タ・シ・カ・ナ・モ・ノ

1. 立ち入り禁止の駐車場  毎晩忍び込んでは
   気心知れた悪友 ( なかま ) と  当てのない明日  占って


   自分で自分を裁いて  結局自信を失くして
   永遠の傍観者を  決め込んでいたよね


   心に積んだ瓦礫 ( がれき ) の傍で  やさしい歌声を聴いた
   不思議なくらい  涙が出た  ずっと欲しかった言葉・・・


※  確かなものが  やっと  今  見つかったよ
   ずっと  探し続けていた  いつでも  帰れる場所
   昨日を慰めるために  いつしか覚えた口笛を
   今はあたたかい胸の中  明日への歌に変えたい


2. 大切と思える存在 ( ひと ) と  一緒に夜明けを眺めた
   初めて感じた景色  生まれ変われる気がした


   かけがえのない親友とか  誇るべき夢や希望とか
   体験したいすべてを  経験してゆきたい


   重ね着しすぎた思い出を  少しだけ脱いでみようか
   自分以外を愛せる日々  胸に刻みつけるために・・・


☆  確かなものが  やっと  今  見つかったよ
   自分と向かい合えたから  私、 もう だいじょうぶ
   隣にある微笑みを  今日を駆ける勇気に変えて
   毎日をやっと生きていた  今までを懐かしみたい

   ( ※ repeat )
   ( ☆ repeat )
copyright2002 Shuichi Hatta

2002年『タ・シ・カ・ナ・モ・ノ』は、女性のソロボーカリスト用に書き下ろした作品です。『Teen Age』で夢をふくらませた少女は、『Re:BIRTH』で都会の厳しさに直面し、それでも夢を追うことを再び決意したハズでした。しかし、心の中であまりにも大きな位置を占めた“自分の弱さ”に抗することができず、悪い友人たちと付き合うようになります。現実と理想の乖離に苦しむ主人公。しかしそんな彼女の前に、深い優しさを持った男性が現れます。生きている価値とは何だったか?都会の片隅で辿り着いた解答( こたえ )は何だったか?真に自分を理解し、導いてくれる異性とめぐり逢えた喜び。彼と一夜を共にした彼女は生まれ変わります。誰かを憎んだり、運命と恨んだりしているうちは、人は絶対に幸せになることはできません。自分を愛してくれる誰かのために生きようと決意した時に価値ある人生が始まるのではないかと思います。

・・・・・・・あなたの“確かなもの”は、見つかりましたか?                                  
八田 修一