツッコミどころである。 さらに最終回、シャアに対して 「お前は世界をその手にほしがっている」 これもそれはお前じゃないのか?と言いたい。
ここまで言うと、もうおわかりだと思う。 つまりニュータイプのなりそこないとは実はシロッコのことなのだ。 彼は自分を投影した姿をいつも感じており、それを他人に転換する癖があると言えるのである。
この点をシャアがニュータイプではない派の諸君には心していただきたい。
さて話は変わるが、このシロッコなる人物、結構謎が多いとされている。理由はあまりに情報が少ないこと、あと人気が無いなどが上げられる。 別にどうでもいい話なのではあるが・・・・。
彼の本質は、カミーユの 「目の前の現実も見えない男」 の一言に集約されていると言える。 彼は一生懸命に道化を演じているようだったが、 その危険な本質はマウアーやジャミトフはおろか、あのバスクにも見破られていたあたりが実に笑える。 (しかし、ハマーンがだまされたのは実におもしろい、お互い策士策に溺れるといったところか)
彼の虚言癖に振り回されると、シャアのニュータイプのなり損ない疑惑のような誤解が生じるので世間のGファンは気をつけていただきたい。
しかし、そんなウソにまみれた彼が約束を守ったことがある。
それはレコアに対して 「もし、仮にこれが偽りのものなら私の胸を刺すがいい、その時は抵抗しない」
彼は軽い気持でいったのだろうがシロッコは本当に最終回、カミーユに無抵抗で胸を刺されて絶命してしまった。
そうです、 あの最終回でジ・Oを襲った金縛りは女心をもてあそばれたレコアさんの怨念だったのです (お〜こわ!)