十代田 光子(チェロ)
そしろだ   みつこ

 東京生まれ。

 幼少の頃よりピアノを、中学生の時からチェロを弾き始める。
子供の頃はピアノが好きで、けっこう一生懸命に練習したが、
自分の音楽性にテクニックが追い付いていないことを感じていた。

 中学1年生の時、先生の計らいで
某オーケストラと協奏曲を共演する機会に恵まれた。
その時ピアノ越しに見えたコントラバス奏者のお兄さんがとてもカッコ良く、一目惚れ。
思いきって、コントラバスを教えてほしいと話しかけたところ
「君は小さいから、チェロにしたら」と言われ、チェロを習い始めた。

 大学卒業後、しばらくはフリー奏者として、
クラシック、ポピュラー、演歌など、ジャンルを問わず活動していた。
ある時、仕事で訪れた金沢の、街中を流れる犀川に惹かれて移り住み、
以後十数年間、金沢のオーケストラに在籍し、
日本酒と日本海の魚と加賀野菜を堪能しつつ暮らす。
その後、生まれ故郷の東京に戻るが、金沢への思いは消えず、
現在は行ったり来たりの生活を送っている。

 古楽との出会いは、東京に戻って来てから。
自分の足の短さも顧みず、エンドピンのないバロックチェロを弾くこととなった。
最初の三年くらいは、本番中、足がしびれて大変だった。

なぜ、足がしびれてまでも、私はこの楽器を弾きたいのか?
それは、ガット弦の音を弾いた時、
これなら自分の声としての表現ができる!と感じたから。
それから、古楽アンサンブル、古楽オーケストラでは、
それぞれの奏者が個性を十分に出しつつ、しかも一体になれる可能性が、
モダンのアンサンブルやオーケストラに比べて格段に高いこと。
これはやめられません!
各々が個性的でありながら、全体としては一体である、
これが人間社会の理想の姿だと感じつつ・・・・。