た行


タニノギムレット: 乾杯はギムレットで。

(父)ブライアンズタイム (母)タニノクリスタル (母父)クリスタルパレス

総評 : 2002年のダービー馬。
結果論に過ぎないが、この馬が健在であったなら菊花賞の大荒れはなかったに違いない。
強烈な末脚を武器に追い込む競馬が印象的でした。
皐月賞はハイペースの前残り、NHKマイルカップでは大きな不利を受けるなど不運な面もありました。
しかし、ダービーでは圧勝。2着は同年の天皇賞・秋、有馬記念を3歳にして制したシンボリクリスエスです。
このことから見てもこの馬の強さが分かります。
血統中にノーザンダンサーの血が入っていない血統ですので、種牡馬としての価値も高いでしょう。
故障での引退がホント悔やまれます。

私評 : 毎年、毎年追っている強い馬が故障でいなくなるんですよね。
この馬を初めて見た時はそんなに馬体も綺麗ではなかったので、「強いのかな?」と思いました。
しかし、実際は鮮烈な末脚でこれはいい馬やなあ、と思ったものです。
ダービー後の武騎手の「ギムレットで乾杯してください」は良かったですね。
ちなみにギムレットとはジンをベースにしたカクテルで、シェイクして作ります。
このシェイクの時にジン臭さを消せないとバーテン失格だそうです。
まだ、若い見習いのバーテンに「お前にはギムレットは早すぎる」と言ったりするそうです。
そこから「本物」という意味もあったりします。
私が好きなカクテルだったり(笑)
これが美味しいと他のカクテルも美味しいのですよ。
・・・・・馬の話してないよ・・・・・


タニノムーティエ: 3冠目前で止まる淀の坂

(父)ムーティエ (母)タニノチエリ (母父)ティエポロ

総評 : 快速馬アローエクスプレスと死闘を演じた。皐月賞、ダービーを制し迎えた菊花賞。
レース中に病を発し大敗して引退。種牡馬入りするも後継者は出ずに1991年に死去。
追い込みに賭けた鮮烈な末脚がファンを沸かせました。

私評 : 実は・・と言うか私自身は当然リアルタイムでは見ていません。
親父が冠名「タニノ」の馬が好きで、この馬に付いてよく聞かせてくれました。
直接血は繋がっていませんが、2002年のダービー馬タニノギムレットは同馬主、同牧場の後輩。
頑張って欲しいと思います。


タマモクロス: 芦毛の映える伝説の上がり馬

(父)シービークロス (母)グリーンシャトー (母父)シャトーゲイ

総評 : 4歳(現3歳)の秋から条件戦連勝、鳴尾記念、京都金杯、阪神大賞典と重賞3連勝。
その後、天皇賞・春、宝塚記念、天皇賞・秋とGⅠも3連勝で一気に一流馬に駆け上った名馬。
JC、有馬記念を2着した後に引退。
種牡馬として現在も活躍している。
天皇賞の同一年、春・秋制覇は史上初です。
後にもスペシャルウィークとテイエムオペラオーしか成し遂げていません。
産駒は総じて成長力に富み、長期間活躍する感じです。
まだ、GⅠを勝つに至る馬はいませんが、今後に期待ですね。

私評 : 正直、この馬が活躍していた頃は高校生だったものでよく知りません。
ただ、オグリキャップやメジロマックイーンへと続く芦毛時代の先駆者であることは間違い無いでしょう。
引退戦で敗れた相手は新時代を開いていったオグリキャップ。
この敗戦がオグリの名声を高めました。
しかしその後の競馬人気を高めたと考えれば、ある意味最も負けても華のある馬だといえますね。
タマモクロスの産駒は好きなのが多いので、是非大きく花咲いて欲しいです。
・・・・馬券の為にも(台無しだあ)


ダイタクヤマト: GⅠを勝ったら別の馬

(父)ダイタクヘリオス (母)ダイタクブレインズ (母父)テスコボーイ

総評 : 2000年のスプリンターズステークスでアグネスワールドを破ってGⅠウイナーになった。
それまでは条件戦でも自分の型にはまらなければ大敗もある一介のスピード馬だった。
GⅠ勝利後は短距離界で強豪たちと激戦を繰り広げた。
それまでのあっけない競馬スタイルがGⅠ馬になってからは粘りと根性を見せる様に変化。
成績で変わるのは人だけではない、という事なのでしょうか?

私評 : この馬が勝ったスプリンターズステークスでレース前に「人気のない逃げ馬だから来るかも」
そう言った記憶があります。勿論、買ってませんでした(涙)
それまでのレースは淡白な馬がひとつ大きなレースを勝ってからは完全に変化。
自信がついたのかも知れませんね。
種牡馬になっている様ですから、内国産ですし産駒に期待したいですね。


トウカイテイオー: 最強馬の仔に恥じぬ名馬

(父)シンボリルドルフ (母)トウカイナチュラル (母父)ナイスダンサー

総評 : 最強と名高いシンボリルドルフの代表的産駒。
皐月賞、ダービーを無敗で制したものの、三冠目の菊花賞は脚部不安で回避。
それでも、次年のジャパンカップを制して存在を見せ付けた。
しかし、その後の有馬記念で大敗、骨折のため長期休養をします。
だれもが終わったと思った一年後の有馬記念で奇跡の復活を果たし、GⅠ4勝。
記録にも記憶にも残る名馬でした。

私評 : 最後のレースで奇跡の優勝というのは並外れた何かが無ければ出来ないことでしょう。
この馬にはそれがありました。
産駒は今のところはそこそこですが、強い馬がでる下地はあるはずです。
産駒にも"奇跡"が宿ればよいですね。
・・・・って言ってたら、トウカイポイントがマイルチャンピオンシップを制しました。
でもセン馬(涙)
今度こそ後継者が出て欲しいですね。


テイエムオペラオー: やっぱり何だかんだ言っても強かったよ。

(父)オペラハウス (母)ワンスウェド (母父)Blushing Groom

総評 : 99年の皐月賞制覇後、古馬になって本格化。
2000年は重賞8連勝でG15勝、秋の天皇賞、JC、有馬記念を連勝した唯一の馬となった。
翌2001年は春の天皇賞勝ちのみのG1勝利だが、シンボリルドルフに並ぶG17勝をを上げた。
父・オペラハウスの唯一の成功例であり、日本におけるサドラーズウェルズ系の草分けになる存在。
産駒はこれからだが、強い馬かズブイ馬の二通りの傾向に分かれそうである。

私評 : 勝ち方が何となく無難で面白みに欠けるのでそんなに強く感じてませんでした。
それに同時期に当った馬に恵まれた面もあったし。
それもこれも前年の最強世代がみんな抜けていたのがそういうイメージを与える原因かと。
やっぱり一年負け無しというのは凄いことだと今は素直に思います。
血統的にはちょっと重めの馬ですから、軽い母系だと良いのかも知れませんね。
でもやっぱ主戦騎手があの人であれだけ勝てたのだから凄いのかもね。


トキノミノル: 十戦十勝・幻の名馬

(父)セフト (母)第弐タイランツクヰーン (母父)Soldennis

総評 : 新馬戦から朝日杯、皐月賞、ダービーまで10戦して10勝した名馬。
しかし、ダービー直後に破傷風と診断され、ダービーを勝って17日後に死亡。
新馬の8馬身圧勝からダービーまででもっとも差を詰められたのが、ダービーの1馬身半だったという。
しかしこの時膝の病気に加え、裂蹄も抱えており調教も満足に積めない状態だったという。
レース時には蹄と蹄鉄の間にフェルトを挟んでいたらしい。
それでもレコードタイムでの勝利、すごい馬です。

私評 : この馬は東京競馬場にブロンズ像が飾られているというのを聞いた事があり、知ってはいました。
破傷風と診断された時にはすでに手遅れだったそうです。
時間的な事から考えても、ダービーを走った時には破傷風菌に冒されていたという事になります。
これだけの馬ですが、当たり前ながら後継者はいません。
残念ですね・・・