Q−ZAKUの
『珍説・考察ガンダム論』
『XYZ、Z、ZZ』
今回のガンダムエースで思い出したことがある。あの「シティーハンター」の製作がサンライズだったということ。当時はロボット専門のイメージが強い同社が、原作コミックのアニメ化は珍しく思えたのがあの頃は印象的だった。
さて、そのシティーハンターだが、実は我らが愛するガンダムシリーズとは、ある共通点がある。いつもの事かもしれないが、あまり世間では気が付いていない話で、こんな事を言っているのは多分私だけだろう、というような内容である。ご拝聴いただければ、幸いだと申し上げたい。
話の内容は実はアニメではなく、原作の方である。シティーハンターが連載をはじめたのは、丁度Zが放映されはじめた頃で、人気雑誌「少年ジャンプ」のなかでも、取り分けのヒットした「キャッツ・アイ」に続く北条司氏が手がけた作品ある。人気のほうは好評のうちに終了したキャッツと同等か、それ以上だったかもしれない。
話は変わるが、まずZとZZの違いについて・・と言いたいが、多分語る必要もないだろう。哲学的かつ重苦しかったZガンダム。そしてそれとは完璧なまでにネアカ路線に転向したZZ。両者の温度差はあまりにも露骨で、ストレートなものだった。これは皆が知っている事である。
実は、ガンダムシリーズがネアカ路線に転向した頃丁度、シティーハンターはどうだったか?実はコミカルな色合いが強いこの作品、連載当時は、かなりのハードボイルドな展開だった。
親友の死、シンジケートとの死闘、国家的陰謀などなど。
ところが、ロキシア編が終了した後、一転してコミカルな路線になってしまった。私の記憶ではその後、死人すらでていない。そして丁度そのタイミングはZからZZへの転換期に近い時期だった。(たしかガンダムの方が早かったと記憶している)
これは、実は、この2作品に限った事ではない。例えば「世界名作劇場」小公女セーラの放映は丁度Zと時期が重なるが、セーラ以降は今までの陰のあるヨーロピアン調から変わり、完全ネアカかつアメリカンな路線に転向した。「愛少女ポリアンナ物語」はその第一弾である。
そして特撮ファンには御馴染みの「仮面ライダーブラック」その後番組の「仮面ライダーRX」の主人公、南光太郎が突然ネアカな人物に変わってしまった。ちなみに仮面ライダーは参考なまでに出したが時期は少々ずれていることはご承知していただきたい。
そうなのです。丁度この時期、一斉にあらゆるアニメ、漫画といったメディアがネアカ路線に転向し、今だにそれを引き継いでいるのです。ある意味歴史的瞬間だったのかもしれません。
当時主流だった、ハードな路線はもはや限界にきていたといえます。Zの視聴率低下はその象徴なのかもしれません
当時の少年ジャンプでも今までハードな漫画を書いていた漫画家の中には結局方向転換を出来ずに、本誌から消えていった人も少なからずいます。寺沢武一や平松真二などビッグネームも多かった。
ZとZZ、そしてシティーハンターは歴史の立会人と言えるのです。
ちなみに私の好きなシティーハンターの設定にワンオブサウザンドというのがあります。千に一つという意味ですが、主人公が使っている銃です。量産型の銃の中には、傑作の銃が偶然生まれることがあり、それを愛用しているということです。
私はワンオブサウザンドのバカかもしれません。