猫なんかキライでした

2003/02/03UP


実は、昔は、猫なんかキライでした。
「犬派」「猫派」と聞かれたら、迷わず「犬派」でした。
こんな私を、猫の飼い主になるほどの「猫好き」に変えたのは、「トト」という猫です。

2001年のゴールデンウィークのある日、
私の実家の庭で、ノラ猫がお産をしてしまいました。
1月ほど経つと、どこか、エサをもらえる場所を見つけたらしく、
母猫は子猫を1匹づつくわえて、うちの庭からお引っ越しを始めました。
1匹、2匹、3匹・・・
ところが、最後、4匹目の茶トラの子猫を、母猫は迎えにきません。
見ると、その子は風邪をひいているらしく、
クシャミをするし、目も腫れ、目ヤニもかなり出ています。
弱い子なのでしょう。多分、母猫はこの子猫を見捨てたのでしょう。
自然界は厳しいのです。

しかし!遠ーい昔、木から降り、2足歩行を始め、森を出、
自然界からおさらばしてしまった我々『人間』は、
その自然界の掟を黙って見ている事ができないのです。
結局この見捨てられた茶トラの子猫を、私の実家で飼うことにしました。
それがトトです。

何度も実家に行ってトトを見ているうちに、猫の魅力に取りつかれ、
それで今では猫も大好きになったというわけです。

初めてトトとうちの犬、ぽちゃりをご対面させた時はすごかった。
トトはまだ生後2ヶ月ほどの、小さな小さな体を
毛を逆立てて目一杯大きく膨らませて、
『シャーーーッ!!』
とぽちゃりを威嚇!
それ以来、トトの4倍以上もの大きい図体しているクセに、
ぽちゃりはトトを見ると逃げ惑うようになってしまいました。

トトは、ぽちゃりに対して“威嚇”をするわりには、
自分からズンズンぽちゃりに近付いて行って、結構強気。
ぽちゃりの揺れるしっぽを不思議そうに見ては、チョイチョイチョイ・・・と
そのしっぽにジャレて遊ぶこともあります。

私は犬も猫も好きですが、それぞれ、全く違う魅力があります。
以前雑誌で猫のことを、『猫は猛獣の盆栽』と表現しているのを見かけましたが、
「まさにその通り!」と思いました。

歩く時、背中で交互に盛り上がる左右の肩甲骨の動き。
獲物を見付けた時の低い姿勢とその集中しきった視線。
テレビでしか見たことのない、サバンナにいるトラやチーターの動きが、
そのまんま小さくなって、でも、その迫力は保たれたまま
うちの茶の間で見ることができるのです!

でも、“獲物”にされるのが、飼い主の足や手なのが困りものですが。




まだ子猫の頃のトト

「ぼくんちでメシ食うなよー!」


陽だまりにて





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