さ行

シンザン: 世代を超える不滅の名馬

(父)ヒンドスタン (母)ハヤノボリ (母父)ハヤタケ

総評 : 昭和を代表する名馬。長くシンザンを超える馬を生産する事が国内の生産者達の目標と
されてきた。
クラシック3冠を制し、天皇賞、有馬記念を含めた当時の五大競争を勝った事から5冠馬とも
呼ばれる。三冠馬は戦前のセントライト以来の快挙。
種牡馬としても晩年に2冠馬ミホシンザンを出すなど成功している。
その功績を称えられ、毎年1月(これは番組編成で変わるかも知れませんが)に京都競馬場に於いて
シンザン記念という重賞競争が行われている。
19戦19連対(つまり全戦勝利か2着しかない)の記録を持つ。長寿記録も持っており、死亡時
には一般ニュースにもなりました。

私評 : 昔の競馬は今とは違いフルゲートの頭数が多かった為、実力の足らない馬の出走も多く
結果、実力馬の邪魔になるという事が多かったそうです。その中で常に自分の力を出し切り
全てのレースで連対、大きいレースで勝利を収めたというのは凄い事です。
多分、能力が秀でていたのと共に馬が賢いというのもあったのでしょう。
"鉈の切れ味"と称されていましたが、これはシンザンの前にいたコダマという馬と比較しての事で
シンザンを下に見ての発言だったようです。実際のレースは昔の白黒でしか見たことがありませんが
まるで瞬間移動したかのような瞬発力には鳥肌が立ちました。今走っても強いかもしれませんね。


シルクジャスティス: やる気が出れば・・・の未完の大器

(父)ブライアンズタイム (母)ユーワメルド (母父)サティンゴ

総評 : クラシック戦線では人気上位を占め、ダービー2着の実績も、勝ちきるまでには至らなかった。
しかし、年度末の有馬記念では当時の最強馬エアグルーヴとマーベラスサンデーを直線一気の競馬で下し、引退した2冠馬サニーブライアンと故障した菊花賞馬マチカネフクキタルに代わり世代の頂点に立つ。
しかしその後は同期のライバル、メジロブライトに負け続けそのまま引退。
馬が走る気を失っていたのが悔やまれる1頭でした。産駒にあの豪脚を伝えて欲しいものです。

私評 : 人が買えば来ないし、買わないとやってくるというとんでもなく祟ってくれた馬です。
秋の天皇賞で最後方を舌を出してやる気なさげに走っていた時はため息がでました。
主戦の藤田騎手は「やる気さえ出れば最強なんだ」と言ってましたが然り。
産駒にはその気性だけは伝えないでね(苦笑)。


シンボリルドルフ: 史上最強、無敵の皇帝

(父)パーソロン (母)スイートルナ (母父)スピードシンボリ

総評 : 15戦13勝、そのうちG1は7勝。
史上初、無敗でのダービー制覇などあまりの強さに「皇帝」の通称がある。 皐月賞、ダービー、菊花賞、天皇賞、ジャパンカップ、有馬記念2回と内容も濃い。 前年の3冠馬ミスターシービーと3度戦い、3度とも下すなど「最強」を表すエピソードは多い。
種牡馬としても2冠馬トウカイテイオーを出し、成功している。

私評 : どんな展開でもしっかり勝つという名馬のお手本の様な馬。レース自体は見た事はないですが、
7冠馬の名前は不滅です。あくまで私評ですが近年のなんちゃって7冠とは訳が違うと思います。
海外に遠征して故障、引退となった様ですが国内最終レースの有馬記念で調教師の方は主戦の
岡部騎手に「国内のファンには最後だから、最後まで追うように」との指示を出したそうです。
つまり、それまでのレースは能力全開でなくとも勝てていたという事。凄い馬です。


ジェニュイン: 速さは脆さを内包すろ

(父)サンデーサイレンス (母)Croupier Lady (母父)What Luck

総評 : 今は亡き、名種牡馬・サンデーサイレンス初のクラシックホース。
皐月賞を制し、ダービー2着の後、天皇賞・秋でも2着して能力の高さを示した。
翌年、マイルチャンピオンシップも制してGT2勝した。
スピード豊かなその走りとは裏腹に結果の波が激しく、重賞はこの2勝だけである。
通算でもマイルCSの後は勝っておらず、人気を裏切っていた。
引退後はそのスピードの高さから世界でも注目され、人気のある種牡馬になっているようである。
ただ、産駒に大物は居らず近年は同型のタイキシャトルに押され気味かも。

私評 : 結構好きな馬で良く買っては、裏切られた記憶があります。
今思えば、勝負根性に欠ける面があったのかな?と。
馬券はタイキブリザードの2着になった時に取りましたが、それだけかな。
後で聞いたので信憑性は明らかではありませんが、体に雨が掛かるとやる気をなくしたとか。
・・・・・もっと早く教えてくれよう〜と思ったのは私だけではないはずです(涙)


ステイゴールド: あきらめなければ夢は逃げない

(父)サンデーサイレンス (母)ゴールデンサッシュ (母父)ディクタス

総評 : 快速馬サッカーボーイの近親。しかし、いまいち勝ち切れないレースが続いた。
天皇賞、宝塚記念などのG1レースで2着に入るも重賞勝ちはなし。
しかし、武豊騎手を鞍上に迎えると目黒記念(G2)を制覇。
引退年には海外に遠征しドバイシーマクラシック(G2)で強豪ファンタスティックライトを破り世界的にも名を馳せる。
最後のレースとなった香港ヴァーズ(G1)で初めてのG1制覇を成し遂げた。
また、この勝利は日本生産馬、日本調教馬としても初めてもので意義深い。

私評 : 同世代や下の世代に強い馬が多く居たという意味で不遇な馬かもしれません。
また、脚質的に上手な騎乗を要求される事等も勝ち味に遅かった理由でしょう。
でも、惜しい馬で終わらずに結果が出て引退したのは幸福です。
夢は諦めない限りは終わらない――と教えてくれているようです。


スペシャルウィーク: 常に強敵と戦った誇り高き名馬

(父)サンデーサイレンス (母)キャンペーンガール (母父)マルゼンスキー

総評 : 近年稀に見るほどの強い馬が集まった世代の中心馬の1頭。名手武豊騎手に
初のダービー勝利を与えた他、タマモクロス以来の春秋天皇賞連覇、ジャパンカップ勝利
とG1勝利は4つある。ペースの早遅に関わらず、確実に伸びてくる末足は鮮烈。
大種牡馬サンデーサイレンスにとって代表産駒となる1頭です。

私評 : 私が最も思い入れのある馬です。同期の馬で代表的なのはサンクルー大賞典(G1)
を制し、凱旋門賞2着のエルコンドルパサー、グランプリレース3連覇で2度スペシャルウィークを
下した怪物グラスワンダー、強力なスタミナで逃げ、皐月賞、菊花賞を制したセイウンスカイ
世界的な良血で高松宮記念を勝った快速馬キングヘイローといった多士済々でした。
ジャパンカップの時、凱旋門賞でエルコンドルパサーを破ったモンジュ―を下した時はスカッと
しましたね。どうや!ってな感じで(笑)。来年になれば初年度産駒が走ります。今から楽しみです。


セイウンスカイ: 不運の父を持つスタミナの権化

(父)シェリフズスター (母)シスターミル (母父)ミルジョージ

総評 : '98の皐月賞、菊花賞を制した。
スタミナを生かした軽快な逃げで人気を博した。
クラシックを含めてスペシャルウィークとの5度のレースは2勝3敗。秋の天皇賞敗退後に故障。
その後、復帰したが故障前の力はなかった。
父、シェリフズスター唯一の成功馬でもあります。

私評 : クラシック時にはスペシャルウィークの最大のライバルホースでした。
菊花賞はレコードで勝ちましたが、これはスピード面よりもむしろスタミナ面が強く出たレースだったのではないでしょうか?
同じような逃げを打ったサイレンススズカとはレースぷりは似ていても内容は違ったと思います。
余談ですが、父・シェリフズスターは産駒が活躍せず、やっとセイウンスカイが皐月賞を勝って日の目を見た時には廃用になっていました。あと数ヶ月待てば、そうならなかったと思うと厳しい世界です。
セイウンスカイが活躍馬を出してくれると信じましょう。