Q−ZAKUの

『珍説・考察ガンダム論』




『運命』

これは、妄想である。しかし、これらを否定する事実をなんら用意できない私がいることも、また事実である。今日はそんな私の胸の中にしまっていた妄想話をお話させていただきたい。聞いていただければ幸いである。

どうやら、人間なるものは、実は決まった運命があって、それを本能的かつ、無意識的に認識している。決して意識下には出てこないが、主に行動やものの感じにある特長が現れ、一瞬一瞬の判断に大きく影響している。そして、それは確実に存在しているが、意識上に感じる事はない。

率直に申し上げれば、人間はどうやら自分が、こうはなりたくない、ああいうふうにはなりたくない、と考えている人間像が実は自分の将来の姿、待ち受けている人生であって、逆らえば、逆らうほど、どんどんその方向に近づいている、向かっているの、進んでいる、のではないか・・・という事を言いたいのです。

こんな事を思い始めたのは、丁度二十歳前後の頃、会社のとても仲のよい上司Aとの会話がきっかけでした。上司Aはバリバリのヤンキー上がりなのですが、小学生の頃は、不良は大きらいだったそうです。その後何故かグレて、やくざの道をめざしますが、結局は絶対になる事はないと思っていたサラリーマンに気が付いたらなっていたと言うのです。
そして別の上司Bの場合です。上司Bは大学を中退後、劇団を結成し、個性が大事と無個性で従順なサラリーマンを目の敵にしていました。しかし、結局劇団は解散。その後、死んでもなりたくないと思っていたサラリーマンへの道を歩んだのです。


そして私。昔から私はどちらかと言えばおとなしく、静かな性格だったのですが、何故か体育系クラブ活動に気が付けば入部し、朝から晩まで練習練習・・・。結果的に私の友人達も体育界系+ヤンキー系ばかり、当然ガンダムの話など通用しない世界だったのです。
就職先も、なんでそーなるのと言いたいほどガラが悪く、失敗したらはり倒されるは、土下座はさせられるは・・・おまけに私は人を使うのが苦手だったので、あまり目立つようなことはしなかったのですが、気が付けば管理職になり、なんと、しかも絶対したくないと思っていた、リストラ告知役にまわされたのです。そして今、その後、会社を退職せざるを得なくなった私は、もっとも避けていた仕事である、親族経営の一端を担うようになってしまったのです。父親が病気になったのがその理由です。絶対したくないと思っていたのに・・・。

さて、ここからガンダムに入らせてもらいます。アムロは子供の頃は虫も殺さない少年でした。恐らく将来はエンジニア関係で平和利用の開発を望んでいたのではないかと想像できます。ある意味もっとも戦場が似合わない男、それがアムロ・レイだと思います。しかし気が付けば戦場の最前線に立ち、「白い悪魔」と呼ばれるほどの「軍人」になっていました。その結果は恐らくアムロが絶対になりたくない、姿だったのかもしれません。

ホワイトベースのクルー達も同じです。彼らほど戦場の似合わない人間はいません。しかし、最終的に連邦のヒーローになっていたのです。軍人として・・・。

ジオン兵も同じでしょう。あの戦争に、高い志をもって戦った男達は皆、正義だと信じていたはずです。しかし、結果的に多くの人たちを不幸にしました。あの人間くさい、ラルの部隊のように良い人間も多い、ジオンの男達がそんな結果をのぞんだでしょうか?

宇宙世紀そのものも、そうです。人類の繁栄の為に建設されたスペースコロニーが、対立の原因を作り、連邦の腐敗を招き、人類の大半を死に至らしめる戦争の原因になったのです。

そして、我らが敬愛する、シャア・アズナブル。彼の優しい人格は「あの優しいキャスバル兄さん」のセイラのセリフを聞いてもわかる通りです。しかし、彼は友を笑いながら謀殺するような冷酷な戦士、復讐鬼となりました、まして隕石落としをするなどキャスバル時代のシャアが考えたでしょうか?そして、ネオジオンではあれほどララァのことを悔やんでいながら、NTの戦争利用をし、道具として使いました。こんな事は望んでいなかったはず・・・。

そして、シャアとアムロ。私は言いたい。なんで、この二人が戦わなければいけなかったのか?本当は二人は仲良く、人類の平和の為に生きていくことを望んでいたのではないのか?あえて言いたい、何故・・・・と。

人間は、自分がなりたくないと無意識に思っている人間像に実は進んでいるのではないか?これは最初書いたように妄想です。しかし、ガンダムのキャラが魅力的なのはリアルさが飛びぬけていると思っていた私は、自分の経験から感じるこれらの、ことがらが無視できないのです。

しかし、結果的に向かえた人生や運命もとらえようですね。それを生かすも殺すも、結局、自分次第なのでしょう。

最後にもう一度言わせてください、これは私の妄想です。ですから皆様あまり、間に受けないで下さいね!


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