Q−ZAKUの
『珍説・考察・ガンダム論』


『人は正確なモノを嫌う』

「人は正確で、確実なモノを嫌う」 byスタンリー・キューブリック

人は正確なものを嫌う・・・・これは、あの世界一と言われる映画界の巨匠、スタンリー・キューブリックの言葉で、彼が映画作りにさいして常に頭に置いていることらしい。彼の映画は完成され尽くした正確さと裏腹に、必ず不可解で理解不能な設定をわずかに残す、この微妙なサジ加減がどうやら、世界の巨匠たる手腕を物語っているようなのである。

キューブリックは人間が、未知の部分や怪しげなものに対して、非常に魅力を覚える心理を知り尽くしていたと考えられる。オカルトや占いの人気がまったく衰えない現在を考えても、その言葉は的中しているといわざるを得ない。

実はこれに近い事を持論にしている有名監督がいる、スチーブン・スピルバーグ。彼の言葉はこうである「観客の想像力は、最高の演出である」
つまり、不可解な部分や設定の説明をあえて省くことによって、見る人の想像力を刺激する演出は、最高の演出と言えるということなのだろう。未知との遭遇やジョーズ、ETや激突などを観ても、正体不明という便利なキャラを巧みに操っている。キューブリックといいスピルバーグといい、観客の想像力を刺激する演出を制するものは世界を制するといえるのだ。

さて、実は私はこの「正確なものを嫌う」という人の心理は、実はありとあらゆるモノに共通していると私は考えている。それは、我々にも身近な、ガンダムサイトにも言えることなのだ。

ガンダムサイトでは、よく討論がはずむ事がある。皆それぞれの理論や、説を語り、自分の考えが一番だと自負し、熱くなる。これはガンダムが不透明な部分や、不可解な部分が多いためで、想像するスペースが実に多いためである。この魅力は上記の理論に通じるものと言える。

ところが、討論がはずみ、極論が見えてくるとどうなるか?実に面白い現象が起きる。それは白熱していた討論が止まってしまうのだ。
これについて私は、はっきり言わせてもらうが、実のところ皆、本当の事などに興味が無いのだろう。自分の理論や理屈を語るのはいいが、それはあくまで自分の解釈であり、その解釈をする余地を犯されたくは無いのだと思う。不透明な部分を面白く語り合うのが楽しいのであって、そのスペースに「答え」というパーツを入れられたくないのだ。

さて、実は私は、偉そうな事を色々書いていますが、ガンダムについての資料のようなものはほとんど読んでいないし、ネットで得た知識なども、無視をしているのです。

先に書いた、カミーユの奇跡についても、設定ではバイオセンサーがどうの、プレッシャーがどうのとあるようですが、私は無視をしています。正確な資料や設定には関心が無いのです。

知らないほうがいいのです。そのほうが面白いし、楽しいです。好き勝手な事も言えますし・・・・。

私は「人は正確なものを嫌う」という言葉がとても好きです。座右の銘といっても過言ではありません。

しかし、以前会社でへまをして上司に怒られた際に、この言葉を使ってどうなったか?

私が始末書の刑に処されたのはいうまでもありません。

戻る

TOPページ