Q−ZAKUの
『珍説・考察ガンダム論』
『アッガイってアッガイいいかも・・・』
1st世代の男が寄り合って、当時の昔話をすれば必ず出てくる会話がある。ガンプラ、ガン消しにまつわる話。それは忘れようとしても忘れられない、甘く苦い、大人への第一歩の経験だった。本日はそんな、めくるめく男子の世界のお話をさせていただきたい。
以前101匹目のサルのお話をさせていただいた、ある意味ガンプラ現象はこれに似ている。最初の火付け役は大学生や高校生といった、いわゆる大きなお兄さんたち、少年とは意外に、大人が持つもの、誉めるものには、無条件でイイと思い込むところがある。そして、さらにそれが本当にいいものだと解ると一気に爆発、その方程式に見事にはまったのがガンプラだと言える。
そんな少年達を半狂乱させた、ガンプラ。三面記事をにぎわす事も少なくない、将棋倒しによる負傷はもちろんの事、恐喝、ひったくりは日常茶飯事、行き着くところは整理券のダフ屋行為まで登場、当然少年同士である。相場も跳ね上がり、売買でマージンが付いた。額も半端じゃない、4倍、5倍である、これも子供同士のやりとり、異常である。
当時の少年達がいかにガンプラに熱を上げていたかお分かりだと思う。そんな社会現象の中、皆執念を持って、入手した少年達の、それぞれのエピソードをご紹介したい。いずれも社会の一端が見える話である。
はぁ、はぁ、はぁ・・・息を切りながら少年は玩具店に飛び込んだ。 「来たかい、坊や」 奥の老人がやさしそうな笑みを浮かべ少年を向かえた。
「届いてる!?僕のシャアザク届いてる!?」目を輝かせながら少年は尋ねた。 「ああ、さっき届いたとこだよ、ほら!」 店の老店長は、奥から箱を持ち出し、少年に差し出した。
「長かったね、坊や・・・このシャアザクは大人気だから、丁度予約してから一ヶ月か・・・よかったね、本当に」 老店長はやさしそうな笑みを浮かべた。「うん、この日のために、ずっと父さんの肩もみをして、こづかいをためたんだ!」少年は誇らしげに言った。
「はい、持っていきな」 老店長は少年に箱を手渡した。 「お、重い・・さすがシャアザクだ、それに箱もデカイ!」
だが、少年は妙な違和感を感じた、いくらなんでも箱が大きすぎる、それに不自然な形・・・・「こ、これは?」
よく観ると、紐でくくられたシャアザクの下に、ザクよりデカイ、わけのわからない軍艦のプラモデルがひっついているのである。少年は言った 「こんなのいらないよ・・・」
その瞬間、老店長は今までの笑みを止め、凄まじしい形相に変えこう言った。「抱き合わせでないと、シャアザクは売れんな〜!!」
「こんな大人!修正してやる!!」と言いたかっただろう・・・しかし、そんなことをすれば、シャアザクは手に入らなくなる。少年は喜びの涙を、悔し涙に変え、その場を後にした。わけのわからない軍艦と一緒に・・・・。
大人が大人なら、子供も子供である。狡猾な人種はいつの時代でも、変わらず存在する。これはもう一つの例。
プラモデル店の完成品のショーケースにくぎ付けの少年がいた。少年は店の店長に、声をかけた 「これ、おじさんが作ったの?」
「ああ、そうだ・・」無愛想に店長がカウンターから返事をした。「こんな上手にどうやったら作れるの?」少年が弾んだ声で言う。 「なんてことないさ、コンプレッサーやスプレーガンといった、道具がありゃ、誰だってそれなりに作れる」 「そんなことないよ!僕の親戚のお兄ちゃんは道具があっても、腕がないと作れないっていってたもん!」 店長はニヤリと笑った「そうかなぁ」 少年の声がさらに弾む 「ねぇ、あそこのズゴック、ひょっとして、雑誌に載っていた奴じゃない?」 店長は照れながら「いや、載った事は無いけどね、あれは自信作なんだ、目が高いね!坊や!」
そして、翌日・・・・・
「これ、出たばっかりのリアルタイプ・ドムじゃん!!」 「ひょっとして、これパーフェクトジオング!?」学校の机に広げられたガンプラ、半ニヤの少年は、昨日散々プラモ屋の店長をおだて倒した彼である。そう、少年はあれから店長のお気に入りになり、予約で置いてあった商品をまんまと手に入れた、言うまでも無いが、ガンプラの切れ目が縁の切れ目である。
仁義無き戦いを巻き起こした、ガンプラブームは次第に終息に向かいつつあった、その時、私は初めてガンプラを手にする。正直あまりメカに熱狂的でなかった私は、売れなくなってから買おうと思っていた。そして手に入れたのが、アッガイである。そう、アッガイは少年達にとっては最も早く飽きられた、存在なのだ。
しかし、このアッガイ、実は女性に妙に人気がある。私の知人の女性は、アッガイがとてもかわいいと言うし、ガンダムサイトを運営している、片桐さんも、アッガイかわいい、とポーズをとったCGを描いている、実は「ジオンに兵なし掲示板」のアイコンのアッガイが妙にかわいく感じられたのは、私の悪趣味ではなく、実はポーズをとっているからだ。ちなみに、全体像を見た方は、みな爆笑は避けられないと断言できる。
アッガイのポイントはやはり、2.5頭身の熊さん体型と、ドラえもんハンドによるところが大きい、バンダイはこれらを分析すべきだろう。
しかし、ガンプラブーム末期に登場した、ジュアッグ、ゾゴック、アッグガイといったボツキャラがプラモ化されたとき、感じた事・・・
こいつらボツになってよかったな〜、と思ったのは私だけではないはずだ。(あまりにもかっこ悪すぎるあれは・・・)