フィレンツェといえば、ウフィッツィ美術館です。 この美術館はルネッサンス美術の宝庫で、中世イタリアで権勢を誇ったメディチ家のコレクションが集められたところです。フィレンツェで最大の美術館で、大勢の人が訪れます。 僕達も開館30分前には美術館に行ったのですが、すでに行列ができていて、美術館内に入るのに1時間くらいかかりました。ここは、今回の旅行で僕が楽しみにしていた場所の一つだったのですが、期待以上のものでした。ボッティチェリの「春」、「ヴィーナスの誕生」、ダヴィンチの「受胎告知」、「東方三博士の礼拝」の他、ラファエロ、ミケランジェロといった巨匠達の作品が目白押しです。いや〜、ほんとに素晴らしかった! ウフィッツィ美術館の鑑賞に3時間くらいかけたあと、ポンテ・ヴェッキオへ。これはアルノ川にかかる、フィレンツェの代名詞とでも言うべき橋です。橋の両側はいろいろな店があり、非常に活気に満ちていました。それから渡ったところにあるお店でパスタを食べました。すっかり胃腸炎から回復したPongは、念願のイタリアンデザートまで注文する勢い。 昼食の後は、パラティーナ美術館へ。ここにはラファエロやルーベンスの作品があります。ウフィッツィ美術館とは違い、規模はそんなに大きくないのですが、逆に「できるだけたくさん見なければ!」というあせりもなく、落ち着いて鑑賞することができました(ちなみにこの日、イタリア人の中学生くらいの子達が見学に来ていて、入館するのに時間がかかりました)。 パラティーナ美術館を出たあとは、サンタ・トリニタ橋からストロッツィ宮を通り、アカデミア美術館へ向かいました。 石畳の上を歩き、500年の重みを感じさせる建物の間を歩いていると、「ああ、ここに住んでみたい!」と思ってしまいます。僕は京都出身なのですが、洋の東西を問わず、歴史の醸し出す雰囲気というものは、人間に何らかの感情を発露させるものなんですね。 さて、アカデミア美術館ですが、また分かりにくいところにありました。場所を探しているうちに、なんと閉館時間になってしまい、わざわざ歩いていったのに、入ることができなかったのはショックでした。でもまあ、路地の向こうに見える巨大なドォーモを見ながらホテルに戻るのも、またいいものでした。
この日も街のあちこちでたくさんの路上パフォーマンスが繰り広げられていました。 ミュージックに合わせてコミカルに人形を踊らせている人劇のところでパチリ。 良く見ると「BALLY」の店前に堂々と陣取ってます。 お店の人も寛大ですね〜。
フィレンツェ最後の日も天気は良好。 この日はまず、前日に見そこねたアカデミア美術館に向かいました。開館時間くらいに着いたにも関わらず、すでに入館待ちの列が出来ていました。 ただ、さすがにウフィッツィ美術館ほどには人が殺到している感じではありませんでした。20分ほど待っていよいよ美術館へ。ミケランジェロの手による一連の彫像に息を飲む中で、いよいよお目当てのダヴィデ像へ。4mを超す大きさもさることながら、いまにも動き出しそうな肉体の表現には、言葉に出来ないような感動を覚えました。 美術館を出た後には自分達のお土産を買おうと決めていたので、前もって目をつけていたお店に行くことにしました。実はフィレンツェに来るまで知らなかったのですが、この辺りの特産品は皮製品とのこと。TV番組の「うるるん」で皮製品製作修行のロケに使ったというお店を見つけていたので、そこで買い物をすることにしました。 ドゥオモの屋上に上る順番を待つ人の列を横切って、まずは観光客のごった返すシニョリーア広場へ。ウフィッツイ美術館の横を通りすぎようとするところで、「あの、ちょっとすいません」と日本語で声をかける人が。 その人はイタリアに在住にする息子と嫁に日本から会いに来た姑という日本人でした。トリノにいる旦那さん(姑さんから見ると息子さん)のところに行く途中で、観光がてらフィレンツェに立ち寄ったとのことでした。交互に写真を取ったところで別れました。 目当てのお店に着いたところで、僕は財布を買いました。で、Pongはやはりいつもの優柔不断ぶりを発揮。いろいろと悩んで品物を見せてもらった上で、白い鞄と土産物を買いました。
次の目的地であるローマ行きの電車の出発時間まぎわまで買い物をしたあと、大急ぎでサンタ・マリア・ノヴエッラ駅へ。結局昼食を取る時間がなかったので、 電車の中で食べるものを買うことにしました。ここで、なんと、今までコミュニケーションを僕に任せきりだったPongが売店に向かうではありませんか! 「ワッフル、フォー!アーンド コーク、ワン!」とめちゃめちゃの和製英語で、食べ物の調達に成功しました。 約2時間の電車での移動は、長閑でいいものでした。ワッフルをほおばりながら、車窓からの田園風景を楽しみました(同じボックス席で、携帯電話でビジネスの話を大声でしていたイタリア人には困りましたが)。
トレビの泉と言ったら、コイントスが有名ですよね? 僕たちもここに来たら映画やTVで見たように、泉に背を向けてコインを投げ入れるつもりだったのに、だ〜れもそれをしていないのです! 「もしかして、もう禁止になっちゃったのかな?」と思い、仕方なく断念しました。 でも帰国してから知人にその話をすると、その人はしっかりコイントスを体験してきたとのこと。 なぜこれだけの観光客がいて、誰ひとりとして実行していなかったのは、未だに謎です。