Q−ZAKUの
日常のの異常


『ドラえもんという名のトラウマ』

皆様は、もうスターウォーズの最新作、『エピソードU』 をもうご覧になられただろうか?実を言うと私は観てません。現在CM中のビデオやDVDも、かなり巷に出回ってきましたが、恐らく観る事はないでしょう。やはり私はクラシック派、思い出は大事にしたい。ベイダーやオビ・ワンの過去なんぞに興味は無い。それにヒーローが悪に染まるという展開は観ていて苦痛になると思う。まぁその辺は上手に演出するのだろうけど・・・・

スターウォーズの監督 『ジョージ・ルーカス』。 世界で最も成功した『SFマニア』 と言われている。 『ジーンズと家族があれば、後は何もいらない』 それが基本スタンス。そういうストイックな感性、ライフスタイルが、やはり名作を生み出す秘訣なのだろうか?典型的な凡人の声を上げさせていただければ、「あやかりたいもの」 その一言につきる。

世界のカリスマ、ジョージルーカス。 その彼が、全く頭の上がらない日本人がいたということは広く知られている。名前は 『黒澤 明』 いわゆる世界のクロサワ、あのスピルバーグも 『映画界のシェークスピア』 と絶賛した誰もが認める巨匠。 現にスターウォーズやインディジョーンズなども相当クロサワ映画に影響を受けているらしい。

実は、ルーカスと黒澤明が長時間にわたって口論になったことがある。内容は音楽の扱い方について。黒澤明に言わせれば 「スターウォーズは音楽の量が多すぎる」 それに対しルーカスは 「子供に対する演出にはあれぐらいのBGMが必要」 と反論、しかし黒澤 「あんたは子供を馬鹿にしている!」 明快に切り捨てた。

この話を聞いたのはずいぶん前なのだが、私は最終的に発した黒澤明の一言がどうしても忘れられないのである。それは・・・・

「子供はね、大人が作ったものでも、ちゃんと理解してるんだから!!」

結局、最後にはしぶしぶルーカスが折れたらしい。やはりガンコ一徹なオヤジは譲らない。いい意味でも悪い意味でも・・・・・・・

さて、私は今年の年越しを知人宅で向かえた。大晦日の大半を、友人の家で過ごしたのだが、そこのお宅の子供が観ていたアニメを私は一緒に楽しんだ。『大晦日だよ、ドラえもん』 毎年恒例になっている人気番組。もう25周年になるのか、特集を組んでいた、実に早いものである。

実は私は長い間、ちゃんとドラえもんを観てなかった。そういえばこんな感じだったと感触を確かめながら鑑賞させてもらった。

ドラえもんがテレビに誕生した時、私は鮮明に覚えている。当時私は小学2年生。近所のお兄ちゃんたちの叫び声がきっかけだった。「ドラえもんがテレビでやってる!!」実は短命に終わった旧・白黒ドラえもんは知る人ぞしる人気アニメだったらしい。その復活を喜んで、叫んだいわゆる大きいお兄ちゃんたち。彼らの歓喜は大きな波動を生んだ。そして小さい子供は、年上の人間が誉めるものには無条件で面白いと思う傾向がある。私も見事にはまってしまった。その日から自分もドラえもんの虜になった。

単行本にもはまった。当時のコミックの単行本は約320円、子供の小遣いで買うにしては値のはる買い物だった。友人達がそれぞれ違う本を買い、貸しあいながら、むさぼるように読んだ。当時は今のように本をビニールに包むようなことはしなかったので、立ち読みは自由に出来た。しかし、大手書店では、常に立ち読みの子供たちがごった返し、商品もめちゃくちゃになっていた。あれは悪かったような気がする。

そんな、ドラえもんにはとてもお世話になった。いい思い出をたくさんありがとう、感謝の言葉を述べたい。

しかし・・・・・しかしである。今だから告白させてもらうと実はドラえもんには当時理解できない内容の話がいくつもあった。

世界のクロサワは「ちゃんと子供は理解している」と言い切ったが・・・・・・・・・

このネタは子供にはちょっと・・・・・・・・・と思われる話がドラえもんにはいくつかある。

これについて、私は軽いトラウマ?を抱えていると言ってもいい。傷ついた心は話すことによって癒される。私情で大変申し訳ないが、今回お話をさせていただきたい。

その1・・・・・・・『人間製造機』

ストーリ・・・・・・・・たしか工作だったと思うが、のび太が、スネ夫とジャイアンにバカにされ、いじけながら帰宅する。そして部屋に入ると、異様な形(透明な大型のカプセルがついた奇妙な機械)は置いてあった。説明書を見て驚くのび太、なんとそれは『人間製造機』だったのだ。よし、赤ちゃんを作ろう、そしてこれで、バカにした連中の鼻をあかせる。そのときドラえもんは留守だった。
説明書通りに、材料を入れる、そして、赤ちゃんが誕生する。しかし、それはミュータントで、超能力を使い、破壊の限りをつくす悪魔だったのだ。未来の世界では、その赤ちゃんのために軍隊を使ってまで制圧した、恐るべき生命体だった。
赤ちゃんは、のび太と一緒にいたしずかちゃんに死刑を宣告する。しかし、後一歩のところで、ドラえもんの道具(時間を逆回りさせる)によって元の材料に戻り、無事解決した。

この話を聞いていただければわかると思うが、内容は極めてどろどろしていた。なにしろ、人間を機械で作ってしまうというのだから・・・・生命の尊厳もなにもあったものではない。それは子供でも感じたことだった。明らかに他のドラえもんとは異質の内容だった。

しかし、それはSFというジャンルでは仕方が無いといえばそこまでかもしれない。だが、問題の本題はこの話の中でのしずかちゃんとのやり取りである

人間製造機を前にはしゃぐのび太。そして、これに立ち会わそうと、しずかちゃんをのび太は呼ぶ。そして玄関にむかえに行き、そこで説明・・・・

「赤ちゃんをいっしょに作ろう!!」

「!!!」 激怒するしずかちゃん。そしてのび太は殴り飛ばされる。

当時、何故しずかちゃんが激怒したのか、まったく理解できなかった。このパターンがこの話では2回続いた。余計考えさせられた。

「赤ちゃんを作ろう」といってしずかちゃんを部屋に呼ぶのび太・・・・・・・・

ドラえもんの年齢層は幅広い・・・・・・・・・

このネタはちょっと・・・・・・・・

その2・・・・・・・『天井裏の宇宙戦争』

この話は、完全にスターウォーズのパロディだった。このマンガが発売された時は丁度、『帝国の逆襲』 が上映されていたように思える。時流にあわせた話だった。

ストーリ・・・・・おもちゃのスターウォーズセット(戦闘機自身はおもちゃ。乗り込んで部屋の中で、空中戦をする未来のゲーム)で遊ぶのび太。しかし、その中に本物(大きさは超小型)の宇宙船が紛れ込み、のび太を攻撃。怒ったのび太はバットで叩き潰す。
実は、侵略者『アッカンベーダー』が地球をひそかに狙い、侵略を企てていた。のび太を襲った船は彼の部下だった。本拠地はジャイアンの家の天井裏。そこに要塞を作っていた。

様々な展開を見せ、物語はクライマックスへ・・・・・なんとか姫を救出するのび太。しかし、アッカンベーダーが乗り込む大型母艦が、のび太の船を追い詰める。まったく攻撃を受け付けない母艦、しかし次の瞬間・・・・・・・

「ドカーン!!」

母艦は大破。実はジャイアンが打った野球の球が直撃したのだ。その時のび太は叫ぶ 「おお!!地球のミサイルはすばらしい!!」

・・・・・・・・・・おい、気持はわかる・・・・・しかし、一応あれには大量の知的生命体が乗っていたのだ。

ガンダムなら、「し、死んだ?・・・」ぐらいは言うだろう。別にそうしろとは言わないが・・・・もっともあの話の展開なら仕方がないと思うが・・・・・

結局、アッカンベーダー以下無数の部下達は炎に包まれた。ジャイアンたちには、単にラジコン扱いされ、それで終わってしまった。

子供のとき、ドキリとした内容だった、正直怖いものを感じた・・・・・・・・・・。

「子供はチャンと理解している」確かにそうだと思う。しかし、時と場合によってネタを振り分ける必要もあるのではないか?。


しかし、自分で思う。

そんな『超』くだらん事でトラウマ作るヒマがあるんだったら、もっと前向きに物事考えろと自分で言いたい (涙)


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